オフィス用インターネット回線を比較!おすすめ3選
今やオフィスでは欠かすことのできないオフィス向けのインターネット回線は、選び方を失敗すると「通信が遅い」「コストが高い」などのデメリットが生じ、企業の生産性低下や働き方改革にも影響を及ぼします。
今回の記事では、大企業から中小規模の事業者でも使用できるオフィス向けインターネット回線について「おすすめTOP3」を紹介します。
また、オフィス向けインターネット回線を選ぶ際の「基本知識」や各社の基本スペックと金額、メリットやデメリットまでを「比較」して解説します。自社のインターネット回線選びにご利用ください。
【比較】オフィス用インターネット回線のおすすめ3選
大企業から中小企業でも使用可能な「おすすめインターネット回線3社」のスペック、メリット・デメリットを紹介します。
フレッツ光ネクストビジネスタイプ
出典:NTT東日本
『フレッツ光ネクストビジネスタイプ』は、NTTが回線事業者となっているオフィス向けインターネット回線です。
日本国内の通信網において、NTT以上の信頼性の高い企業・ブランドはなく、信頼と実績という点からのおすすめです。もちろん、その他にも注目すべき点として、全国的に使用可能な点や月額料金の安さなどもあり、事業規模の小さな法人から大規模事業者まで導入することが可能です。
特徴:
- 国内のエリアカバー率は90%
- 「専有型」の配線。安定した通信速度が出やすい
- SLA(サービス品質保証制度)付き
- 回線・プロバイダそれぞれの手配が必要
メリット:
- 全国対応であるため、どこの企業でも申し込みが可能
- 信頼と実績のNTTでスペック的にも必要十分である
- 月額料金が標準的
デメリット:
- エリアによりNTT東日本/西日本と、回線提供事業者が変わる(移転時など注意が必要)
- プロバイダー契約が別途必要である
NUROアクセス スタンダード
出典:NURO
日本の総合電機メーカ「SONY(ソニービズネットワークス)」が独自展開する『NUROアクセススタンダード』です。
通信スペックなどはレベルが高く、月額費用も安い点などが高い評価を得ている一方で、対応地域が限定的になっています。
特徴:
- 一部帯域確保で最低帯域を保証している
- 伝送効率の良い『G-PON(ジーポン)』を採用している
- 「共有型」のため他ユーザーの影響を受けやすい点は懸念される
- SLA付き&回線・プロバイダーの一括契約となっている
メリット:
- 月額料金が非常に安価
- 最大速度2Gbps(通信規格『G-pon(ジーポン)』による理論値)
- 従来型の通信規格である『GE-PON(ジーイーポン)』に比べて速度品質が良い『G-PON』を採用
- プロバイダー一体型の契約である
- 2年継続で契約する場合は、初期費用が無料
デメリット:
- 回線は「共有型」であるため、「G-PON」採用とはいえ、通信速度の不安定化は懸念あり
- 地域が限定的である(関東、関西、東海、九州、北海道の一部)
光ビジネスアクセス NEXT
出典:USEN ICT Solutions
U-SENグループは、通信事業『U-NEXT(ユーネクスト)』なども展開しており、インターネット回線関連も非常に強い特徴を持ちます。価格帯はNTTと比較して安価であり、対応地域が少ない点を除けば大きなデメリットはありません。
特徴:
- 「専有型」の構成で安定して速度が出やすい
- SLA(サービス品質保証制度)付き
- 回線・プロバイダを一括管理し、安定運用
メリット:
- プロバーダー一体型である
- NTTと比較しても月額料金は安価
- 帯域保証なしだが「専有型」である
デメリット:
- 対応エリアが狭い(東京、札幌、仙台、さいたま、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡などの主要都市のみ)
【基本知識】オフィス用インターネット回線とは
法人用と個人用のインターネット回線の違いは、主に以下の表の「固定IPの有無」から「領収書の発行」の5項目で、回線の速度自体は法人・個人の両者に大きな差異はありません。
▼法人用インターネット回線と個人用インターネット回線のプランの違い
オフィス・法人用 | 個人用 | |
---|---|---|
1、固定IPアドレスの付与数 | 複数 | 1個 |
2、セキュリティ性能 | 強固 | 普通 |
3、帯域保証・帯域優先 | あり | なし |
4、サポートの優先度 | 高い | 低い |
5、領収書発行の有無 | あり | なし |
上記の中で最も重要なポイントは、法人用インターネット回線では固定IPを複数取得できる点にあります。「固定IP」については以下の関連記事内で詳細を記載していますので、ご参照ください。
▼関連記事:【オフィス用インターネット回線】家庭用ネット回線との違いと失敗しない選び方
オフィス用インターネット回線の【予備知識とサービス比較】
オフィス向けのインターネット回線を選ぶ際、各社のサービスページでは、様々な単語が羅列されています。読むだけでも大変で、肝心のサービス内容や意味まで把握するとなると、かなりの労力を伴います。
こちらでは、各社インターネット回線事業者が好んで使用する「単語」や「意味」について、なるべく簡単にお伝えできるよう【予備知識】編を設け、さらに有名なサービスを【比較表】としてまとめています。
【予備知識】オフィス用インターネット回線を導入する前に
法人用インターネット回線を知るうえで、必要な予備知識を「単語」や「意味」などをベースにポイントをまとめています。こちらを把握しておくことで、回線を導入・検討する際に「何に注目したら良いのか?」といった判断材料になるでしょう。
▼法人用インターネットを選ぶ際に知っておきたい「単語(の意味)」と「ポイント」
主な違いや特徴 | |
---|---|
(1)回線の形式 :共有型 or 専有型 |
(1)共有型:近隣の通信状況に左右される (2)専有型:自社専用の回線のため周囲の影響を受けない |
(2)回線事業者とプロバイダー: 一体型 or 別途契約 |
(1)一体型:支払い先が分散しないので管理が容易。 ※『ソフトバンク光』『NUROひかり』『So-Netひかり』 (2)別途契約:『フレッツ光with●●』はプロバイダが別契約。特典は多いが不要なものも多い。また支払い先が回線とプロバイダーで別々となるのが経費処理の際に面倒 ※『auひかり』 |
(3)NTTが回線事業者 | (1)回線事業者としてNTTの国内シェアは9割以上。多くのプロバイダーがNTTに依存しNTT規格に対応 (2)様々なサービスがある一方で、NTT回線に依存しない独立系の回線事業者も複数社存在 |
(1)「回線の形式」とは
オフィス用インターネット回線を選ぶ際に度々出てくる単語であり、重要なポイントの一つが「回線の形式」です。
一般的には「共有型」と「専有型」の2種類が存在しており、これは回線事業者と契約者間をどのようにインターネット回線で接続しているか?の違いを表しています。
「共有型」は、回線事業者から複数の契約先へと回線が枝分かれしているため、周辺の通信使用状況により通信の速度が左右されます。ただし、配線の構築にはコストが掛からないため、契約料金は安くなる傾向にあります。
一方の「専有型」は、1契約者に対して1本の回線を用意しているため、周辺の使用状況などに関係なく安定した通信速度を保てます。しかし、配線コストが高く、契約料金も高くなる傾向にあります。
(2)「回線事業者」と「プロバイダー」の違いとは
回線事業者とプロバイダーは、同じような意味合いで使われることの多い単語ですが、厳密には全くの別物です。
インターネットに繋げられるように「道を作った」のが回線事業者とした場合、その道を通れるように人々に「通行許可を与える」のがプロバイダーです。
法人用インターネット回線を契約するうえで重要なのは、この「回線事業者」と「プロバイダー」の契約形態です。
一体型の契約であれば、インターネット料金の支払先も「1社のみ」となるため、経費処理も簡単ですが、回線事業者とプロバイダを別々に契約した場合、双方から請求書が届きます。支払い先や領収書も別々となってしまうため、経費処理などの工数を考慮すると、少し面倒に感じるかもしれません。
(3)NTTが「回線事業者」とは
先ほど解説した「回線事業者」は、日本においてはNTTが9割以上のシェアを持っています。
つまり、ほとんどのプロバイダーはNTT回線を利用していながら、商品名として「●●回線」と謳っているのが実情です。回線事業者自体はほぼNTTであるため、地域的な品質差異も起きにくく、特段の心配は無用でしょう。
一方、プロバイダー選びは慎重に行いましょう。
プロバイダーは、回線速度での差別化を図ることが難しく、自社独自のサービス(付加価値)を付けることによって「他社との差別化」を行っています。しかし、各社がサービスを付与し過ぎたため、結果として「結局、どのインターネットサービスがお得なのか?」という肝心な点が分かりにくくなっています。
また、現状は1割以下のシェア率ながらも、NTTのインターネット網を使用しない「独立系の回線事業者」も存在します。
代表的なものとしては、SONYの『NURO光(ニューロひかり)』や、関西電力系の『eo光(イオひかり)』が挙げられます。
独立系のインターネット回線事業者は、回線品質の維持やサービス、顧客管理など全てを独自で運用しているため、対応地域が限定される点や料金が割高になる傾向が見られます。
しかし、技術的な面で、NTT関連回線とは別の強みを持っていることも多く、地理的な問題点や月額料金面などをクリアできる場合は検討の価値があるでしょう。
【比較】オフィス用インターネット回線の金額・速度・適合事業規模
オフィス用インターネット回線として人気の高いサービスを一覧としました。
回線形式やプロバイダーとの契約形態(一体型なのか?)などを、簡単に比較できるようにしています。
サービス名 | 回線 事業者 |
対応 エリア |
プロバイダー | 月額料金 | 最大 速度 |
形式 | 同時接続 台数 |
最適な 事業規模 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フレッツ光ネクストビジネスタイプ | NTT東・西 | 全国 | 別途 | 45,210円(税込) +プロバイダ料金 ※プロバイダにより料金やサービス内容に変化 |
1Gbps | 専有型 | 制限なし | 小規模~大規模 |
NUROアクセス スタンダード | SONY | 一部 | 一体型 | 20,735円(税込) | 2Gbps | 共有型 | 制限なし | 小規模~大規模 |
光ビジネスアクセスNEXT | USEN | 一部 | 一体型 | ・500Mbpsコース:28,600円(税込) ・1Gbpsコース:46,200円(税込) |
1Gbps | 専有型 | 制限なし | 小規模~大規模 |
イーサシェア | KDDI | 一部 | 一体型 | ・1Gbps:330,000円(税込) ・100Mbps:193,600円(税込)※関東エリアの場合 |
1Gbps | 専有型 | 制限なし | 大規模 |
イーサネットアクセス(S) | ソフトバンク | 一部 | 一体型 | ・1Gbps:8,580,000円(税込) ・100Mbpsプラチナ:1,078,000円(税込) |
1Gbps | 専有型 | 制限なし | 大規模 |
※各社のサイト情報などを元にスペックをまとめています。
まとめ
今回の記事では「【オフィス用インターネット回線を比較】おすすめ3社を比較!」と題して、オフィスに最適な法人用インターネット回線について解説しました。
また【基本知識】と【比較】も解説しており、用語などは覚えてしまえば、それほど難しくありません。
最後に、今回の記事の内容を簡単にまとめます。
- オフィス用インターネット回線は、個人用インターネット回線とは異なり複数の「固定IPアドレス」を取得できる
- オフィス用インターネット回線を選ぶ際は、以下の3点に着目すると選びやすい
- 一つ目は、回線の形式が「専有型であるか?」
- 二つ目は、契約形態が「回線事業者とプロバイダーが一体型か別契約か?」
- 三つめは、回線事業者が「NTT回線なのか?独立系か?」など
- 回線事業者としてシェア率No.1の「NTT回線」であれば全国対応で品質も安定している
- NTT回線を使用した「フレッツ光」はプロバイダーが別途契約とデメリットもある
- 独立系のサービスでは「NURO光(ソニー)」や「光ビジネスアクセス(USEN)」などが、価格も安くスペックも良い
- ただし、独立系のサービスは対応地域が限定されている点などデメリットもある