カウンター料金の”呪縛”|コピー機の保守料金を支払う価値はあるか

カウンター料金の”呪縛”|コピー機の保守料金を支払う価値はあるか

こちらの文章は、「インク使い放題」岩城代表による寄稿文です。

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保守料金、カウンター料金という聖域

そもそもユーザからするとカウンター料金や保守料金というものはよく解らない上に、使えば使うほど請求が跳ね上がるシステムである。あるオフィスの場合、5年間のリース料金に加え保守の基本料金、設置費用、訪問出張料金、ネットワーク設定費等本体以外の費用を請求されている。本体100万円のモノクロ・エントリー機種にも係らず、5年間の総額は180万円である。60回払いで月々3万円。これがリース代金でまとめてメーカーや代理店に入る仕組みである。信販会社は金利で儲ける。同じ機械を大手家電店で買うと幾らだろうか?試しに見積もりを取ると52万円(送料込み)設定費等はPCの台数にもよるが20,000円程度だそうだ。ネット直販なら更に安い。

こういうと決まって複合機メーカーはこういう切り替えしを行う。「トナー代や紙代のコストは計算していますか?故障時のリスクコストは?カウンター契約なら安心を買えますよ!」

 

カウンター料金を計測するために、機能(コスト)が追加されている

 

それは先進国の複合機業界で『意図的に作られた仕組み』であり、収益構造の「勝利の方程式」である。聖域と言っても良い。ある複合機器販売のサイトでのカウンター料金の説明にはこう書かれている。

Q. 複合機の「カウンター料金」とはなんですか?
A. 印刷するごとに機器内部のカウンターが枚数を数え、それに単価を乗じた料金をお支払いいただく制度です。カウンター料金とは複合機利用料金の課金方式の1つです。通常複合機内部には「カウンター」と呼ばれる印刷枚数をカウントする機器がついており、印刷のたびに枚数を計算しています。『カウンター料金』とは、 【カウント数(印刷枚数)×1枚当たりの課金総額】 をお支払いいただくものです。

つまり、カウンター料金をカウントする為にわざわざ機械を追加しているのである。プリンター等には基本的にこういった機能は含まれない。必然的にコスト増に繋がる。

 

リース+カウンター保守契約 VS 買取+長期保証+有料修理

そもそもリース、レンタル、割賦販売、現金一括等の調達方法があるが、どれが得なのか?よく言われる「リースは全額経費になる」という触れ込み。これは全くの嘘ではないが、満額経費として計上出来たとしても、支出のバランスがとれていなければそもそも意味のない話であるし、赤字の会社には関係もない。

■リース事例
先ほどの定価100万円の機械を5年リースで導入した場合の例をみてみよう。
本体: 100万円
設置費用: 20万円
ネットワーク設定費用: 40万円
運送費用: 8万円
総額: 168万円

リース期間 5年、物件価格168万円円、リース料率 1.87%
支払回数 60回
月額リース料 31,416円 、総リース料 1,884,960円

月々約3万円を支払い 総額で180万円を超える。これに1枚辺り3-5円程度のモノクロカウンター料金が乗っかってくるわけだ。

 

ここで、リースとレンタルの仕組みの違いと会計上の違いについてまとめる。

▼リースとレンタルの仕組みの比較

コピー機のレンタルとリース比較

 

リースとレンタルの会計上の比較

コピー機のレンタルとリース会計面比較

また、上記表は会計上での取り扱いを示した。割賦と現金では金利部分以外の会計上取り扱いに大きな違いは無いので、支払いが楽で現実的な分割を掲載した。本来は、これに中古複合機やプリンター、インクジェット複合機等を含めて議論すべきであるが紙面の都合上別の機会に譲る。「厳しい経済状況だからこそモノの持ち方を見直してみよう」という流れ、「必要なモノを必要な期間だけ利用したい」「固定費を変動費化したい」「資産数を適正化したい」「固定資産の管理が困難になっている」等の声に、レンタルの仕組みを組み込んだ様々なサービスが生まれ、お客様のニーズに対応してきている。

ワークスタイルが多様化する中、期間が限定されるプロジェクトや繁忙期、イベント等の1日から1年未満でのレンタルを活用するシーンが増えている。また、情報漏えいの防止の意識向上等から、会社から機器を持ち出すことはセキュリティ上出来ない。そのような場面で期間に合わせて必要機器をレンタルで利用するシーンも増えている。普段仕事には欠かせないPCの導入から保守、廃棄まで一環でサービスを提供するレンタル等、アウトソーシングの意味合いも色濃いレンタルサービスが出てきたことも、市場へ対応したトレンドと言えるだろう。リース及びレンタル、日本会計基準の国際化については今後の動向も気になるところである。

現時点での日本会計基準を鑑みたリース,レンタルの違いを大雑把にまとめると
・リースは新品の指定機種を長期契約で、一般的に解約不可、全額支払い
・レンタルはレンタル会社在庫から要件に近いモノを提供。期間に合わせた利用と解約が可能(短期から長期まで)
・会計基準上レンタルもリース取引としての取り扱い
・会計上リースはオンバランス、レンタルはオフバランス
と表せる。

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100台買えば保守に困るだろうか?

■死角はSOHO向けレーザー・インクジェット複合機

実は大型の複合機と家庭用・SOHO向け複合機(プリンター)に大きな構造上の違いはない。仕組み上、レーザー(トナー)を使うものとインクジェット(インク)に大別されるものの、大型機であるか家庭用機であるかは関係がない。では、何が違うかというと保守等のサポートと一対になっているか?新品1年保証のみなのか?という故障対応の部分である。付帯機能に関してはモデル毎に幅が広く、家庭用やSOHO用といわれる機器でも大型機並みの高性能機も探せば見つかる。大型機が100万円以上する時代にA3のSOHO用機器はハイエンド機でも20万円もしない。ミドルエンドなら6万円程度だ。16台買えてしまう話になる。家庭用のA4廉価機等は実勢1万円を切るものが多い。こうなると100台買えば保守に困るだろうか?考えてみて欲しい。

■消耗品は純正か互換品かリサイクル品か?
詳しくは別記事にまとめる予定なので、簡単に書くが互換品が最もコスト的にメリットが大きい。金額で言うと、純正品が5000円程度のインクカートリッジの場合実勢価格はリサイクル品で3000円、互換品で2000円くらいで買える。あくまでも大手のメーカーの話なので、直売系のお店では数百円でもみつかるかもしれない。

 

長期保存する資料ならコンビニで事足りる

■互換品の印刷の程度はどうか?
通常の印刷で、気になることは少ないが写真等を印字する場合には純正品がやはりきれいに見える。問題はそのきれいさの違いだ。同じモデルで実験を繰り返すと解るが、個人での許容量や主観が混じるので最も難しい評価になるものの、大勢として「純正が一番きれい。互換品やリサイクル品は一歩劣るものの普通にきれい。」という意見が多いのだ。倍以上、消耗品のコストが違えば事業所での総額は大きく変わる。せっかくリースの呪縛から逃げ出して買取のインクジェット複合機にしても「純正品カートリッジ」という罠に再度嵌まり込むのだ。

年間を通して、印画紙風光沢紙に写真を印刷する回数はどの程度だろうか?そもそもネット時代の昨今、写真そのものが安価に注文できる。L判1枚3円程度~で送料はメール便の80円。筆者はこれで十分賄えている。では、契約書はどうか?長期保存に適した印刷が必要な契約書は必然トナーでの印刷を欲する。しかし、不動産賃貸借契約書等大事なもの以外は保管性を問われる書類は存外少ない。では、そういった少量の書類のために高額な費用を払いたい経営者がいるだろうか?それこそコンビニで事足りないか?1万円台のモノクロA4レーザープリンタを予備で持っていれば解決しないか?

今回は問題提起を残して筆をおこうと思う。


岩城代表@福岡の飲食店にて

平成26年9月2日コピホーダイ岩城代表

ALL PLAN DO, INC.グループ CEO Yasuhiro Iwaki 寄稿文

 

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