業務用エアコンは通常のエアコンの比べて強力な空調機能が備わっていて便利ですが、しばらく使っていないと久々に使ったときに嫌な臭いがすることがあります。
この臭いは、エアコン内のカビ・ホコリなどのほか、室外機が原因となっていることもあり、ケースによって様々な対処法が必要です。
そこで今回は、業務用エアコンの臭いのもとをつきとめ、解消する方法について詳しく解説していきます。
業務用エアコンの臭いはなぜ発生するのか
業務用エアコンの臭いの大半は、室内機にカビが発生していることから生じます。
エアコンの構造上ホコリやゴミを吸い込んでしまい、室内機には湿気が充満することでカビが繁殖し、それを吐き出す際に臭いが感じられるのです。
梅雨の時期などは特に湿気が多くなるため、エアコンにとっては非常に悪い環境と言えます。
後で解説するとおり、エアコン内のフィルタなどをこまめにメンテナンスしなければなりません。
業務用エアコンの臭いのもと
ここからは、業務用エアコンの臭いのもとを考えていきましょう。
多くは室内のカビや臭いを吸い込むことによるものですが、室外機の環境が原因の場合もあります。
①カビによる臭い
エアコンは設置場所にもよりますが、機能上様々な汚れを吸い込んでしまいます。
人やペットの毛、垢食べ物の塵やホコリなどが、使うごとにどうしてもエアコンの内部に汚れはたまります。
人から出る髪の毛などの老廃物やホコリなどの様々なゴミがカビに十分な栄養を与えてしまいまうため、カビが繁殖する原因となります。
また、エアコン内部の温度がカビの繁殖を進行させてしまいます。
20~30度前後の温度はカビの繁殖に最適だとされており、夏場冷房を使って運転していないエアコンはカビにとって適温になってしまいます。
また、エアコン内部は湿度が高いこともカビが繁殖する原因となります。
冷房・除湿運転時は湿度が高く90パーセント以上と言われているため、運転終了後にエアコン内部を乾燥させる内部クリーン運転機能もあります。
②タバコや室内の臭い
タバコの煙は臭いを含んでいるため、エアコンもタバコの煙を吸い込んでしまい、空気が出入りする際にその臭いを排出します。
特にオフィスの喫煙所の近くに業務用エアコンがある場合などは、たばこの臭いが部屋全体に排出されてしまい臭いと感じることがあります。
また、調理場や給湯室などでの食べ物やコーヒーの臭いを長時間吸ってしまうと、たばこ同様にエアコンから異臭が出ることもあります。
これらの場所からはできるだけエアコン本体を離し、エアコン内部に臭いが付着しないように工夫しましょう。
③室外の臭い
業務用エアコンの周囲に臭いの原因がない、心当たりがない場合は、室外の臭いが原因である可能性があります。
臭いの侵入元であるドレンホースやダクトを仮に塞いで臭いがなくなるか確認してみると良いでしょう。
ダクトなどに臭いの原因がある場合は、業者に依頼して根本的な解決をしてもらう必要があります。
④送風による臭い
冷房時は結露した水滴がカビの臭いを抑え、暖房時はカビが乾燥するのであまり臭いを感じません。
ただの送風状態は冷房時よりも格段に臭いを感じやすいくなります。
エアコンの冷房設定温度が高く、部屋の温度が高い場合冷房運転中に送風状態に切り替わります。
そうすると、エアコン運転途中にエアコンから異臭が発生してしまうのです。
業務用エアコンであれば通常は送風をそれほど使わないはずなので、送風設定に誤って設定されていないか確かめてみてください。
業務用エアコンの臭いの原因を確認する
業務用エアコンの臭いの原因は、以下に紹介するような方法で確認することができます。
少しでもエアコンの臭いを感じたら、まずはこれらの方法を試してみてください。
①湿気の多い時期かどうか
先ほどから説明しているとおり、湿気はカビを発生させるため、エアコンにとっての天敵です。
特に、梅雨明けに久しぶりに業務用エアコンを作動させた場合、エアコン内部に付着したカビが空気とともに排出され、深いな臭いを発することがあります。
カビの繁殖はある程度はフィルタやエアコン内部の掃除、メンテナンスで防ぐことができますが、あまりにもひどい場合は業者に頼まなければなりません。
②ダクトを塞いで確認する
カビとは異なる臭いであったり、臭いが日によって変わる場合は、屋外の臭いが原因である可能性があります。
まずはドレンホース、ダクトを仮に塞いで臭いがなくなるか確認しましょう。
臭いが解消された場合は、ドレンホース、ダクトが発生源と考えられます。
ドレンホース先、ダクト元に匂いの元がないか確認しましょう。
③部屋の臭いがもととなっていないか
もともとの部屋に臭いの発生源がある場合、それを取り除かなければエアコンの臭いは解決しません。
喫煙スペースの近くにエアコンを設置することは避けましょう。
また、飲食店などの場合、焼き魚などを焼くとその臭いをエアコンが吸い込み、生臭い臭いがしてしまいます。
料理中は常に換気扇を回す、窓を開けるなど換気を心がけ、エアコンに臭いが付着しないように対策をしましょう。
業務用エアコンの臭いを消す方法
エアコンは臭いの発生源を絶つのが一番ですが、一度エアコン自体に臭いが付着してしまった場合、対策をする必要があります。
ここでは、以下の3つの方法をご紹介します。
①エアコンのフィルタを掃除する
簡易的な掃除
エアコンのフィルタは定期的なメンテナンスのほか、臭いが気になる場合はその都度掃除をしましょう。
業務用エアコンのフィルタを掃除するには、まずパネルを取り外してフィルタを取り出します。
次に、掃除機かハンドクリーナーでフィルタ表面に付着した埃などを取りましょう。
仕上げに濡れ雑巾やタオルなどで表面を強めに拭き、カビなどをきれいに取り除けば掃除は終了です。
本格的な掃除
まずはエアコンからフィルターを取り外します。
外したフィルタを床に置き、掃除機で表面の埃を吸います。
表面の埃を取り除いたら、容器にぬるま湯と中性洗剤を入れ洗い、軽くブラシで汚れを取ります。
洗った後は水切りを行い、日陰でよく乾かします。
扇風機やドライアーで表面を乾かしても良いでしょう。
乾いた後はフィルターを元に戻したら掃除終了です。
②屋外の室外機などのメンテナンス
屋外の室外機などに臭いの原因がある場合は、そちらのメンテナンスも必要です。
エアコンは屋外の空気を取り込んで、室内の空気を循環させるため、空気を取り込むときにエアコンの室外機には臭いが付かないように触媒が内蔵されています。
この室外機の近くの環境が車の排気ガスやドブなどで臭気がきつくなると部屋が臭くなる場合があります。
メンテナンス方法としては、ドレンホースの中のゴミや汚れなどを水で洗い流して掃除します。
また、フィンと呼ばれる室外機の裏側や側面にある薄い金属板には、表面に油や雨水などの汚れが付着し、臭いの元になる可能性もあります。
フィンにゴミが溜まっている場合は、歯ブラシや掃除機などで丁寧に掃除をしてください。
室外機の中にも汚れが溜まっていることがありますが、内部を分解しなければならないため、プロの業者に依頼するようにしましょう。
③暖房運転をする
ドライ運転後に暖房運転を行うと、エアコンの臭い対策になります。
ドライ運転は業務用エアコン内を乾燥させ、カビの繁殖を抑制してくれるのです。
ドライ運転は3~4時間を目途に稼働させ、送風運転をして内部を乾燥させます。
冷房運転で設定温度を高めにすると送風運転になります。
まとめ
- 業務用エアコンの臭いはカビが原因であることが多い
- タバコなど室内の臭いが原因のこともある
- 梅雨など湿気が多い時期は注意
- 室内に原因がない場合室外をチェックする