新人Gメン及川
オペレーター 杏奈
ベテランGメン園川
結論|バッファローのVR-Uシリーズは「割り切って使う」UTM
ベテランGメン園川
バッファローのUTM「VR-Uシリーズ」は、UTM単体ですべてのセキュリティー対策を完結させたい企業には向きません。
一方で、端末側にアンチウイルスソフトを導入しており、ネットワークの入口対策を強化したい中小企業にとっては、コストと運用負荷のバランスが取れたUTMです。
VR-Uシリーズは、SSL通信の中身を解析する機能や、ファイル単位で検査する機能を搭載していません。その代わり、不正侵入の検知・遮断や、悪意ある通信先へのアクセス制御など、ネットワークの入口で必要とされる機能に役割を絞っています。この割り切りにより、UTMを有効にした状態でも通信速度が落ちにくく、日常業務に影響が出にくい設計が実現されています。
また、無料のリモート管理サービス「キキNavi」に対応しており、IT専任担当者がいない企業でも、インシデントの把握や初動対応が行ないやすい点も特徴です。
VR-Uシリーズは、UTM単体に多機能さを求める企業向けの製品ではありません。しかし、必要な機能をおさえつつ、価格と運用の現実を重視する企業にとっては、合理的な選択肢と言えます。
新人Gメン及川
オペレーター 杏奈
バッファローUTM「VR-U」シリーズは何を守り、何を守らないのか
バッファローのUTM「VR-U」シリーズは、すべての脅威をUTMで防ぐ設計ではありません。中小企業の現実的な運用を前提に、守る範囲と守らない範囲を明確に分けています。
VR-Uシリーズが守る領域
VR-Uシリーズが担うのは、ネットワークの入口におけるセキュリティー対策です。

具体的には、次のような脅威に対応します。
-
外部からの不正侵入を検知・遮断(IDS/IPS)
-
悪意あるWebサイトや通信先へのアクセス制御(Webレピュテーション)
-
業務に不要なWebアクセスやアプリケーションの制御
これらは、社内ネットワーク全体に影響を及ぼすリスクであり、UTMによる入口対策が有効な領域です。
ベテランGメン園川
VR-Uシリーズが守らない領域
一方で、VR-Uシリーズは、通信の中身まで詳しく調べる機能や、ファイルを細かく検査する機能は搭載されていません。

具体的には、次のような機能は搭載されていません。
-
SSL通信を復号して中身まで検査する機能
-
ファイルをサンドボックスで解析する機能
オペレーター 杏奈
SSL通信を復号して中身まで検査する機能とは
現在のインターネット通信の多くは、第三者に内容を見られないよう暗号化されています。たとえば、
- ホームページを見る
- メールを送受信する
- クラウドサービスを使う
といった通信は、中身が見えない状態でやり取りされています。
SSL通信を復号する機能とは、この見えない中身を一度開いて確認する仕組みです。不正な通信が混じっていないかを細かく確認できる一方で、設定や管理が複雑になりやすく、通信速度が低下する原因になることもあります。
ファイルをサンドボックスで解析する機能とは
サンドボックス解析とは、届いたファイルを安全な検査用の場所で一度動かしてみる仕組みです。
たとえば、メールに添付されたファイルをすぐに開かず、「これは危険な動きをしないか」を事前に確認します。不正な動作が見つかれば、ファイルを開く前に危険を防ぐことができます。
一方で、検査に時間がかかるため、ファイルをすぐに開けない場面が出てくることもあります。
オペレーター 杏奈
多くの企業では、業務用パソコンにアンチウイルスソフトを導入しています。ファイルの中身を確認する役割は、そのアンチウイルスソフトが担っています。
VR-Uシリーズは、ネットワークの入口で止めるべき脅威に役割を絞り、ファイルの検査は端末側に任せる設計です。
「すべてを守らない」からこそのメリット
守る範囲を限定することで、VR-Uシリーズには次のようなメリットがあります。
-
UTMを有効にしても通信速度が落ちにくい
-
設定や運用が複雑になりにくい
-
過剰な機能によるコスト増をおさえられる
UTMに多機能さを求めすぎると、導入後に使いこなせず、結果として形骸化するケースも少なくありません。
ベテランGメン園川
オペレーター 杏奈
ゼロトラスト時代におけるVR-Uシリーズの立ち位置
新人Gメン及川
オペレーター 杏奈
ベテランGメン園川
ゼロトラスト時代においては、UTMだけですべてのセキュリティー対策を完結させることは現実的ではありません。端末側の対策、クラウド側の対策と役割を分けて考える必要があります。
その中で、VR-Uシリーズが担うのは、ネットワークの入口における基本的な防御です。外部との通信を可視化し、不正な侵入や悪意ある通信先との接続を入口で遮断する。この役割は、ゼロトラスト時代になっても変わりません。
一方で、端末内部で起きる不審な挙動や、ファイル単位の詳細な検査までをUTMに求める設計ではありません。こうした領域は、端末側のセキュリティー対策に任せることで、全体として無理のないセキュリティー構成が成り立ちます。
ベテランGメン園川
アンチウイルスは、既に知られているウイルスを見つけて防ぐ対策です。しかし、近年はそれをすり抜ける攻撃も増えています。EDRは、「このパソコン、いつもと違う動きをしていないか」という視点で監視します。
たとえば、
-
突然、大量のデータを外部に送信し始めた
-
見覚えのないプログラムが勝手に動き出した
といった挙動を検知し、被害が広がる前に対処するための仕組みです。つまり、アンチウイルスで防ぎきれなかった場合の備えとして使われます。
オペレーター 杏奈
バッファローUTM「VR-U」シリーズの導入コストと価格感
BUFFALO(バッファロー)UTM「VR-Uシリーズ」の最安値は初年度6万円~です。
具体的な価格について見てみましょう。
なお、VR-Uシリーズには、規模に応じて2つのモデルが用意されています。VR-U300Wは、30名程度までの小規模オフィス向けモデルです。VR-U500Xは、50~100名規模までを想定した有線特化モデルとなっています。
| 料金 | VR-U300W | VR-U500X |
|---|---|---|
| 本体価格 | 41,800円 | 65,780円 |
| セキュリティライセンス1年 | 21,780円 | 21,780円 |
| セキュリティライセンス2年 | 43,560円 | 43,560円 |
| セキュリティライセンス3年 | 64,020円 | 64,020円 |
| セキュリティライセンス4年 | 85,360円 | 85,360円 |
| セキュリティライセンス5年 | 105,600円 | 105,600円 |
VR-Uシリーズは、UTM機能に対応したVPNルーター本体と、買い切り型のUTMライセンスを組み合わせて導入します。
例えば最小構成にすると、初年度約6万円台から導入可能です。
-
VR-U300W:41,800円
-
UTMライセンス1年:21,780円
合計:63,580円(税込)
ベテランGメン園川
VR-Uシリーズはリースできる?できない?
新人Gメン及川
ベテランGメン園川
新人Gメン及川
制度上はリース契約は可能ですが、実務上は金額や資産性の関係から、VR-Uシリーズ単体ではリース会社が積極的に扱わないケースが多いのが実情です。これは、商品が安すぎると、審査・契約・回収といった事務コストに対してリース会社の採算が合わなくなるためです。
バッファローUTM「VR-U」シリーズは、本体価格とUTMライセンスを合わせても、15万〜17万円前後に収まるケースがほとんどです。そのため、VR-Uシリーズ単体では、リース審査が通らない可能性が高いでしょう。
ただ、どうしてもリースがいい場合は「合算(まとめ)リース」を検討してください。
複数の機器や費用をまとめて、1つのリース契約にする方法のことです。「安い機器1台だけではリース条件を満たしにくい」場合でも、関連する費用や機器を合算することで、リース会社の契約基準を満たす金額に調整できるのが特徴です。
VR-Uシリーズは、本体と複数年ライセンスに加え、一般的な保守費用を含めても、合計金額が30万円に満たないケースがあります。そのため、UTM単体ではリース条件を満たしにくいことがあり、他のIT機器や導入費用とまとめて契約されることが一般的です。
バッファローUTM「VR-U」シリーズの性能
VR-Uシリーズを検討する際、必ず確認しておきたいのが「性能の中身」です。
スペック表を見ると、他社UTMとの違いが分かりにくいと感じる方もいるでしょう。ここでは、数値そのものではなく、VR-Uシリーズがどのような考え方で性能設計されているのかを整理します。
「VR-U」シリーズの基本性能
「VR-U」シリーズの基本性能は次の通りです。
| 性能 | VR-U300W | VR-U500X |
|---|---|---|
| 最大接続数 | 30台 | 100台 |
| ファイアウォールスループット | 944Mbps | 9.5Gbps |
| IPSスループット | 1800Mbps | 3.6Gbps |
| アンチウイルス | × | × |
| 不正侵入検知 | 〇 | 〇 |
| webフィルタリング | 〇 | 〇 |
| アンチスパム | 〇 | 〇 |
重要なのは「スループット」です。「スループット」とは、一定時間内にどれだけのデータを処理できるかを示す指標で、数値が低いほど通信の遅延が発生しやすくなります。
VR-Uシリーズは、アンチウイルス機能を搭載していません。これは性能不足ではなく、役割分担を前提とした設計によるものです。
ファイルの検査や駆除は端末側のアンチウイルスに任せ、UTMは通信の入口対策に集中しています。この割り切りにより、UTM機能を有効にした状態でも、通信速度が落ちにくい構成になっています。
「VR-U」シリーズを他社と比較
次に、VR-U300Wを他社UTMと比較します。
| 性能 | VR-U300W | UTM250std
(アレクソン) |
PA820
(パロアルトネットワークス) |
|---|---|---|---|
| 最大接続数 | 30台 | 25台 | 30台 |
| ファイアウォールスループット | 944Mbps | 1000Mbps | 840Mbps |
| IPSスループット | 1800Mbps | 600Mbps | 400Mbps |
| アンチウイルス | × | 〇 | 〇 |
| 不正侵入検知 | 〇 | 〇 | 〇 |
| webフィルタリング | 〇 | 〇 | 〇 |
| アンチスパム | 〇 | 〇 | 〇 |
ファイアウォールスループットを見ると、VR-Uシリーズは他社製品と同等水準です。
ファイアウォールは、社内ネットワークの出入口で通信をチェックし、通すか止めるかを判断する役割を持っています。ファイアウォールスループットとは、この出入口のチェックをどれだけ速く、どれだけ多く処理できるかを示す指標です。数値が低い場合、インターネットが遅く感じたり、社内システムの反応が悪くなったりする原因になります。
ベテランGメン園川
次に注目したいのが、IPSスループットです。VR-Uシリーズは、他社UTMより高い数値を示しています。
IPSスループットとは?
IPSは、通信の中に不正な侵入や攻撃の兆候がないかを検知し、遮断する仕組みです。ファイアウォールよりも一段踏み込んだチェックを行ないます。
IPSスループットとは、この不正侵入チェックをどれだけ速く処理できるかを示す指標です。数値が低い場合、UTMを有効にした途端に通信が遅くなるなど、業務に影響が出やすくなります。
オペレーター 杏奈
多機能なUTMでは、機能を有効にするほど通信速度が低下しやすくなります。一方、VR-Uシリーズは、必要な検査に処理を絞ることで、実用上の快適さを重視しています。
バッファローUTM「VR-U」シリーズが向いている企業
バッファローのUTM「VR-Uシリーズ」は、すべての企業におすすめできるUTMではありません。しかし、条件が合う企業にとっては、非常に合理的な選択肢です。
具体的には、次のような企業に向いています。
-
従業員数が30~100名程度
-
IT専任の担当者がいない、または少人数
-
端末にはアンチウイルスソフトを導入している
-
ネットワークの入口対策を強化したい
-
セキュリティーに過剰なコストや運用負荷をかけられない
VR-Uシリーズは、ネットワークの入口で止めるべき脅威に役割を絞ったUTMです。そのため、初めてUTMを導入する企業でも、運用が形骸化しにくい点が特徴です。
また、無料のリモート管理サービス「キキNavi」に対応しており、専門知識がなくても、インシデントの有無を把握しやすい設計になっています。
ベテランGメン園川
バッファローUTM「VR-U」シリーズが向いていない企業
一方で、次のような企業には、VR-Uシリーズは向いていません。
-
UTM単体で高度なセキュリティー対策を完結させたい
-
SSL通信の中身まで詳細に検査したい
-
ファイル単位の高度な解析をUTMに求めたい
-
大規模環境で詳細なログ分析や可視化が必要
-
情報システム部門が常時運用・監視を行なう体制がある
オペレーター 杏奈
UTMに全てのセキュリティ機能を任せたいなら、VR-Uシリーズのような入口対策に特化したUTMではなく、パロアルトネットワークスの「PAシリーズ」フォーティネットの「FortiGate」等、より高機能な製品がおすすめです。
バッファローUTM「VR-U」シリーズの評判・口コミ
VR-Uシリーズの口コミを総合すると、「高機能さ」を評価する声よりも、
「価格と安定性のバランス」に満足している声が多いのが特徴です。価格の安さから「本当に大丈夫なのか」と不安を持たれやすいUTMですが、実際の口コミを見ると、その不安とは異なる評価傾向が見えてきます。
価格と機能のバランスに関する口コミ
この値段でこの機能に満足しています
後継機が出たので購入しました。値段の割に機能も良く、安定してパソコンを使うことができています。この値段でこの機能なら、満足です。
通信の安定性に関する口コミ
安定してルーティングできます
事務所のルーターが家庭用だったので、ググって購入しました。不具合など特になく、設定もかなり簡単でした。接続後も安定してルーティングできています。
初めてのUTM導入に関する口コミ
導入してよかったです
問題なく運用できています。UTMを有効にしても通信が極端に遅くなることはなく、価格を考えると十分な内容だと感じています。
口コミから読み取れる前提条件
VR-Uシリーズの口コミを見ていくと、「多機能」「高度な解析」といった点に言及した声はほとんど見られません。
これは、VR-Uシリーズが高機能さを売りにしたUTMではなく、導入企業側も、その前提を理解したうえで選んでいることを示していると考えられます。
まとめ|「VR-U」シリーズは「評判通り、割り切って使えば満足度が高いUTM」
VR-Uシリーズは、高機能さを売りにしたUTMではない
SSL通信の中身解析やサンドボックスなどは非搭載
その分、入口対策に役割を絞った設計
口コミで多い評価は「価格と安定性のバランス」
「この値段で十分」「安定して使えている」といった声が中心
多機能さや高度な解析を期待する声はほとんど見られない
UTMを有効にしても通信が遅くなりにくい点が評価されている
アンチウイルス処理などの重い処理をUTM側で行なわない設計
日常業務への影響が出にくい
端末側にアンチウイルスを導入している企業との相性が良い
ネットワーク入口と端末で役割分担する前提
ゼロトラスト的な考え方にも合致
「UTMにすべて任せたい企業」には向かない
高度な可視化や詳細なログ分析を求める場合は他製品が適する
新人Gメン及川
オペレーター 杏奈
ベテランGメン園川
・最新UTMのおすすめランキング
・UTMリースの料金相場比較
・UTMのクラウド型とアプライアンス型の違いを比較
・UTMはもう古い?必要ない、不要と言われる理由
・UTM導入率、シェア
・WatchGuardの価格相場
・FortiGateの価格相場
・ソフォスUTM評判
・Sophos XG Firewall
・サクサUTM評判
・アレクソンUTM評判
・パロアルトネットワークスUTM