オフィス・事務所の内装工事費用の相場は?坪単価も知りたい!
オフィスや事務所の内装工事費用は、1坪あたり10万円から30万円が相場とされています。しかしこの金額は、以下の条件によって大きく変動します。あくまでも参考として考えるのが良いでしょう。
- オフィスの規模
- 内装工事の内容
- 工事以外の作業費
本記事では、オフィスや事務所の内装工事費用について詳しく解説します。
オフィス・事務所の規模で内装工事の坪単価は変わる
事務所やオフィスの内装工事費用は、「新装」か「改装」かで変わります。また、物件が大きい程、相場より安くなります。
1つの基準として「20坪=平均・相場と合致する」と認識しておくのが良いでしょう。
新装の場合
オフィス・事務所を新装する場合、坪単価は10万円~20万円が相場です。しかし、物件の大小によっても内装工事費は変動します。
例えば、同じ業態であっても10坪のオフィスと50坪のオフィスを比較した場合、50坪の方が安くなります。
広さが異なったとしても最低限必要な設備工事自体は変わらないためです。
- 10坪のオフィス=坪単価は相場より高くなる
- 20坪のオフィス=坪単価は相場と同程度
- 50坪のオフィス=坪単価は相場より安くなる
新人Gメン及川
改装の場合
オフィス・事務所を改装する場合は、坪単価は5万円から10万円程度です。新装に比べて割安なのは、物件に備え付けられている設備をそのまま利用するのが前提だからです。
配線や配管などのレイアウトをゼロから構築しなくて良いため、工事自体を簡素化できるのです。
新人Gメン及川
ベテランGメン園川
内装工事の内容によっても坪単価は変わる
「内装工事」と一口に言っても、工事内容は様々です。工事を依頼する業者によっても、対応してくれる工事内容・範囲は異なります。また、知らなかったが故に「不要な工事をされた」「高かった」とならないようにしましょう。
ここでは一般的に「内装工事」と呼ばれる工事内容を、細分化してお伝えします。どの作業が自社にとって必要か?の判断材料としてください。
仮設工事
仮設工事とは、簡単に解説すると「工事を行うための準備費用」のことです。足場の組み上げや工事機器を搬入する際に共用部に傷をつけないよう施す養生作業も、仮設工事に含まれます。
軽鉄工事(鋼製下地組立)
フロア内に仕切り壁を設けたり、配線設備などを収納できるよう二重天井にしたりする場合、軽量鉄骨を用いた下地工事を行います。一般的には軽鉄工事や鋼製下地組立などと呼ばれています。
ボード工事(ボード貼り)
天井やクロスの下地工事です。石こうボードを壁や天井に貼ることで、断熱・耐火・防音などの効果を期待できます。
クロス工事(壁紙工事)
コストを掛けずにオフィス・事務所内の雰囲気を変える際に有効なのがクロス工事です。一般家庭の壁紙工事と同じです。費用面では安いクロス工事ですが、耐久性は10年程度とされています。
塗装工事
壁面や天井などを塗装する工事です。内装工事の現場で行う場合や、事前に業者の工場内で行われる場合など様々です。
床工事(床仕上げ工事)
床面の高さを調整したり、空気の通り道を確保するだけでなく素材を選定しながら仕上げる工程です。
パーテーション工事
フロア内に間仕切りを設ける工事です。オフィス空間が広い場合は上手く利用することで簡易的な会議室や打ち合わせスペースを作ることが可能です。
建具工事
仕切りとして設けた壁やパーテーションに建具(ドアや窓)を取り付ける工事です。
電気設備工事
照明器具やコンセントの配置を行う工事です。軽鉄工事によって設けられたスペース内に配線を通す必要があるため、照明数やコンセントの数などは事前にしっかりと検討しておきましょう。
空調換気設備工事
オフィスビルなどの場合は気密性が高く設計されています。空気の流れが悪いため、下地工事の際に空気の通り道を確保するのが重要です。
また「ビル衛生管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)」では必要換気量が定められているため、以下の基準に合致する環境の構築が必要です。
一 浮遊粉じんの量 | 空気一立方メートルにつき〇・一五ミリグラム以下 |
二 一酸化炭素の含有率 | 百万分の六以下 |
三 二酸化炭素の含有率 | 百万分の千以下 |
四 温度 | 一 十八度以上二十八度以下 二 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと。 |
五 相対湿度 | 四十パーセント以上七十パーセント以下 |
六 気流 | 〇・五メートル毎秒以下 |
七 ホルムアルデヒドの量 | 空気一立方メートルにつき〇・一ミリグラム以下 |
引用:建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第二条一のイ
消防設備工事
消火設備や火災報知機の設置工事を指します。煙感知器やスプリンクラーなどの設置は法律などで義務付けられているため、必ずチェックしましょう。
消防法施行令
内閣は、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第八条第一項、第九条の二、第十七条第一項、第十七条の二、第十七条の三第二項及び第十九条第三項の規定に基づき、並びに同法を実施するため、この政令を制定する。
サイン工事
一般的にはオフィスや事務所の入り口に社名などを入れる作業をサイン工事または看板工事と呼びます。
複合ビルなどに入居する場合は1Fロビーなどのテナント表に名入れをする作業も、サイン工事に含まれています。(ビルの管理会社が個別に行う場合もあります)
内装工事以外にかかる費用は?見落としがちな工事
オフィスや事務所を構えた際に必ず必要となるPCやビジネスフォン、複合機。これらの機器はインターネット接続が必要です。
当然社内設備としてネットワークの構築やLAN配線が必要となりますが、これらは通常「内装工事」に含まれません。
企業として、どの回線事業者(またはプロバイダー)と契約するのか?
あるいはどこの事務機屋にネットワーク環境の構築を依頼するのか?で、ネットワーク構築やLANの配線工事費用は大きく異なります。
内装工事の一環として予算立てするのではなく、別途ネットワーク費用として予算立てするのが良いでしょう。
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まとめ
今回の記事では、オフィス・事務所の内装工事費用について相場感をお伝えしました。簡単に記事のポイントをまとめます。
- オフィスや事務所の内装工事費用は坪単価で10万円~30万円が相場とされている
- 上記坪単価は「20坪のオフィスを新装」する場合
- 10坪などの小規模オフィスでは坪単価の内装工事費用は高くなる
- 逆に20坪を超える中規模・大規模オフィスでは内装工事費用は安くなる
- オフィスを改装する場合の内装工事費用は、新装に比べて割安となる
- 内装工事費用は工事内容でも大きく変わるため自社にとって必要な工事を精査する必要がある
- ネットワーク構築費用・LANの配線費用は、通常「内装工事」には含まれない
ベテランGメン園川