台湾も外付けタンク(CISS)と互換インクまみれだった【台湾視察レポート後半】

台湾も外付けタンク(CISS)と互換インクまみれだった【台湾視察レポート後半】

 

※台湾視察レポート前半はコチラ >> 日本の純正インク・保守牢獄は長く続かないと思った

 

◆台北の秋葉原で外付け天国っぷりを見た!
続いて、町のタバコ屋サイズの小さな家電屋ばかりがズラっと並ぶ、獅子林ビルに入ります。

台北西門獅子林ビル

スマホや携帯、PCショップの片隅で使われている業務用プリンターに注目しました。

▼携帯ショップの隅にたたずむブラザーのプリンター

携帯ショップに置かれているプリンター

設置されているプリンターのメーカーを見てみると、エプソン、キャノン、HPが多く、続いてbrother、サムスン、ゼロックス、コニカミノルタも見かけました。日本で見かけるのより古い機種で、相当古いものを使い倒しているケースもあるようです。さらにプリンターをよく見てみると、純正カートリッジを使わずに互換インクをそのまま注ぐための外付けタンクやロングカートリッジがどの機械にも付いていました純正のインクを使わないために改造版カートリッジやタンクの工夫の嵐です。但し、EPSONはメーカーが大容量インクタンクを海外専用で提供しており、それは改造版ではありません。

▼ブラザー機とロングカートリッジ

ブラザー機のCISS

 

 ▼EPSON大容量インクタンク(海外専用でエプソンが提供している)

エプソン機のCISS

▼CISSタンクを横に倒すとインクの入り口が

CISSインク注入口

 

 ▼EPSONプリンターとCISS。修理中らしい

EPSON機と特殊タンク

 

ついでに言うと、旅行中は台北の格安ユースホステルに宿泊した貧乏Gメンなのですが、そこの宿でも骨董品のようなHPのプリンターのカートリッジに穴を空けて互換インクを入れて使っているとのことでした。「純正なんてまともに使ってたら商売になりません」とのことでした。

 

◆なぜか純正インクを使ってる企業も
続いて台北駅に移動し、駅前のNOVAという大きな家電ビルに移動します。駅前NOVAというと外国人教師を酷使したあげくに給料を払わないというダイナミックな手法でブラック企業界の雄として名乗りを上げた駅前留学の会社を思い出しそうになりますが、それとは無関係の家電ビルです。すぐに最上階のプリンターを販売しているショップに入ります。

台北NOVAプリンター屋

対応してくれたのは20代と見られる女性。比較的おとなしそうに話す台湾人としては珍しいタイプ(?)の、自信満々で両目を見据えて話しかけてくるお姉さんの雰囲気に圧倒されながらも話を聞いてみました。

Gメン 「台湾では純正インク使ってる人って多いの?」
女性  「純正と比較して値段が10分の1くらいだから、外付けタンクと互換インクを使うのが普通だよ」

Gメン 「日本じゃほとんど外付けタンクって使われてないんだよ」
女性  「ひえ~マジ?日本人ってユウフクねえ」

Gメン 「じゃあこのプリンターショップでも互換インクを使ってるの?」
女性  「純正インク使ってるよ」

Gメン 「なんで?」
女性  「なもん知らねえよ、会社の金だもん。ガハハ!」

(英語が不自由なのでわかりませんが、ほぼこんなことを言っていたと思います)

と笑い飛ばしていました。「会社の金は使い倒せ」という原理原則が台湾でもしっかり定着していることにひと安心。このグローバル姉ちゃんもきっとバス通勤しながら電車賃を請求するようなセコい手口を使っているのでしょう。

このショップで販売されているプリンターの一部は外付けタンクがセットになって販売されていましたし、純正インクを買っていくような人は比較的珍しいようでした。

※追記※ 2016年にエプソンが国内での外付けタンクセットのプリンターを発売しました!

>> 【エプソンがエコタンクプリンター発売】インクドボドボが巻き起こす業界破壊?
>>エプソンエコタンク公式サイト

 

◆純正の20倍安かった!場末の互換インク屋にて

台北NOVAのHP互換インク
続いて互換インク屋さんをのぞいてみます。多くはHPとエプソン用の互換インクを扱っており、HPの最も安いものは100ミリ1本で150元(500円)でした。純正だと現地で20mlで2,000円程度なので、純正と互換で20倍くらいの価格差がありました。20倍も違ったらマジメに純正インクなんて使えないですよね。

 

◆以上!台北インク事情視察のシメ
台北ではそれほど専門的なお店でなくても互換インクが売っており、エプソンは自主的に大容量インクタンクとセットのプリンターの販売にむしろ積極的である様子がうかがえました。純正インクの使用率が高く、インクの販売の方が圧倒的に儲かる日本のマーケットとは大きく異なります。

日本はキャノンやエプソンのお膝元だけあってこういった互換系の流入をなんとか食い止めている状態ですが、グローバル化によるモノの流動化とネットの普及による情報のフラット化の流れにあらがい続けることは難しいのではないでしょうか。恐らく10年以内には、現在のように消耗品で収益化する日本国内独自のビジネスモデルから、本体と大容量インクタンクの販売で収益化し、消耗品はユーザが選択できるような東南アジアで一般化しているような仕組みにせざるを得ないのではないでしょうか。日本のユーザの選択肢が増えることは企業や個人の財布にとって、大変結構な事態だと思います。

 

■関連ページ

>> 【エプソンがエコタンクプリンター発売】インクドボドボが巻き起こす業界破壊?
>> 私の外付けとの出会い。「インク使い放題」岩城代表インタビュー
>> 比較したら悲しくなった。日本と海外のインク価格の比較

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