もったいない精神の落とし穴!裏紙は故障の原因に!!

もったいない精神の落とし穴!裏紙は故障の原因に!!

絶対に食べられるのに時間で廃棄されてしまう弁当やパン、過剰な包装紙、国会議員のお給料…。世の中は「もったいないもの」で溢れています。私は宝くじの当選金が換金されていないと聞くと、心から「もったいない」と思います。ある年は総額26.5億円が未換金だったそうです。ああ、もったいない!!

オフィスでも「もったいない」と感じる場面は多々あるでしょう。その代表格とも言えるのが、紙。印刷ミスをした用紙や、会議が終わって役目を果たし終えた資料など、莫大な量の紙が毎日のように発生します。ただ捨ててしまうのは「もったいない」と、裏紙として使っている会社もあるようですが、その「もったいない」精神は大きなリスクもはらんでいます。

意外と知られていない裏紙のリスクについて、一緒にチェックしていきましょう。

もったいない精神の落とし穴!裏紙は故障の原因に!!

 

裏

 

『裏紙』とは、ご想像の通り、片面だけ印刷されてある用紙のことを指します。基本的に、印刷されていない裏面は真っ白なので再びプリント用紙として利用できそうなものですが、実は幾つかのデメリットがあります。

紙詰まりの原因になる

裏紙を利用するとプリンターが紙詰まりを起こしやすくなります。これは業務用の大型コピー機でも同様です。

既にインクやトナーが付着している裏紙を使うと、未使用の紙より静電気が発生しやすくなり、2枚同時に引き込まれてしまい、紙詰まりを起こしてしまいます。また、オモテ面のインクが完全に乾いていない状態で印刷をしてしまうと、インクが本体に付着し、故障の原因にもなります。

さらに、裏紙を使用していてプリンターやコピー機本体が故障した際は、メーカーの保証対象外になる場合もあるので注意が必要です。ほとんどのケースでは問題なく保証が受けられますが、万が一、対象外と判断されると、印刷用紙を購入するよりも、はるかに高額な修理費用を支払わなければならず、節約をするつもりが、かえって手痛い出費になってしまいます。

インクの消費が早まる

裏紙を使うことで印刷用紙の消費は抑えられますが、その裏紙を使って印刷するのであれば、印刷量=インクの消費量は変わりません。

新しい用紙を使うよりも、裏紙を使った方が紙詰まりが発生しやすい状況になるため、印刷ミスが増えてしまい、インクの無駄が増えてしまいます。紙よりインク(もしくはトナー)の方が高いので、裏紙を使うことにより逆に印刷コストが高くなってしまうことが懸念されます。

時間の「もったいない」が生まれる

ホチキスが付いていたら外し、修正テープなどが使われている用紙は除き、さらにオモテ面に印字している文書内容もチェックしなければならない等、紙の「もったいない」を消化する代わりに、時間の「もったいない」が生まれます。

社内資料用に…と裏紙をセットして印刷を終えた後、そのままにしていると、お客さまに提出する書類や契約書などの重要文書まで裏紙で印刷してしまうなど、印刷し直さなければならないことになります。それを防ぐためには、セットされている印刷用紙を取り出す→裏紙をセット→印刷を終えてから→今度は裏紙を取り出す→最初にセットされていた印刷用紙を再びセットするなど、非常に手間が掛かります。

このように裏紙を使うことで、作業全体が非効率になり生産性も下がるうえ、スタッフのストレスも溜まってしまいます。

情報漏洩のリスク

裏紙のオモテ面に、顧客情報や社外秘の情報などが印字されていることもあります。このような用紙を使ってしまうと、情報漏洩を招く危険性が高まります。一度でも情報漏洩を起こしてしまうと、企業の信用はガタ落ちになり、業績にも深刻な影響を及ぼすなど、印刷用紙をケチったばかりに取り返しのつかないことになってしまいます。

また、裏紙の使用を社内に限定していても、従業員の給与やボーナス査定、病歴、住所などセンシティブな情報や個人情報などが記載されていることもあるので、注意が必要です。

情報漏洩は紙が大半

コストや環境面に配慮して「オフィスのペーパーレス化」を掲げている企業は多いですが、そうは言っても、なかなか実現できていません。→【関連記事】オフィスのペーパーレス化は無理!?

その証拠にネット全盛期の現在でさえ、情報漏洩の約半分は紙で起こっています。

 

情報漏えい

 出典:ボクシルマガジン

紙媒体による情報漏洩は全体の47%で、第2位のインターネット・23%の倍以上。2010年の69.4%、2012年の58.7%に比べて、紙が原因による情報漏洩の割合は減っていますが、それでも断トツ。本当に怖いのは、ネットやメールではありません。

裏紙を使う・使わないの前に、情報が印字された紙を取っておくことで、既に情報漏洩のリスクは高まっており、社外の人だけではなく社員も簡単に持ち出せない工夫が必要です。

そこまで神経をすり減らしてまで、裏紙を使うメリットはあるのでしょうか?

裏紙は節約になるのか?

 

節約

 

普通紙は2,500枚でも2,000円程度。

 

 

1ヵ月の印刷枚数にもよりますが、3,000枚以下のオフィスであれば1ヶ月の用紙代=2,000円程度で済むでしょう。そのうち何枚程度を裏紙として使うのか?にもよりますが、10分の1の250枚なら200円。目先の200円のためだけに、ホチキスの有無やオモテ面の内容をチェックして、プリンターが紙詰まりを起こしたら取り除き、さらに情報漏漏洩のリスクまで高め…。

個人的には労力に対して、その見返りが合っていないような気がします。

その一方で、250枚も裏紙が使える用紙が目の前に積んであって、そう簡単には捨てられない気持ちも分からなくはありません。上記のような労力が掛かりますが、それでも裏紙を使いたい場合は、手差しトレイを使いましょう。

裏紙を利用する時のポイント

裏紙を使う際は、給紙カセットではなく手差しトレイを使った方が紙詰まりは起きにくくなります。少し面倒かもしれませんが、事前に裏紙をさばいておくことも大切です。

紙をさばく?
既に印刷している用紙は、湿気や静電気を含んでいるため、紙詰まりが起きやすくなっています。紙の両端を持ちパラパラとめくり、紙と紙の隙間に空気を入れてあげることで、紙同士の付着を防いでくれます。こちらはプロの「紙をさばく」方法です。
 

 

さすがプロ!
素人だと、このようにスムーズな手つきは無理なので「紙のくっつきを防ぐためにさばいてるんだ!」とイメージしながらトライしてみましょう。

 
また、裏紙を使う時は、印刷速度の速いプリンターよりも、遅いプリンター(家庭用など)の方が詰まりにくいので、オフィスに複数のプリンターを導入している場合は、なるべく印刷速度の遅いプリンターで印刷を行いましょう。
 

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