冷蔵庫やエアコンなどの設備だけではなく、食材や調理器具、掃除用具にまで「業務用」と「家庭用」があるように、印刷機器にも「業務用」と「家庭用」があります。
一般的に仕事で利用するのであれば、どんなものでも「家庭用」より「業務用」の方が効率的で、利便性や生産性を高めることができます。しかし、印刷機器は技術の進化が著しく、大雑把に「家庭用」と「業務用」で括ることのできない「家庭用サイズでビジネス向け」の製品が増えており、選択肢が細分化されつつあります。
家庭用プリンターと業務用プリンターの違い
「家庭用」の印刷機器と言われて、多くの人が思い浮かべるのが、こんな感じのプリンターだと思います。
一方、「業務用」の印刷機器と言われて、多くの思い浮かべるのが、こんな感じの大型コピー機だと思います。
主な違いは以下の通りです。
項目 | 家庭用(プリンター) | 業務用(コピー機) |
基本機能 | プリント。コピー、スキャン、FAXは製品によって異なる。 | プリント、コピー、スキャン。FAXはオプションの場合もある |
最大用紙サイズ | A3の製品とA4の製品が半々くらい | ほぼ全てA3またはA3以上 |
印刷速度 | 1分間に20枚以下のものが多い | 1分間に25枚以上のものが多い |
給紙 | ほとんどの製品で1種類のみ | 複数種類の給紙が可能 |
耐久性 | 3年~5年:耐用枚数が少ない | 5年程度:耐用枚数が多い |
保守・メンテナンス | なし(保証期間あり) | あり(中古の買取除く) |
本体サイズと重量 | コンパクト&持ち運び可能 | 大きい&重い |
本体価格 | リーズナブル | 高い |
ランニングコスト | 純正インク代が高い | 印刷する度にカウンター料金が発生する |
基本性能の違い
家庭用のプリンターには、プリンター機能のみの「単機能プリンター」あるいはコピーやスキャンも可能な「プリンター複合機」があります。FAXに関してはオプションで付けられる機種もあれば、付けられない機種もあります。なお「単機能プリンター」「プリンター複合機」の呼び方は、「単機能モデル」「多機能プリンター」などメーカーによって多少異なります。
業務用のコピー機は、ほぼ全ての機種でプリント、コピー、スキャン機能が搭載されており、一台で複数の役割を果たすため、一般的には「業務用複合機」と呼ばれています。業務用複合機のFAX機能は標準搭載されている機種とオプションで付けられる機種があり、他にもステープル(ホチキス留め)や穴あけ(パンチ)機能をオプションで追加することが可能です。
なお、家庭用・業務用ともにカラー対応・モノクロ限定があります。
最大用紙サイズの違い
家庭用のプリンターは、A3サイズの用紙に対応している機種と対応していない機種が半々程度で、対応していない場合は最大用紙サイズがA4です。封筒などの特殊サイズに関しては、手差し機能があれば対応していますが、なければ不可です。
業務用のコピー機は、ほぼ全てがA3サイズ以上に対応しており、特殊サイズも様々なバリエーションに対応しています。
印刷速度の違い
近年は家庭用のプリンターでも、印刷スピードに優れた製品が発売されていますが、多くの機種は1分間に20枚以下しか印刷できない低速機。あくまで家庭用なので、日常的に大量印刷を行うことは想定されていません。
業務用のコピー機は、月の印刷枚数や用途によって最適な速度の機種が選べるように、1分間に20枚~75枚程度と、幅広いラインナップが揃っています。他の性能が全く同じでも、印刷スピードだけが異なる機器を3パターン程度発売していることも多く、月の印刷枚数と印刷速度のバランスは、コピー機選びの重要ポイントの一つと言えるでしょう。
給紙の違い
家庭用プリンターは、大半の機種が1種類の用紙しかセットできません。オプションでカセットを増やすことで、複数の種類の用紙をセットできますが、2段までしか増やせない機種も多く、様々な大きさの用紙で印刷を行いたい方は、その都度、サイズが異なる用紙をセットしなければなりません。
業務用コピー機は、ほとんどの場合、4段カセットなので、A3・A4・B4・B5を同時にセットすることができます。また、一度にセットできる用紙の枚数も、家庭用プリンターの100枚程度に比べて、業務用コピーは500枚~1000枚程度が主流なので、補給回数が少なく、手間が掛かりません。
耐久性の違い
メーカー側が想定しているプリンターの寿命は3年~5年程度と言われていますが、メーカーや機種によって異なり、使用年数あるいは印刷枚数によって、およその目安が記載されています。
出典:富士ゼロックス
業務用のコピー機も目安となる寿命は5年で、部品や材質の選定、さらに価格設定も5年をメドに設計・設定されています。しかし、家庭用プリンター&業務用コピー機のどちらも、5年以上使い続けても問題がないケースは多々あります。
保守・メンテナンスの違い
家庭用プリンターでは、メーカー保証と電器店の保証がありますが、両方合わせても3年~5年程度が一般的です。また、保証期間内でも、修理代や部品交換代が発生する場合もあり、アフターサポートが充実しているとは言い難い状況です。そのため、些細な不具合なら自力で修理を試みようとするケースが多く、それでも直らなければ、買い換えた方が安く済むこともあります。
一方、業務用のコピー機は保守契約があり、定期的にメンテナンスを行ってくれます。また、故障や不具合の際は、電話などで連絡するだけでプロのスタッフが迅速に対応してくれるため、安心して利用することができます。契約によっては、カウンター料金に修理費が含まれていることがあるので、些細なトラブルでも自力で修理を試みる必要がなく、気軽に呼べることも大きなメリットです。
本体サイズ・重量の違い
家庭用プリンターは、機種にもよりますが、ほとんどがデスクやラックの上に収まるサイズで、重さも10kg以下の機種が多いため、気軽に持ち運んで設置場所を変えることができます。
業務用コピー機も機種によって重さは異なりますが、50~150kgもあり、さらにトナーや用紙が入っている状態・オプションが装着されている状態では、もっと重くなるため、一人で気軽に持ち運ぶことは難しく、一度設置してしまうと気軽に場所を移せません。
サイズはスモールオフィスでも使えるコンパクトな省スペース型が増えていますが、設置できるスペースがギリギリ確保できればOKではなく、紙詰まりの際など横から開ける余裕も作っておきましょう。
本体価格の違い
1万円程度で購入できる機種も多い家庭用プリンター。手頃な価格でプリンターを購入してもらい、インク代で儲ける仕組みが完成されているので、場合によっては純正インクを2回買うだけで、本体価格を上回ってしまうことがあります。
それに対して、業務用コピー機の本体はオフィス機器の中でもトップクラスの価格で、100万円以上する機種もザラにあります。家庭用プリンターの100倍の価格を支払う価値があるか?は、使用頻度や用途によるところが大きいでしょう。
ランニングコストの違い
カラーインクの価格は、業務用だと1万円~3万円程度、家庭用は5,000円程度が相場で、これだけ見比べると家庭用の方が安そうですが容量は全く違います。家庭用プリンターでカラー印刷を行うと、文書なら200~500枚程度、写真なら200枚以下でインクが切れてしまい、頻繁に購入しなければなりません。
以下、ランニングコストの一例です。
brotherのプリンターの印刷コスト例
機種 | A4カラー:インクコスト | A4モノクロ:インクコスト | L判写真:インク+用紙 |
DCP-J983N | 約4.6円/1枚 | 約1.0円/1枚 | 約15.1円/1枚 |
DCP-J572N | 約8.4円/1枚 | 約2.7円/1枚 | 約18.6円/1枚 |
MFC-J997DN/DWN | 約8.5円/1枚 | 約2.7円/1枚 | 約18.6円/1枚 |
※DCP-J983Nは大容量インクモデル。
業務用コピー機のインク代ですが、トナーの代金はカウンター料金に含まれていることが多く(契約によって異なる)、インクのコストを気にしなくて良い場合がほとんどです。
なお、カウンター料金の相場は、メーカー(販売店)、地域、会社規模、導入台数、印刷枚数などによって異なるため、一概には言えませんが、白黒1円カラー10円が現在の相場です。もっと高いカウンター料金に設定されている会社が多いと思うので、あまり大きな声では言えませんが、たぶん、ほとんどの会社が相場を知らないので、ボラレテイマス。
家庭用サイズでビジネス向け!ビジネスプリンター
このように、今までは「家庭用の印刷機器」と言えば小型プリンター、「業務用の印刷機器」と言えば大型コピー機、と完全に棲み分けができていましたが、ここ数年で増えているのが、オフィスでも家庭でも使える手頃なサイズのビジネスプリンターです。
従来の家庭用プリンターと異なり、プリント・コピー・スキャン・FAXの基本機能に加え、クラウドとの連携や認証印刷オプションをはじめとするセキュリティ面など、ビジネス文書を取り扱うためには欠かせない機能が標準搭載されています。
高画質で品質面でも優れ、印刷速度も従来の低速機より速いため、SOHOや自営業の他に、家庭用としても人気が高く、オフィスでも部署ごとに導入されるなど、すさまじい勢いで普及しています。
レンタルプリンターなら保守サービス&ランニングコストが◎
設置スペースやカウンター料金、さらには本体価格がネックで業務用コピー機ではなく、家庭用あるいはビジネスプリンターの導入を考えている場合、ネックになるのがメンテナンスをしてくれないこと&高額のインク代でしょう。
この2つの課題を一気に解決してくれるのが、レンタルプリンターです。
契約期間のあるレンタルなので、自分の所有物にはなりませんが、2回インクを買うだけで本体よりインク代が高くなってしまう機器を、自分の所有物として使い続ける意味が本当にあるのでしょうか…。しかも無料の保守サービスもありません。
その点、レンタルプリンターは保守サービスがレンタル料金に含まれているので、原則としてメンテナンスの度にサービス料は発生しません(会社やサービスエリアによっては出張費などが掛かる場合もあります)。
さらに、プランによってはインクが使い放題!!純正インクではありませんが、レンタル中のプリンターに合うインクを提供しています。自分で購入したプリンターに、自分で購入した互換インクを使用して、もし故障してしまったら、メーカーの保証対象外になりますが、レンタルプリンターはレンタル会社が互換インクを提供しているため、インクが原因で不具合が生じたとしても、無料で修理や交換に応じてくれます。
ランニングコストは、レンタル料金と用紙代だけ!
カウンター料金も保守代もインク代も掛からない話題のサービスを、是非この機会にお試し下さい!