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年賀状の正しい書き方と注意点
平安時代に貴族の間で新春の歌を詠んでやりとりしたことが始まりと言われている年賀状。江戸時代になると、諸大名だけではなく下級武士や商人などにも広がり、離れた場所に暮らす親戚や知人に年始の書簡を送る風習が定着しました。
明治時代に官製はがきの発売が始まり、昭和24年に「お年玉付き年賀はがき」が発売されると、一般の人も新年に挨拶状を送るようになり、現在に至ります。
年賀状の書き方は基本的に「謹賀新年」などの『賀詞』から始まり、『謝辞』『お願い』『お祈り』と続け、『日付』で締める場合もあれば、『日付』の後に一言添えて締める場合もあります。
そのなかで気を付けたい点が『賀詞』です。
「賀正」「迎春」などは、友人や親しい同僚には用いることができますが、目上の人もしくは取引先には用いません。
知っていそうで知らなかった年賀状の常識を整理してみましょう。
「賀正」はNG!?区別した方が良い取引先への賀詞
上司など目上の人や取引先など会社関係の人に年賀状を送る場合は、以下のような『賀詞』から書き始めます。
恭賀新年
謹んで年頭のご祝詞を申し上げます
謹んで年始のご挨拶を申し述べます
謹んで新春のご祝詞を申し上げます
新春のお喜びを申し上げます
上記は一例ですが、「賀春」「迎春」などは友人や知人など親しい間柄の方へ送る賀詞で、年賀状のデザインによく使われている「賀正」も本来は「正月を祝う」の意味を簡略した言葉なので、目上の人や取引先などに送る場合は、避けた方が無難です。
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謝辞は簡潔に!
『賀詞』の後、すぐに「今年もよろしくお願い致します」など、『お願い』を書いてしまいがちですが、謝辞を一言入れておくことが、目上の人や取引先へ年賀状を送る際に、忘れてはいけない大切なマナーです。
旧年中はいろいろとお世話になりました
など。相手に敬意を払う時には、句読点や「!」を入れません。
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また、一言添える場合は最後に記載するので、謝辞は簡潔に表現しましょう。
謝辞の後に続ける文言は?
『謝辞』の後には、『お願い』を続けます。
今後とも変わらぬご指導をよろしくお願い申し上げます
さらに『お祈り』も記載すると気の利いた文面になります。
貴社益々のご発展をお祈り致します
最後の日付は「平成31年 元旦」「2019年 元旦」など、「○○年 元旦」あるいは「○○年 元日」と記載します。元旦=新年最初の朝を意味する言葉なので、「一月一日元旦」と記載すると重複表現になってしまいます。
また、最後に一言添える場合は、「昨年は入退院を繰り返し…」「昨年は売上が半減し…」など、暗い話題は避けましょう。
年賀状のNG文言
年賀状は祝いの挨拶状なので、縁起が悪いとされる「忌み言葉」は使わないようにします。
「滅びる」「失う」「別れる」「破れる」「溺れる」「衰える」「倒れる」「枯れる」「去る」などが忌み言葉に該当するので、「昨年は大変お世話になりました」と書く場合も「去年」とは書かず「昨年」や「旧年」を用います。
また、誤用しやすい文言が「A Happy New Year」です。「A」が入ると「良いお年を」の意味になるので、クリスマスカードなどに用いるには構いませんが、年賀状で使うのは誤りです。「Happy New Year」が正しい文言になります。
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基本的に家族写真やお子さんの写真入り年賀状は、取引先や会社関係など、あらたまった相手には出さない方がベターです。ただし、家族ぐるみのお付き合いがある場合や出産祝い・進級祝いなどをもらった相手であれば喜ばれることがあります。
1種類だけ用意するのではなく、相手によって使い分けられるように2種類のパターンを用意しておくと良いでしょう。
宛名書きでの注意点
宛名を書く時にも注意点があります。年賀状に限ったことではないので、覚えておくと役立ちます!
番地・部屋番号などの数字
住所や宛名は、横書きでも構いませんが、縦書きの方がよりフォーマルに仕上がります。また、縦書きの場合、番地などは原則として「三丁目」「四番地」「五ー六」などのように漢数字を用いますが、ビルやマンションのフロア数、部屋番号は漢数字でなくてもOKです。
また、住所は長くても2行に収まるように書き、ビル名やマンション名は2行目に書きます。たとえ郵便番号を書いていても、住所は都道府県から略さず書くことがマナーです。
表面に差出人の住所と名前を記載する場合は、宛名の住所や名前より小さめに書きましょう。
敬称の書き方
個人宛ての場合は名前の後に「様」をつけます。年賀状では「殿」を使うことは一般的ではなく、連名の場合は『ベテランGメン様・新入りGメン及川様』のように、それぞれの名前の下に「様」を付けます。
ご家族宛てであれば、「ご家族様」「ご一同様」「△△家 ご一同様」などでも構いません。
会社などの団体は会社名・団体名の後に「御中」をつけます。会社・団体の個人に送る場合は、部署名を右肩に、役職名を名前の上に小さく書き、個人名の後に「様」をつけます。なお、役職名には敬称をつけません。
正しい表記
○○株式会社 ○○部 御中
○○株式会社 ○○部 部長 ○○様
誤った表記
○○株式会社御中 ○○部御中 ○○様
○○株式会社御中 ○○部御中
喪中ハガキが届いたら?
喪中ハガキは、身内に不幸があり、新年の挨拶である年賀状が出せないことを伝えるハガキです。
年賀欠礼状の意味合いもあるので、一般的には喪中ハガキ自体に返信を出しませんが、年賀ハガキの代わりとして、年が明けてから寒中見舞いを送ります。
寒中見舞いは、1月5日頃からの寒の入り~2月4日の立春の前の日までに送り、相手の近況を気遣うような文面が良いでしょう。この際、年賀はがきは使わないように気を付けましょう。
また、喪中の方にとって1枚も年賀状が届かないことは寂しいものですので、寒中見舞いではなく「年始状」を送ることも可能です。
年始状では「あけましておめでとうございます」や「謹賀新年」などの『賀詞』を書かずに、「年始のご挨拶を申し上げます」などと、簡潔な年始の挨拶を最初に記載し、あとは旧年中の御礼や相手の幸福を祈る言葉などを書きます。
気を付けたいポイントは「賀正」などの「賀」を使わないこと。この漢字は、喜び祝うことを意味する文字なので、使わないように注意を払いつつ文章を作成し、年賀ハガキ同様、お正月に届くように出します。
ただし、寒中見舞いも年始状も年賀ハガキは使わないため、出すタイミングを誤ってしまうと、年内に届いてしまいます。いつ頃に投函すればお正月に届くのか?を、事前に郵便局で確認しておくと安心です。
印刷ミスや書き損じのハガキは郵便局へ!
年賀状を作成している最中に、印刷ミスや書き損じが生じた場合は、郵便局へ持って行きましょう。
年賀はがきに限らず、官製はがきも1枚につき5円の手数料を払えば、切手・通常はがき・レターパックなどと交換してくれます。年賀はがきが余ってしまった場合も同様ですが、昨年の年賀はがきを今年の年賀はがきに交換することはできません。
また、年賀はがきは書店やコンビニでも販売していますが、書き損じや余剰分のハガキを交換できるのは郵便局の窓口だけです。なお、簡易郵便局では交換できないので、郵便局の営業時間内に行うようにしましょう。
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