法人パソコンの買い替え時は?
パソコンを長年使用していると、不具合が起こったり動作が遅くなってきたり…等、買い替えなければならないタイミングがやってきます。なかでも法人用・オフィス用のパソコンは、故障が起きると業務に支障が出てしまい、場合によっては大きな損失にも繋がります。
では、オフィスで使用しているパソコンは、何年くらいで買い替えれば良いのでしょうか。
今回は、法人パソコンの寿命や買い替えのタイミング、買い替えるべき症状、買い替える際の注意点について紹介します。
法人パソコンの寿命は何年?延長する方法とは
法人向けパソコンの寿命は約5年とされており「法人向けパソコンの寿命=パソコンの心臓部分にあたるデータ保存に必要なハードディスクドライブ(HDD)の寿命」と言っても過言ではありません。
ハードディスクドライブ(HDD)は、使用期間が3年を超えると故障する確率が大幅に高くなることが分かっています(参照:Gigazine)。
なお、法人パソコンの寿命を延長する方法としては「パソコンの電源を適度に落とす」「高温多湿環境での使用を避ける」などが挙げられます。パソコンに搭載されているほとんどの部品は、稼働時間が長ければ長いほど消耗が激しいうえ、環境にも劣化速度が左右されるので、できるだけ部品に負担をかけないような使用を心がけましょう。
しかし、寿命を延長させるようにどれだけ努めても、年々パソコンに不具合が起こる確率が高くなっていくことに変わりはありません。特に法人用パソコンの場合は、業務に支障をきたすような故障が起きる前に買い替えることが大切です。
次に、法人パソコン買い替えの最適なタイミングについて紹介します。
法人パソコン買い替えのタイミングは3年を目安に!
法人パソコンの買い替えは、ハードディスクドライブ(HDD)の故障率が高くなる3年を目安にしましょう。3年を超えて使用し続けてしまうと、以下のリスクが伴う可能性が高まります。
▼法人用パソコンを3年以上使用した場合に考えられるリスク(一例)
- パソコンの動作が遅くなり業務効率が低下する
- HDDの劣化で業務に必要なデータが消えてしまう
- 突然動作を停止してしまう
- サポートが受けられなくなる(法人用パソコンのサポート期間は3年が多い)
- 修理やメンテナンスにコストが掛かる
- 最新ソフトや環境に対応できない可能性がある
パソコンは徐々に不具合が起こるというよりは、突然故障したり、動作が停止してしまうことがほとんどです。
例えば「請求書を発行する会計用のパソコンが急に動かなくなった」「作成していたデータが突然保存できなくなってしまった」など、何の前触れもなく終日~2日間も業務が止まってしまうと、思わぬ損失を招いてしまう恐れがあります。
他にも、3年を超えるとサポートが受けられなくなってしまったり、目まぐるしく変化するネット環境や最新ソフトに対応できなくなってしまったり…等、性能面でも業務に影響を及ぼす可能性も考えられます。
様々なリスクを未然に防ぐためにも、オフィスで使うパソコンは3年を目安に(遅くても5年以内に)買い替えを行うことが理想的です。
続いて、3年経過した、もしくは3年を経過していなくても買い替えを検討した方が良い「パソコンの症状・不具合例」を紹介します。
法人パソコンの買い替えを検討するべき症状
画面がフリーズする頻度が高い
画面が頻繁にフリーズする原因の一つとして、ハードディスクドライブ(HDD)の劣化が進んでいることが挙げられます。
フリーズしても、すぐに回復するのであれば大きな問題はありませんが、突然、回復しなくなってデータが消えてしまうことも考えられるので、早めに買い替えを検討したい症状だと言えます。
他にも、画面のフリーズはパソコンのメモリが不足していることが原因の場合もあります。買い替えのタイミングで用途に合ったスペックのパソコンを検討しても良いでしょう。用途別の必要スペックについては、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
▼オフィス向けパソコンの「用途別」最適なスペックを徹底解説!
急に電源が落ちる
パソコンでの作業中に、急に電源が落ちるなどの症状が起きた場合は、ハードディスクドライブ(HDD)の異常、もしくは冷却ファンの故障が原因の可能性があります。
パソコンのハードディスクドライブ(HDD)にデータの読み込みができなくなったり、内部の熱が放出できない状態が続いたりすると、電源が落ちることがあります。修理を依頼すると、費用が掛かるのはもちろん、業者にもよっては修理にかなりの時間が掛かることが予想され、その間は該当のパソコンが使用できません。
修理コストや業務が止まってしまうリスクなどを考慮し、新しいパソコンへの買い替えを検討しましょう。
異臭・異音がする
パソコンから異臭・異音がする原因は、コンデンサ(電気を一時的に蓄えるなどの役割を果たす電子部品)の不具合や、電源ユニットの故障などが考えられます。
コンデンサは、パソコン部品の中でも劣化しやすく、故障前に膨らむ症状が見られることがあります。少しでも膨らみが確認できた場合は、早急に新しいパソコンへの入れ替えを検討する必要があります。
法人パソコンを買い替える際の注意点
オフィス用のパソコンを買い替える際には、以下の3点に注意しましょう。
- データの移行
- 法人パソコン本体・データの処分方法
- 新しいパソコンは業務内容に最適なスペックのものを選ぶ
データの移行
新しいパソコンで業務をすぐに始めるためにも、データ移行は必須です。特に、以下のデータの移行を忘れないようにしましょう。
▼移行データ(一例)
- ダウンロードデータ
- ユーザーアカウント
- ユーザーフォルダ
- メール
- お気に入り
- デスクトップ上に保存してあるデータ
買い替えの台数にもよりますが、データ移行は長くて半日以上も掛かる場合もあり、データ移行中のパソコンを完全に放置することはできません。その都度、データ移行が上手くいっているか?をチェックしなければならないので、スケジュール調整が必要です。
特に、中小企業など社内に専門の担当者がいない場合は、各自の業務との兼ね合いを見ながら、データ移行をしなければならず、その時間の確保に努めましょう。
法人パソコン本体・データの処分方法
法人パソコンのおすすめの処分方法は以下の2つです。
▼法人パソコンのおすすめの処分方法
- メーカーに問い合わせる
- パソコン処分業者に問い合わせる
法人パソコンには「個人情報」や「顧客先情報」など、外部流出を避けなければならないデータが保存されているので、処分する際には十分に注意する必要があります。
なかには「パソコンを初期化したら安心」と思っている方もいるようですが、実は初期化してもハードディスクドライブ(HDD)にデータが残っていることがあり、初期化をするだけでは不十分です。
自分でパソコンのデータを完全消去するには、専用の消去ソフトを利用したり、ハードディスクドライブ(HDD)を物理的に破壊する方法があります。
しかし、消去ソフトを利用すると、かなりの時間が必要になります。また、破壊する方法では破片が飛び散るなどの危険が伴い、デメリットがあるので、法人パソコンを処分する際は、プロの処分業者に依頼する方法が安心です。
他にも、リサイクルショップに販売するなどの方法がありますが、パソコンのデータ処分ができていなかった場合、大きなトラブルに発展する危険性があるので、あまりおすすめできません。
新しい法人パソコンは業務内容に最適なスペックを選ぶ
法人パソコンの最適なスペックは業務用途によって大幅に異なります。例えば、一般事務用途ならWindows Pro、Core i3、CADソフトの利用ではWindows Pro、Core i7以上などが最適なスペックです。
本サイトでは、ビジネス(法人用)パソコンのおすすめの選び方や、用途別のおすすめスペックを紹介しているので、こちらも参考にして下さい。
まとめ
- 法人向けパソコンの寿命は約5年
- 法人パソコンを長持ちさせるためには「パソコンの電源を適度に落とす」「高温環境での使用を避ける」ことが大切
- 法人パソコンの買い替えのベストタイミングは3年程度
- 法人パソコンの買い替えを検討するべき症状は「画面がフリーズする頻度が高い」「急に電源が落ちる」「異臭・異音がする」など
- 法人パソコンを買い替える際の主な注意点は「データの移行」「法人パソコン本体・データの処分方法」「新しい法人パソコンは業務内容に合ったスペックを選ぶ」
- 法人パソコンの買い替え時には、廃棄方法にも注意しよう