業務用エアコンは家庭用エアコンよりも耐久性が高く、ハードな使用にも耐えてくれます。
しかし、長く使用していると水漏れが発生し、不具合となることがあります。
水漏れは放っておくと他の部位に悪影響を及ぼすため早めの対処が必要です。
今回は、業務用エアコンの水漏れが起こった時の原因の見つけ方、水漏れの具体的な対処法について解説していきます。
業務用エアコンから水漏れが起こる原因は?
水漏れのトラブルは料金がケースバイケースで変動しますが、業務用エアコンの場合、安くても7000円~15000円程度かかってしまいます。
原因は主に次の3点が考えられますので、早めに原因を特定し対処しましょう。
①ホコリや汚れによる詰まり
業務用エアコンの水漏れの一番多い原因は、ホコリや汚れによる詰まりによるものです。
エアコンは室内の空気や外気のを取り込み、温度調節して室内に冷たい空気などを放出します。
その際、空気中のほこりや油脂分、小さなゴミがエアコンの内部に付着して溜まってしまうのです。
ホコリや汚れの大きなものはフィルターにより防ぐことができますが、細かなものはどうしても内部に蓄積していきます。
このホコリや油脂分、ゴミは結露水により、ドレンパンという業務用エアコンの内部の受け皿に溜まっていきます。
そこに細菌が繁殖するなどし、汚れがどんどん蓄積していくのです。
ドレンパンに溜まった結露水は、ドレンポンプやドレンホースを通じて外部に排出されますが、内部で汚れで詰まることで結露水が排出できなくなります。
こうして排出されずに内部で溜まった水があふれ出すことで水漏れが発生します。
この溜まった水は手動で吐き出すことで、一時的に水漏れが解消することは可能ですが、あくまで対処療法的なものです。
②部品の不具合
業務用エアコンの水漏れで次に考えられるのは、エアコン内の部品の不具合です。
冷媒配管の結露はその代表的な例です。
冷房配管は普段は断熱と結露防止にカバーされていますが、外部からの衝撃などにより拍子でカバーが外れることがあります。
冷媒配管内は冷たいガスが通っているので、カバーされていないと結露してしまい配管を伝って室内機に流れ込んでしまう場合があります。
また、ドレンポンプ、ドレンアップメカの故障もよくある事例のひとつです。
ポンプはエアコン内部の液体を吸出し・吐き出しをする装置ですが、この部分が壊れてしまうと、水漏れが発生してしまいます。
経年劣化など故障の原因は様々に考えられますが、汚れが原因の場合もあるのでプロのクリーニングで直る可能性があります。
③ドレンホースの逆勾配かエアコンが傾いている
まれに、業務用エアコン設置直後に水漏れが発生する場合があります。
このような場合は、工事不良の可能性があります。
特に多いケースが、ドレンホースの逆勾配かエアコンが傾いているケースです。
水は高いところから低いところに流れていくため、排水を考慮してドレンホースと壁掛けタイプのエアコンは自然に水が流れる傾斜が付いています。
この部分が工事不良で本来と反対の傾斜が付いている場合は、水漏れが発生します。
初期段階での水漏れは工事不良の可能性がありますので、業者に早めに相談して見てもらいましょう。
業務用エアコンの水漏れ対処法
業務用エアコンの水漏れは放っておくとエアコンの内外に悪影響を与えるため、早めに対処することが求められます。
ドレンホースの詰まりを自分でクリーニングしたり、業者に内部を高圧洗浄機で洗浄してもらうことで水漏れの再発を防ぐことができます。
ドレンホースの詰まりをクリーニング
水漏れの対処法としては業者に頼んで修理をしてもらうのが一番確実ですが、業者が来るまでには期間がかかります。
しかし、早急に水漏れを直したいと思うのが現場の実情でしょう。
そこで、応急処置として、ドレンホースクリーナーを使用することをおすすめします。
ドレンホースクリーナーは、ドレン用サクションポンプとも呼ばれており、ホームセンターのエアコン用資材コーナーなどで取り扱っていることもあります。
また、最近ではネットでも販売されていますので、探してみると良いでしょう。
ドレンホースクリーナーは初心者でも使いやすいように設計されているため扱いが簡単です。
まず、ドレンホースの排出口に差込み、引き押しするだけで、水と汚れを吸い上げ、ヘドロ詰まりを解消することができます。
間隔としては、クリーナーのハンドルを引くときに、手に抵抗を感じれば成功です。
反対に、抵抗が感じられなければドレンホースの排出口とドレンホースクリーナーとがピッタリと合っていないのかドレンホースのどこかに破損があるのかもしれません。
ただし、ドレンホースクリーナーは水漏れを解消することができますが、エアコン内部の汚れは除去しているわけではありません。
そんとあめ、クリーナーだけでは水漏れが再発する可能性は十分ありますので、クリーナーによる対策はあくまでも応急処置として考えておきましょう。
エアコンクリーニングをする
上記のような対策はあくまで応急処置のため、本格的に対処を施すには業務用エアコンの専門業者に見てもらうことが一番です。
しっかりとした専門業者がエアコンクリーニングを行えば、エアコンのトラブルの解決への近道となり、トラブルの予防にもつながります。
①高圧洗浄でエアコンの汚れを徹底的に除去
エアコンの熱交換器は水を発生させる場所であり、非常に汚れが付きやすい場所でもあります。
そのため、熱交換器の汚れを除去することがトラブルの解決となり、水漏れ再発の予防となります。
高圧洗浄は表面の汚れを水圧で除去する一般的な方法で、業務用エアコンであればこの手法でクリーニングが行えます。
エアコンクリーニングに一番重要な部分である熱交換器を高圧洗浄し、徹底的に汚れを除去します。
②洗浄薬品による汚れの除去
専門業者に依頼すれば、エアコンクリーニングの際にエアコン内部の汚れを見極めて、エコ洗浄剤から強アルカリ性まで様々な洗浄薬品をチョイスし、洗浄してくれます。
また、大量の水で高圧洗浄をするため、頑固なエアコンの汚れといっしょに洗浄薬品も洗い流してくれます。
エアコンの中には汚れも洗浄薬品は残留させないため、工事後のトラブルの心配もなく安心です。
薬品の洗浄は周囲の影響を考えて、作業のスペースを確保する必要があります。
狭い事業所のオフィスなどでは、場合によっては仕事ができなくなってしまうこともあるため、別の作業スペースも考えておく必要があります。
壁掛形エアコンの背面側の熱交換器とドレンパンに汚れが集中している場合
専門業者に頼めばほとんどの水漏れトラブルは対処してもらうことが可能です。
しかし、一部の壁掛形エアコンの一定の場所に汚れがあると取り除けないことがあります。
壁掛形エアコンの中でも特に汚れが取りにくい部分は、背面側の熱交換器とドレンパン部分のことです。
このドレンバン部分は、エアコン上部と天井面の間に十分な作業スペースがあれば、背面側の熱交換器の汚れは除去できます。
しかし、上部にケーシング(カバー)がある業務用エアコンが結構な割合で存在しており、このような状況では作業スペースの問題もあり、まったく汚れを落とせないのです。
とは言え、素人にはクリーニングが可能かどうか判断することが難しいため、業者に判断してもらいましょう。
場合によっては部品の交換が必要な場合があります。
当然、その場合は部品の交換や補修の費用がかかります。
まとめ
- 業務用エアコンの水漏れは汚れやホコリの詰まりがが原因のことが多い
- 購入初期に水漏れが発生する場合は工事不良の可能性も
- ドレンホースのクリーニングは自分でできる対処法
- 業者に高圧洗浄で清掃してもらうことが根本的な解決方法