業務用エアコンは、購入するとそれなりにまとまった費用がかかるため、短期間に使用を想定している場合はリースやレンタルを考えたほうが合理的なことがあります。
購入であれば長期的には一番安く済み、レンタルであれば期間をある程度自由に選べるというメリットがありますが、ではリースにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、業務用エアコンをリースするメリットやレンタルとの違い、リース時の注意点、リース契約の流れについてそれぞれ詳しくご紹介します。業務用エアコンをこれから導入しようと考えている方は、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。
業務用エアコンのリースがお得な理由
業務用エアコンのリースがお得な理由としては、リース独自のメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
①初期費用がかからない
業務用エアコンの購入は長期的には一番お得ですが、導入時に大きな負担が生じてしまします。一方、リースは初期費用がかからないため、まとまった現金を用意する必要がないという点が大きなメリットです。
家庭用エアコンであれば安いものもありますが、業務用エアコンであれば初期費用だけで数十万という費用が発生してしまいます。特に小さな会社であればこの費用は大きな負担となるため、リースでこの費用をゼロにできることは有難いでしょう。
②経費での処理が可能
リースでかかる毎月の費用は、税法上「賃料」として経費処理することが可能となっています。リースでの支払い金額が一定となっているので、金額を正確に把握できるといったメリットがあります。
毎月の設備に対する収支が安定しない場合は、リースによって支出を安定させることが可能です。
③最新機種を導入できる
業務用エアコンのリースであれば、現在販売されているエアコンの最新機種をリースして使用することができます。最新の業務用エアコンであれば、冷房機能はもちろんのこと、冷房時の音が静かであったり、節電機能で電気代が安くなったりと、副次的な効果も期待できます。
中古のエアコンを購入するという方法もありますが、古い機種は安い反面冷房機能や冷房時の音に問題があったり、故障のリスクが伴う場合があります。また、余計に電気代がかかってしまう場合もあるので、リースで新機種を使用する方がお得な場合が多いです。
④動産保険で安心ができる
リース契約を結んでいる期間中に震災などに遭遇した場合、業者に対して保険料を支払っておくことで不動産保険での対応が可能となっています。
保険料自体は非常に安価であり、万一の際にも多額な損害にならないので、保険付きリース契約を結んでおくと安心です。
⑤一部契約でメンテナンスが無料
業務用エアコンは、リース専門業者との契約内容にもよりますが、メンテナンスを無料で行ってくれることがほとんどです。故障の際の修理費なども無料になるので、リース契約の際はメンテナンスが充実している業者と契約を結びましょう。
業務用エアコンのリースとレンタルの違い
業務用エアコンのリースとレンタルでは、契約した期間内に支払いを行うという点においてはどちらも同じになります。
しかし、リースの場合は「初期費用ゼロ」に対して、レンタルの場合は工事費や保証金といった各種費用が必要になってきます。また、この料金は月々の支払いとは別に初期費用として必要になってくるケースが多いため、リース契約よりも契約時にお金を用意しておく必要があります。
では、業務用エアコンのリースとレンタルはどのように使い分ければ良いのでしょうか。
①長期間使用するならリースの方がお得
リースの一般的な期間は4~7年契約であることが一般的であり、エアコンの購入よりは短くともレンタルよりは長い期間使用することが前提となっています。よって、仮の営業所や本社建て替えによる仮オフィスなどに業務用エアコンを導入する場合は、リース契約が最も向いていると言えます。中期的な使用と補償の内容もリース契約の方が充実しており、ハードな使用でも安心できます。
反対に、イベント会場の一室、工事の建設現場のプレハブ小屋などで、短い期間で使用する際にはレンタルが向いていると言えます。レンタルはあくまで数日から数カ月の短期的な使用を前提としていると覚えておきましょう。
②最新機種を使用したい場合はリースがお得
業務用エアコンのレンタルは、安価な料金ですぐにエアコンを使用できるため、手軽な入手方法です。しかし、肝心のエアコンは最新型、新品を使用することはほぼできないと考えておいて良いでしょう。旧型エアコンのため当然最新型のものに比べ冷房機能や耐久性などでは劣るため、場合によっては現場のニーズを満たしてくれない場合があります。
一方、業務用エアコンのリースの場合は、業者の品揃えも良く、最新型の業務用エアコンをこちら側が選ぶことが可能となっています。現行品では旧製品よりも省エネに特化しており効率性が良く、外気の入れ替わりなどにも素早く温度調節をしてくれます。
ある程度長く現場でエアコンを使用するのであれば、「安かろう悪かろう」ではなく、リース契約で最新型のエアコンを選んでおいた方が良いでしょう。
業務用エアコンをリースする際の注意点
業務用エアコンのリースは初期費用もかからず手軽ですが、契約上以下のような注意いするべきポイントがあります。契約の前にしっかり確認しておきましょう。
①購入するよりトータルの金額は高くなる
リース契約は中期的な使用に向いており、長期的な使用になるとトータルで掛かる費用は購入するよりも高くなってしまいます。
そもそも、業務用エアコンを購入する場合は、一括で購入すると月々の利子は発生しません。一方、リース契約は毎月一定額の料金を分割で支払うことになるので、全体額は購入よりリース契約の方が高くなってしまうのです。
②途中での解約ができない
リース契約の一般的な期間は4~7年という中期間の使用を前提としたものが多く、この場合契約期間中の中途解約をすることはできません。万が一、中途解約を余儀なくされた場合には、リース費用の全額を「損害金」としてリース会社に支払う必要があるため、注意が必要です。
このようなことから、リース契約は今後の使用の見通しが不透明な現場への導入には向いていません。今後移転が考えられる店舗や短期間の仮設現場などへのリースでの導入は慎重に考えたほうが良いでしょう。
③種類によってはリース対象外のものもある
業務用エアコンのリースはレンタルに比べて最新式のものを選べたり、多くの種類の機種から選ぶことができるメリットがありますが、それでも一部の特殊なエアコンはリース対象外になっていることもあります。
一例を言うと、天井に完全に埋まってしまい移設が困難になってしまう「ダクト形」などはリースでの使用はできません。リースで業務用エアコンを導入する場合は、現場の使用状況をあらかじめ想定し、リース契約が可能かどうか確認しておきましょう。
業務用エアコンのリース契約の基本的な流れ
業務用エアコンのリースは一般的に簡素な手続きで契約を結ぶことができます。契約から導入までの流れは主に以下の4つの工程が想定されます。
①見積もりを依頼する
まずは業務用エアコンを取り扱うリース会社に見積もりを依頼します。エアコンのリース料金は会社によって大きく異なるため、必ず複数の会社に見積もりを依頼しましょう。
見積もりは電話のほか、ネットの見積もりフォームに必要事項を明記し送信をすることでも可能です。その際、現場の状況や必要な機能などもあわせて業者に伝えておくようにしましょう。
②専門業者からの見積もりを受け取る
業者からの概算見積もりを受けます。見積もりを受ける際は、業務用エアコンの機種や機能などを詳しく見ておきましょう。また、補償面など万一の際のサービス内容も確認し、複数の会社で見比べておくと安心です。
見積もりに問題なければその旨を伝えリース会社へ審査申し込みをします。
③予審が通り次第現地調査、正式な見積もりを受け取る
概算見積もりの予審が通ると、現地にて業者に正確な見積もりをしてもらいます。現場での見積もりは口頭やネットのフォームでのやり取りではわからない周囲の環境などを判断材料として会社が最適な機種を見つけてくれることもあります。気になったこと、既存のエアコンを使用していた際の問題点なども細かく業者に伝えておくと良いでしょう。
現地視察の後、見積もりに問題なければ契約へ移行し、契約後に本審査となります。
④業務用エアコンの施行、導入完了
本審査が通ると、契約をし、工事業者が現場に来て業務用エアコンを現場に設置します。目視で設置を確認し、問題なければこれで最新型の業務用エアコンのリース導入が完了となります。
まとめ
- 業務用エアコンのリースは4~7年間の契約が多い
- 業務用エアコンのリースは初期費用が一切かからない
- 業務用エアコンは長く使うなら購入の方が安くなる
- リースは途中で解約できないデメリットもある
- リースの見積もりは複数の業者から貰ったほうが良い