減価償却とは?
建物や機具備品など、事業用資産は一般的には時の経過とともにその価値が減少していきます。このような資産のことを減価償却資産と呼び、減価償却資産の取得に要した金額は取得時に全額必要経費として認められるのではなく、その資産の「使用可能期間」にわたって分割して必要経費として計上しなければなりません。
この「使用可能期間」のことを法定耐用年数と言い、財務省例の別表で定められています。
つまり減価償却とは、事業者が減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年度の必要経費として計上していく手続きのことです。
ただし、取得価額が10万円未満のものは、その取得費用の全額をその資産を取得した年度の必要経費として計上します。
ベテランGメン園川
業務用エアコンの減価償却
それでは、業務用エアコンの減価償却額の計算に必要となる法定耐用年数は何年でしょうか?
・・・答えは、下記の表のとおり条件によって、「6年・13年または15年」となります。
条件 | 勘定科目 | 法定耐用年数 |
---|---|---|
① ダクト配管されたエアコン(出力22Kw超) | 建物附属設備 | 15年 |
② ①のうち出力が22Kw以下のエアコン | 建物附属設備 | 13年 |
③ ①②以外のエアコン | 器具・備品 | 6年 |
原則的には、家庭用エアコンや業務用のパッケージエアコンは「器具・備品」として6年で償却します。ただし、業務用のパッケージエアコンでもダクトを通じて広範囲にわたって冷房できるものは「建物附属設備」とされ、出力が22Kw以下であれば13年・22Kw超であれば15年での償却となります。
・ダクト配管されていないもの➡「機具備品」
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中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
中小企業などが、取得価額が30万円未満の減価償却資産(「少額減価償却資産」)を取得し、事業用として使用を開始した場合には、一定の要件のもとにその取得価額をその年度の必要経費として計上することができます。
※ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超える場合は300万円が限度となります。
この特例の対象となるのは青色申告法人である中小企業者または農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人とされています。
中小企業者に該当するものの要件としては、
「資本金または出資金の額が1億円以下」かつ、「発行済み株式または出資総額の2分の1以上を同一の大規模法人に所有されていないこと」などが挙げられます。
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一括償却資産の損金算入
購入した資産の取得価額が10万円以上20万円未満の場合には、各事業年度ごとにその全部または一部の合計額を一括し、これを3年間で償却する「一括償却資産の損金算入」の規定を選択することができます。
一括償却資産の損金算入の規定を選択すると、個々の資産ごとに減価償却費を計算する必要はなく、その年に取得した一括償却資産の合計額の3分の1を減価償却費として計上すればよいことになります。
まとめ
- 業務用エアコンの減価償却
➡ダクト配管されていなければ、6年間で減価償却。ダクト配管されている場合は、13年(出力22KW以下)または15年。 - 少額資産の中小企業等に対する特例
➡取得金額30万円未満の場合、一定の要件のもとにその取得金額の全額をその年度の必要経費として計上可能。 - 一括償却資産の損金算入
➡取得価額が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産としてその年に取得した他の一括償却資産との合計額の3分の1を減価償却費として計上可能。
新人Gメン及川
以上、業務用エアコンの減価償却についてまとめてみました!!