【オフィス用インターネット回線】家庭用ネット回線との違いと失敗しない選び方

【オフィス用インターネット回線】家庭用ネット回線との違いと失敗しない選び方

オフィス用インターネット回線の基本知識と選び方

 

オフィス用ネット回線

 

オフィスに必要不可欠なインターネット回線は「オフィス用(法人用)のプランを選ぶ」ことが一般的で、本記事でもオフィスにネット回線を導入するのであれば「法人用プラン」を選ぶことを推奨します。

ただし、開業したばかり個人事業主の場合は、法人向けのインターネット回線を選ぶ(契約する)必要はありません(メリットがない、とも言えます)。

なぜなら「法人用」と「個人用」のどちらのプランであっても、インターネットに繋げられる点では同じで、基本的には通信速度にも違いがないからです。

それでは、なぜ「法人用」と「個人用」にプランが分かれているのでしょうか?どうしてオフィスでは「法人用プラン」を推奨されるのでしょうか?

双方のプランを比較すると、主に以下の【5つの違い】があり、企業にとってはこの5点が非常に重要となるからです。

 

法人用インターネット回線と個人用インターネット回線の5つの違い

オフィス・法人用 個人用
固定IPアドレスの付与数 複数 1個
セキュリティ性能 強固 普通
帯域保証・帯域優先 あり なし
サポートの優先度 高い 低い
領収書発行の有無 あり なし

 

今回の記事では「法人用(オフィス用)」と「個人用(家庭用)」のインターネットプランの違いについて、主に法人用(オフィス用)プランに焦点を当てながら、解説します。

なお、こちらの記事で説明するインターネット回線の「法人用(オフィス向け)」とは、各インターネットプロバイダー(ISP)の用意する「法人向け」などの記載に準拠したプランです。

一方の「個人向け(家庭用)」とは、テレビCMなどでも目にする機会が多いインターネット回線のことを指します。

 

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オフィス用は固定IPアドレスの付与数が多い

 

IPアドレス

 

法人用(オフィス向け)と個人用(家庭用)では、固定IPアドレスの取得可能数が異なります。

先に紹介した表のとおり、法人用では複数を取得することができる一方で、個人用では固定IPアドレスを1個しか持てません。

しかし、これだけを聞いても「どのような影響があるのか?」は分かりにくいでしょう。

そこで「そもそもIPアドレスとは?」「固定IPを複数持つメリット」を紹介しながら、もう少し深堀して解説していきます。

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IPアドレスとは?

IPアドレスとは「インターネットに接続する機器に割り当てられる住所」と言えば分かりやすいでしょうか。

日頃、私たちがパソコンやスマートフォンを使用しながら情報を閲覧している際も、インターネットの世界では「どこからインターネットに接続されて、どこに情報を送れば良いのか」といった判断がされています。

それらは、IPアドレスを用いて行われています。

インターネット上の誹謗中傷などで、容疑者を特定できるのも捜査機関がIPアドレスを確認しているケースが多く、基本的には「接続された機器(住所)を特定している」という理解で間違いありません。

なお、IPアドレスには現在「IPv4方式」と「IPv6方式」の2種類があり、近年は後者の「IPv6」への移行が推奨されています。これは「IPv4方式」におけるアドレスの枯渇が原因とされています。

もともと主流であった「IPv4」は「XXX.XXX.XXX.XXX」のように0〜255の「数字4組」で表記されており、数字の組み合わせは有限(約43億通り)です。そのため、世界的なインターネットの普及によって、数字が枯渇し始めてしまい、インターネットの速度低下の原因にもなっています。

そこで登場したのが「IPv6方式」です。

「IPv6」は4桁の「英数字8組」を組み合わせることで成立します。理論上は「43億✕43億✕43億✕43億」までIPアドレスを管理できるため、事実上、数字の組み合わせは無制限化したに等しい(=つまり枯渇しない)と言われています。

 

▼IPv4とIPv6の表記と理論上の組み合わせ数

  • 「IPv4」=「XXX.XXX.XXX.XXX」(約43億通り)
  • 「IPv6」=「0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000」(43億の4乗通り:事実上無制限)


なお「IPv6」ですが、このアドレスを利用するには、前提として以下の3点が必要で、普及にはもう少し時間が掛かりそうです。

しかし、これからインターネット環境を整える場合は、確実に押さえておきたいポイントです(大手プロバイダーなどは個人・法人向け問わず順次対応中です)。

 

▼IPv6を利用できる条件

  1. インターネット回線自体がIPv6に対応している
  2. インターネットプロバイダー(ISP)がIPv6接続を提供している
  3. オフィスや家庭内に設置するルーターもIPv6に対応している

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動的(可変)と固定(不変)IPアドレスの違い

本記事の冒頭で「固定IPアドレス」と記載しましたが、「固定(不変)」があれば、反対に「動的(可変)」もあります。以下、両者の違いを図示化したものをご覧下さい。

動的IPアドレスと固定IPアドレスの違い

出典:TIME & SPACE by KDDI

 

主に、家庭用Wi-Fiや公衆Wi-Fiなどのネット回線は「動的(可変)タイプ」が採用されています。この動的IPアドレスは、インターネットに接続する度に、プロバイダー(ISP)から新規のIPアドレスが自動的に割り振られます。

一般的には、普段スマホやPCなどを利用する時に割り当てられるタイプが、こちらの動的タイプとなっており、「一定時間が経過するか」または「インターネット接続を切断するたび」にアドレスが変更されています。

このように、動的タイプの場合は、プロバイダーからIPアドレスが自動的に割り振られているため、特別な接続設定などは不要です。また、接続するたびに番号が変動するため、ユーザーが特定されるリスクも低いと言われています(逆に言えば、特定が難しいタイプです)。

一方、法人用(企業向け)には、通常「固定(不変)のIPアドレス」が採用されており、常に同じIPアドレスで接続しなくてはならないケースに対応したものです。

通常、企業内のシステムには情報企画部門(情シス)などが許可した社員(もしくは機器)しかアクセスできないように制限を設けます。

しかし、先ほど紹介した「動的(可変)タイプ」のIPアドレスでは、社員(または機器)の特定が難しく「どこの誰からのアクセスなのか?」を企業側で管理できません。これでは、情報漏洩などの対策上でも問題があると言わざるを得ないでしょう。

そのような点を踏まえて、法人用には固定IPアドレスが必要とされています。

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固定IPアドレスを複数持てるメリットとは?

 

メリット

 

IPアドレスが「住所」であること、オフィス向けは「固定IPアドレスを複数持てる」ことを踏まえたうえで、次に固定IPアドレスを複数持つことによるメリットについて説明します。

大きなメリットは以下の2点です。

  1. 自社のサーバーで「イントラネット(組織内ネットワーク)」の管理を行え、自社の公式サイトの運用が可能
  2. セキュリティに強い


1つ目のメリットは「自社のサーバーを固定IPアドレスで運用することが可能」な点で、こちらはイントラネットなどのシステムや、外部向けの企業サイト(公式サイト)を運営するうえで重要なポイントです。

自社内のサーバーで企業サイトなどの運用が可能なため、外部のサーバーを使用した場合に比べて、外的要因(サーバーダウン)によるダウンタイム(不具合で使えない時間)を小さくすることができます。

大企業などは企業サイトが常に表示されている必要があるため、固定IPによる自社サーバーでの運用は必須と言えるでしょう。

続いて、2つ目のセキュリティについて詳しく説明します。

 

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オフィス内の情報セキュリティを強化可能

 

セキュリティ

 

先ほど解説した通り、IPアドレスを固定化することで、自社サーバーでシステムの運用が可能となります。

これにより、自社のインターネット環境(イントラネット)を外部に晒すことなく運用できるようになるため、外部サーバー利用時よりもセキュリティを確保することができます。

例えば、企業の公式サイトを一般のブログなどと同様に「レンタルサーバー(外部サーバー)」で運用した場合、費用(コスト)を抑えられる一方で、社内情報を外部に送信しているという意味では、相応のリスクを含みます。

ましてや、イントラネットなど顧客情報や社員の個人情報、自社の機密情報を含む重要データを、外部のサーバーに送信することは、いくら信用のできる「レンタルサーバー」でも不安があります。

以上の点から、近年はオフィス向けインターネットを契約し、自前のサーバーで全てを運用する企業が増えています。

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ネット回線の帯域保証・帯域優先とは

 

 

オフィス向けのインターネット回線は、「帯域保証」「帯域優先」が設けられています。

「帯域保証」とは、契約ユーザーに対して「一定の通信速度を確実に保証します」と約束するサービスです。そして「帯域優先」とは、契約ユーザーに「優先的に通信速度を確保していますよ」というサービスです。どちらも似た意味合いですが、通信速度の安定性が求められるオフィス環境では重要な項目です。

オフィス向けインターネット回線のプランによっては、約10~30Mbpsの帯域保証や帯域優先が設けられており、時間帯や回線の混雑状況に関わらず、安定したデーター通信を可能としています。

オフィス向けインターネット契約において法人プランを推奨するのは、この「帯域保証」「帯域優先」が、企業の公式サイトやイントラネットの通信速度を安定させ、時間帯による労働効率の低下や、顧客からのアクセスを安定的に収取できる点にあります。

※個人向けのインターネットプランは「最大限努力して速度通信を提供・保証します」というベストエフォート型です。家庭向けインターネットが、時間帯や回線状況によっては、10Mbps以下の低速になってしまうのも、プロバイダーの「最大限の努力」を超えてしまっているからです。

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サポートの優先度が高い

 

サポート

 

企業向けのプランは、インターネット回線に限らず、多くの場合は「法人部門」が対応しています。

契約者である企業のダウンタイムを減らし、顧客満足度を高めるために、一般ユーザーとは異なる優先的な対応(サポート力)が求められるためです。

例えば、携帯電話の契約でも、一般の契約とは別に「法人契約」が存在します。企業内の携帯電話をすべて法人契約として受注しているため、サポート窓口は契約企業個別のものであるなど、優先したサポートを受けられることが特長で、大きなメリットでもあります。

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領収書が発行される

 

 

オフィス向けのプランの場合は、インターネット料金を「経費計上」するために企業向けの領収書の発行が可能です。対する個人向けのプランでは、経費計上するための領収書が発行されることはありません。

※個人事業主も確定申告で経費の計上は必要ですが、ほとんどのプロバイダーでは請求書や料金明細が発行されます。それらを領収書として代替可能な場合も多く、個人事業主があえて法人プランに拘らなくても良い点とも言えるでしょう。

 

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オフィス用インターネット回線のデメリットは?

 

 

インターネットの速度が速く、サポートも充実しているオフィス用のインターネット回線プランですが、最大のデメリットとしてコストが高いことが挙げられます。

法人向けのプランはインターネット回線に限らず、ある程度の企業規模を想定して作成しているため「料金が高い」「個人向けの割引特典が受けられない」など、家庭用と比べてるとコスト面でのメリットはありません。

しかし、先ほどの5つのポイントでも解説したように、家庭用(個人向け)のインターネット回線に比べて、通信速度の優先や個別対応(サポート)を強化しているなど、コストに見合うだけの付加価値があります。また、自前でシステムを組む場合などはオフィス(法人向け)のプランを選択するしかありません。業務の効率化、セキュリティ性などは、企業の運営上、欠かせない要素と言えるでしょう。

なお、開業したばかりの小規模オフィスや個人事業主の場合、冒頭でもお伝えした通り、過度なセキュリティを自前で構築する必要はなく、複数の固定IPアドレスも不要です。そのため、設立直後のオフィスや個人事業主は、オフィス向けのプランにこだわる必要はなく、主に家庭向けのプランからコストを基準とした選び方などで契約する方法で充分と言えます。

 

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まとめ

今回の記事では、「【オフィス用インターネット回線】家庭用ネット回線との違いと失敗しない選び方」と題し、「法人用(オフィス向け)」と「個人用(家庭用)」のインターネット回線のプランの違いについて紹介しました。

基本的には、大きな違いはありませんが、オフィス用インターネット回線には、オフィスに必要な要素が5つ含まれています。その点からも、ある程度の事業規模である場合、インターネット回線は「オフィス用プラン」を推奨します。

一方で、開業したばかりの個人事業主などにとっては、5つの要素が基本的に不要で、法人用のインターネット回線を選ぶ必要がないと結論付けています。

最後に、本記事の内容を簡単にまとめます。

  • オフィス向けプラン(法人用プラン)・家庭向けプラン(個人用プラン)とも、通信速度は基本的に同程度であるが、オフィス向けプランの方が高額である
  • ただし、次の5つの点からもある程度の事業規模を持つ企業では「オフィス向けプラン」を推奨する
  • 1点目は、固定IPアドレスを複数持てる点。これにより、自前でのサーバー管理が可能となり、使用者の管理などが容易となる
  • 2点目は、1点目にも関連して「セキュリティ性の高いシステム運用」などが可能となる
  • 3点目は、オフィス用プランは「帯域保証」「帯域優先」であるため、時間帯などによる通信速度の低下を防げる
  • 4点目は、オフィス用プランでは「法人専用窓口」を設けている場合が多く、手厚いサポートを受けられる
  • 5点目は、経費処理が可能なように「領収書」が発行される
  • 法人向けプランのデメリットは、料金が割高であること。ある程度の事業規模を持った法人を対象としたプランであるため、個人事業主には不要である
  • 一部補足的に、IPv4およびIPv6の方式差異について説明。主流であるIPv4はアドレス自体が論理的に有限で、すでに枯渇気味
  • 一方、IPv6は理論上アドレスは無限数。アドレス自体の枯渇は起きないと想定され、近年はIPv6への移行が推奨されている
  • なお、IPv6を使用可能な条件として、回線事業者が当該規格に対応していることや、プロバイダー(ISP)がIPv6を提供していること、さらに自社の保有する機器設備が規格に対応していることなどが挙げられる

 

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