「認印を持参すること(※シヤチハタ不可)」など、認印が必要な場面でシヤチハタを拒否されることがあります。一体なぜ100均で購入した認印はOKで、1本1,000円以上するシヤチハタはダメなのでしょうか?今回は、認印とシヤチハタの違いについて解説します。
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ベテランGメン園川
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認印とシヤチハタの違いは?
まずは、認印とは一体何なのか、シヤチハタとは一体何なのか、それぞれの定義を簡単におさえます。
認印とは、実印・銀行印ではない印鑑のことです。要するにどこの機関にも届け出ていない印鑑のことを、認印と呼びます。認印は木材やプラスチック、金属、石、動物角材など様々な素材でできており、シヤチハタも認印の一種です。
ただシヤチハタは他の認印と大きく異なる点があります。シヤチハタの特徴は以下です。
- インクが内蔵されている
- 印面がゴムでできている
シヤチハタはもともとインクが内蔵されているため、いちいち朱肉をつける必要がなく、連続捺印も可能です。ただし、朱肉とシヤチハタに内蔵されているインクは、全く性質が異なるものなので、注意しましょう。
また、シヤチハタ以外の認印は変形しにくい素材を印材として採用していますが、シヤチハタの印面はゴムなので変形しやすい点にも注意が必要です。
ちなみにシヤチハタは、正確には「シヤチハタ」というメーカー名のことです。が、シヤチハタが発売したインク内蔵型印鑑があまりに有名になったため、今は「シヤチハタ」でインク内蔵型印鑑全般を指すようになりました。
「シヤチハタ不可」の理由とシーン
それでは、「シヤチハタ不可」と言われる理由や、「シヤチハタ不可」とされる可能性が高い具体的なシーンについて確認します。
理由
「シヤチハタ不可」とされる理由は以下の3つです。
- 印面がゴム製なので経年変化によって印影が変わる可能性が高いから
- インクが紫外線などによって薄くなる可能性があるから
- 全く同じ印影のものがいくつも存在するから
もちろん朱肉が必要な印鑑でも、欠けや劣化によって印影が変化する可能性は十二分にあります。しかし、シヤチハタの場合は、劣化による印影の変化の可能性がより高いとみなされています。
また、シヤチハタに内蔵されているインクは、朱肉とは異なり、紫外線に当たることによって色が薄くなってしまう可能性があります。印影が消えてしまう可能性があるため、認印としては認められないことがあるというわけです。
さらに、手彫り印鑑なども存在する認印に比べ、シヤチハタは機械による大量生産です。全く同じ印影のものが多数存在するため、「本人」と認めにくいということから、認印として使えないことがあります。
ちなみにシヤチハタは、印影が変化する可能性があるため、実印や銀行印として登録することはできません。
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具体的なシーン
「シヤチハタ不可」とされる具体的なシーンは以下です。
- 会社への提出書類
- 学校への提出書類
- 契約関連書類
いずれも法律等で明確に「シヤチハタは不可」とされているわけではありませんが、おおむね公の書類にはシヤチハタは使えないことが多いでしょう。
2020年11月、河野規制改革担当大臣の号令により、役所における認印廃止が決定的となりました。(※参照「NHK NEWS」)
これについては、印章業界団体からは反発の声が相次いでいます。一般人からは「歓迎」の声が多数…かと思いきや、昨今の様々な政策の成り行きを受けて心配する声も挙がっているようです。河野大臣の不適切なTwitter投稿にも批判の声が集まっています。(※参照「日テレNEWS24」)
様々な「声」はあるものの、流れとして、形骸的な認印は廃止される方向にある、とみていいでしょう。
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1本ずつ準備を
シヤチハタが認められない場面も多いので、シヤチハタを持たず、100均で準備した三文判だけを認印として使っているという方も多いようです。しかし当然、シヤチハタと認印を1本ずつ準備したほうが、利便性がアップします。シヤチハタは、以下のような場面で役立ちます。
- 宅急便などの受け取り
- 社内回覧へのサイン
- 会社の簡易な書類へのサイン
- 領収書等への認印
ささっと急いでサインをしたい場面では、朱肉なしでポンと押せるシャチハタがとても便利です。シヤチハタのようなインク内蔵型印鑑は、「シヤチハタ」から出ているものだけでなく、100均でも購入できます。
安価なものはもちろん、インクの内蔵量やインクの質、印影などは劣りますが、手軽に購入できて惜しげなく使える点はメリットと言えます。職場用・自宅リビング用・自宅玄関用…など、シヤチハタを使う場所ごとに用意するとより快適です。
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まとめ
- 認印とは、役所や銀行などに登録されていない印鑑のことを指す
- シヤチハタとは、インク内蔵型印鑑のこと
- シヤチハタも認印の一種
- 公の書類にはシヤチハタは使えない
- シヤチハタ不可の理由は、印影にあり
- シヤチハタと認印、それぞれ1本ずつ準備すると便利