インクの目詰まり解消方法とメンテナンス

インクの目詰まり解消方法とメンテナンス

安くてコンパクトで使い勝手の良いプリンター。なかでもインクジェットプリンターは写真などの印刷にも向いているため、家庭やオフィスなど様々な場所で重宝されています。

そんなインクジェットプリンターの厄介な点は、インクの目詰まりが起きてしまうこと。そこで本日はインクの目詰まりの解消方法と日々のメンテナンスについて紹介します。

インクの目詰まり解消方法と日々のメンテナンス

 

インク

目詰まりの原因

インクが目詰まりする大きな原因は乾燥による凝固。
インクに限らず、やや粘り気を含む液体は空気に触れることで、どんどん水分が蒸発して固まってしまいます。トマトケチャップやマヨネーズのボトル容器の出入口、ノック式のボールペンの先端など、空気に触れて液体が固まってしまうことは珍しくありません。

私も自宅の冷蔵庫を開けて、ケチャップやマヨネーズのキャップを開けてみましたが、ケチャップの方は容器の入口部分にカチカチのケチャップが付着していました。

詰まり

これと同じことが、プリンターのインクでも起きています。プリンターのヘッド部分で、インクが空気に触れているため、時間の経過とともにインクの水分が蒸発し、上記のケチャップのように固まってしまいます。これがインク詰まりの原因です。

目詰まりの解消方法

 

プリンターヘッド

                     出典:Canon

ケチャップの容器の出入口が完全にケチャップで覆われてしまった時に、水を含ませたティッシュなどで拭き取る人もいるかと思いますが、私は面倒なので容器の中央を力強く押して、その圧力で覆ったケチャップごと押し出します。

インク詰まりの解消にも圧力が必要です。それに加えてインクは、一度固まっても固まっていないインクと再び混ざることで溶けるため、この「溶ける特性」も利用して目詰まりを解消します。

「圧力を加える」「溶ける特性を活かす」の2つを融合しているのが、プリンターに内蔵されている機能の「プリントヘッドのクリーニング」です。

クリーニングでは、カードリッジ内部のインクを通常より多めに流し込み、ヘッドの先端で固まっているインクと混ざることで溶け合い、それと同時に内部から強い圧力でインクを押し出します。

「溶かしてから圧力で押し出す」
これがヘッドクリーニングの仕組みです。

基本的にCanonのプリンターは、電源を入れる度にヘッドクリーニングを実行しますが、他のメーカーではパソコン上からヘッドクリーニングを行います。一例として、幾つかのメーカーのヘッドクリーニング方法を紹介するので、チェックしてみて下さい。なお、Canonのプリンターであっても一部の機種は、パソコン上からヘッドクリーニングを行います。

同じメーカーのプリンターでも、機種によって方法が異なるので、必ず対応機種を確認しましょう。

 

市販のクリーナーは大丈夫?
Amazonなどの通販サイトや家電量販店で市販のヘッドクリーナー等が販売されており、また、家庭用洗剤等を使用したオリジナルの目詰まり解消法がネット上に掲載されています。もちろん効果の高い商品や方法も多く情報として有益ではありますが、それで悪化した場合などメーカーの保証対象外となってしまう恐れがあります。参考にしながら試みる際は自己責任です。→とは言え、修理代より新しく本体を買った方が安い場合もあるので、故障覚悟でやってみる価値はあると思います。

 

メーカーによる修理

パソコン上からのヘッドクリーニングは一度に何回も行ったところで意味はありません。むしろ、ヘッドをいためる原因になってしまいます。目詰まりが解消されないからと言って、繰り返しヘッドクリーニングを行っても結果は変わらないので、メーカーに修理の依頼をします。

ここでのポイントは、インクカートリッジの種類。
インクカートリッジのカタチには、2つのタイプがあります。

 

カートリッジ:独立型インク 独立インク出典:日本HP ユーザーが簡単に取り外せないように固定されていることが多く、基本的には修理を依頼しなければならない。
カートリッジ:一体型インク 一体型インク出典:日本HP ヘッドが完全に詰まっても、新しいインクカートリッジを装着すれば、すぐに直る→インクさえ買えば自分でも交換しやすい。

 

一体型インクは交換するだけなので自分でもラクに目詰まりを解消させることができますが、プリンター側にヘッドがある独立インク型の場合、そもそもプリントヘッドを外せないように固定されていることが多く、なんとか自力で外しても、固まってしまったインクは同成分の液体に溶ける性質のため、水道水で洗ったところで目詰まりは解消されません。よって、独立型インクは本体のヘッドクリーナーで解消されない場合、自力での解消は厳しいと言えます。

また、近年はメーカーが修理を行う時に一律料金(どのような故障内容でも同じ金額)を採用しているところが多いので、目詰まりでも高額になるケースが多く、買い直した方が安くなることがほとんどです。

なお、「プリンターの寿命」でも述べたように、発売から5年が経過するとメーカー側に部品を取っておく義務がなくなり、部品がない=修理自体が不可能なことを理由に、サポートも終了してしまうことが多々あります。

日々のメンテナンスで目詰まりを予防

 

お手入れ
目詰まりを予防するために、大切なことは日々のお手入れです。

ちょっとだけ専門的な話になりますが、ヘッドには2種類の方式があり、EPSONは電気を使ったピエゾ方式、Canonは熱を使ったサマール方式を採用しています。brotherとHPはEPSONからOEM供給を受けているので、同じエピゾ方式です。

よって、EPSON、brother、HPに関しては「どのメーカーのプリンターが詰まりやすい」「詰まりにくい」の差はありません(プリンター本体には)。あるとすれば、使用しているインクや使い方に起因するところが大きいでしょう。また、電気だろうと熱だろうと、詰まりやすさ・詰まりにくさに「差はない」と言われています。

どの方式でも、どのプリンターでも、インクが空気に触れる限り固まるリスク=目詰まりを起こすリスクはあります。

印刷をする機会がなくても、週に何度かはプリンターの電源を入れて、ヘッドクリーニングを行い、さらに週に1度くらいは印刷をすると、インクは固まりにくいでしょう。ただし、ヘッドクリーニングはカードリッジ内部のインクを通常より多めに流し込むので、実際に印刷をしなくても、インクは消費されてしまいます。

独立タイプのインクカートリッジケースに、洗浄液を入れた「洗浄カートリッジ」などが販売されているので、通常のインクカートリッジと同じようにプリンターに装着し、日常的にヘッドクリーニングを行うと、インクも減らず、目詰まりの予防ができるのでオススメです。

「目詰まりを起こした!」と慌てるのではなく、日頃から「インクは固まりやすいもの」と覚えておき、定期的なクリーニングを行いましょう。メンテナンスこそが健康寿命を延ばし、より良い印刷に仕上げてくれます。

 

レンタルプリンターで目詰まりを起こしたらすぐに連絡!

 


ここまでプリンターの目詰まり解消方法について紹介しましたが、あくまでも「購入した場合」です。レンタルプリンターの場合は、保守メンテナンスを無料で行ってくれるので、まずは電話で問い合わせをしましょう。

目詰まりを含め、簡単に解消できるような内容であれば、電話でメンテナンス方法を教えてもらいながら、一緒に解決を目指します。それでも解決しないようであれば、翌日以降に訪問で対応してくれます(レンタルプリンター会社や地域による)。

機種によって異なるクリーニング方法を調べる手間が省けるだけではなく、プランによってはインクが使い放題なので、クリーニング時に大量に消費されるインクのコストが気になりません。そのため、毎日のようにクリーニングをすることができるので、目詰まりのリスクを大幅に抑えられます。

インク使い放題

 

プリンターのレンタルに関する相談や質問は無料なので、お気軽にお問い合わせ下さい!

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