【互換インク裁判】純正×互換メーカーによる華麗なるいたちごっこ

By | 2017年7月26日

互換インク利用者に法的リスクなし

前提として、互換インクを消費者が利用することに違法性はありません。あくまでメーカー同士の闘いであり、互換インクの販売店や代理店などが法的なリスクを負うことも現段階では一切ありません。

 

なぜ純正×互換メーカーで訴訟が起きるのか

純正メーカーはプリンター本体を安く販売し、消耗品であるインクを市場を独占することで大きな利益を得ようと考えており、家庭用プリンターだけでなく業務用のコピー機や複合機でも構造は同様です。そのため、彼らは消耗品市場の独占を阻む可能性のある互換インクメーカーと世界中で法的に争う必要があったのです。

プリンターメーカーのインク商法

 

両社見事な闘いの結果、裁判は互角

裁判は総合的に見ると両者で一進一退の互角の結果と言えます。合法的な独占を目論む純正メーカーが自社の特許を主張し、一方で特許権をかいくぐったカートリッジを互換メーカーが見事に発明するという非常に高度で面白い争いを続けており、両社の「そのエネルギーに敬服する」と法学者の帖佐隆氏は研究資料で述べています。 しかし、特に近年は純正メーカー側が不利と見られる判決や和解が続いており、法的なリスクが小さいと見られる互換インク市場は持続的に成長していくのではと私は見ています。

 

代表的な2つの裁判の結果とおおまかな争点

【①キヤノン×リサイクルアシスト】 純正メーカーのキヤノン勝訴(2007年最高裁)

リサイクルアシストはキヤノンの空になったカートリッジを家電量販店で回収し、それに新しくインクを詰めて販売していました。東京地裁ではカートリッジをリサイクルしている時点で特許権は消尽して(無くなって)いるとしてリサイクルアシスト側を勝訴としました。しかし最高裁では、リサイクルの時点で特許が消尽するとする東京地裁の見方を覆し、カートリッジに穴を開けてインクを充填するリサイクルアシストの方法がキヤノンの特許を侵害しているとしてキヤノンの勝訴としました。

 

【②エプソン×エコリカ】 互換メーカーのエコリカ勝訴(2007年最高裁)

エプソンが主張する特許が新規性がなく無効との判断で東京地裁でエコリカ勝訴し、その後の最高裁でもエコリカが勝訴しました。この判決が出たのは上記①の判決が出た翌日であり、裁判所にとっても難しい判断であったことが予想できます。

 

訴訟のポイントは”特許と独占禁止法のバランス”

純正メーカーはカートリッジのインク残量を把握するためと称してICチップを付けたカートリッジを販売しています。当初はカートリッジの形状に関する特許への侵害を訴えていた純正メーカーですが、これを互換メーカーがかいくぐったためにICチップ関連の特許を主張せざるを得なくなったという背景が有ります。 しかしその戦略は外れ、ICチップ設置の主目的が「互換インクの排除」であり特許権として認められないとされました。

このように特許権それ自体に技術的価値がなく、競合排除のためであれば特許とはみなされず純正メーカーの特許自体が独占禁止法違反に当たる可能性があります。 これが争点になった別の裁判(大阪地裁2011年(ワ)第13665号)では和解で終了しており内容は公表されていないが、その後の両者対応を見る限り、互換メーカーの勝訴的な和解であったと見られています。つまりICチップは独占禁止法に違反する可能性が高いという見方が妥当と思われます。

 

今後の純正メーカーが取る戦略は

以上の通り裁判では一進一退を続けている両者ですが、純正メーカー側の言い分がやや苦しくなっており、純正メーカーがインク商法を合法的に継続することが困難な様子が見て取れます。この結果、エプソンやキヤノンなどの純正メーカーは消耗品で稼ぐこれまでのインク商法戦略を見直す可能性が高くなったと言えるでしょう。

消耗品で利益を出すために本体プリンターを安価に販売してきましたが、それが困難になってきたため本体価格を安くする理由がなくなって来ました。従って、今後はゆるやかに本体価格を上げることが考えられます。

 

エコタンクを”エプソンの白旗”と見ることも出来る

またそれを純正メーカー側も認めるように、エプソンは互換インクで自社のプリンターが使われることを前提にしたエコタンクを国内でもついに発売しました。現時点でも日本は海外と比較して純正インクの使用率が高いことが知られているため、私としては互換インクを利用しやすい大型タンクを装着したプリンターの国内投入が予想より早いことに大変驚きました。ただし現在は本体販売のみで収益を上げることが出来るのかどうかテスト的に販売している段階と言えるでしょう。

 

カートリッジを利用しない「エコタンク」付きプリンターエプソン機のCISS

ボトル入りのインクを購入してタンクに流し入れて利用CISSインク注入口

本体価格は上げざるを得ない、ではインク価格は下げるか?

今後純正インクをどの価格帯で販売するのかがポイントになりそうです。インク市場を独占することが難しくなり本体価格を低く維持するインセンティブが失われた今、本体価格とは反対にインク価格は下げて販売されるのでしょうか?その可能性も考えられますが、日本は今でも純正インクの使用率が非常に高いため、今の高価格帯を維持したまま純正インクにこだわるユーザのみをターゲットに販売するのではと私は考えています。

理由としては互換インクと価格勝負に持ち込んだとしても勝ち目は薄く、利益率が悪化する可能性のほうが高いと考えるからです。その証拠に海外でのインク販売価格を見てみても、互換インクが流通しているエリアでも純正インクは従来の高価格帯を維持しており、日本でも同様の戦略を取るのではと考えています。

もしくはインクの値段を極限まで下げて互換インクメーカーとの体力勝負に持ち込みそれらを排除するという方法も考えられますが、将来的な互換メーカーの排除まですることは出来ないのでこの方法は考えにくいでしょう。おそらく消耗品商法から本体とインクを切り離してそれぞれで利益を創出する通常の商売へとゆるやかに移行していくと私は見ています。 我々にとっては安価なインクをこれまで以上に入手しやすくなるということであり、望ましい市場環境が近づいてきたと言えるのでは無いでしょうか。

【参考資料】 消耗品ビジネスの攻防と特許権・ 独占禁止法 久留米大学教授 帖佐隆氏

 

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Category: 複合機・コピー機業界
コピー機Gメン1号

コピー機Gメン1号

「コピー機業界に革命を起こす」と意気込んで印刷代をケチるノウハウを集めた当サイトを開設し、その後4年で月商6,000円という驚異的な売上を達成。とりあえず業界に革命は起きていない。

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