【エコリカ・キヤノンのインク裁判】エコリカが悪い!だけで済まない理由を法律を踏まえて解説

【エコリカ・キヤノンのインク裁判】エコリカが悪い!だけで済まない理由を法律を踏まえて解説

エコリカ・キヤノン裁判の概要

2020年10月、エコリカがキヤノンを提訴しました。

 

インクメーカーには下記の2種類のタイプがあります。

  1. プリンターメーカーがインクも作る場合:純正メーカー(キヤノン、エプソン、ブラザー等)
  2. プリンターメーカー以外の会社がインクを作る場合:互換メーカー(エコリカ、ジット、インク革命等)

 

今回は互換インクメーカーである②のエコリカが、純正インクメーカーである①のキャノンに対して訴訟を起こしました。

 

互換インクにも2通りある
エコリカのように、カートリッジを再利用するインクを「リサイクルインク」と呼びますが、一方で純正メーカーが作ったカートリッジ再利用せず、インク革命のように自社でカートリッジも製造しているインクは「リサイクルインク」に対して「互換インク」と呼ぶことが一般的です。

 

 

訴訟のポイントはICチップと独占禁止法

エコリカは、インクの入れ物であるカートリッジを回収し、洗浄してインクを詰める「リサイクルインク」を販売していますが、キヤノンが施したインクカートリッジのICチップへの仕様変更が原因で一部の商品が販売できなくなったことを問題にしています。

インクに付属しているICチップとは、下の写真の金属部分です。

インクカートリッジのICチップ【引用】インク革命公式サイト

 

インク残量がプリンターに表示される機種が多いですが、そのインク残量を測定しているのがこのICチップです。

インクの残りをチェックする部品が問題で、なんで裁判が起こんねん。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

ICチップは他にも、互換インクが装着された場合にプリンター側にエラーを出すという、プリンター(純正インク)メーカーによる「互換インク対策」にも使われているんです。

オペレーター 杏奈

でもカートリッジをどんな形にしようと、キヤノンの勝手なんじゃないですか?それをリサイクルしているメーカーからとやかく言われる筋合いは無いんじゃないかなと思ったんですが。

ベテランGメン園川

なんと!杏奈さんはとんだ勘違いをされてるようですね。

ベテランGメン園川

例えばiPhoneのケースやイヤホンもアップルのものしか使えなかったら、どうでしょうか?

オペレーター 杏奈

iPhoneは好きですが、アクセサリまでアップルで揃えたいって感じは無いですね。アップルの正規品だと高そうだし、種類も少なそう。

ベテランGメン園川

そういった方々がいるから、純正品以外の互換品が作られる権利が認められているんです。さらに純正メーカーがそれらを不当に締め出した場合、独占禁止法に当たる可能性があります。
iPhoneに例えるなら、今回のエコリカの訴訟は、例えるならアップルが純正以外のアクセサリを使えなくしてる、っちゅうことで裁判を起こしたってことやな。

新人Gメン及川

 

互換品が純正品の著作権を侵害している場合は法的に問題になりますが、そうで無い場合は第三者メーカーが互換品を作ることも、訴訟を提起することも自由に認められています。

エコリカが発表した訴訟提起の理由によると、キヤノンのBCI-380/381シリーズのインクカートリッジは、エコリカなどのリサイクルインクメーカーが再利用出来ない仕様に変更されていることが、訴訟提起の理由と書かれています。

 

 

ICチップの変更は嫌がらせ?性能向上?

訴訟のポイントは「ICチップの仕様変更に性能の向上が無く、互換インクを排除したかっただけ」と裁判所に見られた場合、今回の訴訟でエコリカが勝つ可能性は高いと見られます。

この点は過去の裁判でも争点になっているため、キヤノンも十分に対策を練っていると思われます。

 

他のリサイクルインクメーカーは?

エコリカ以外にもリサイクルインクメーカーはありますが、それらの企業はキヤノンのBCI-380/381シリーズのリサイクルインクを発売できているのでしょうか。

エコリカと並ぶリサイクルインク大手であるジットリサイクルインクの公式サイトを見てみます。

 

ジットのキヤノンリサイクルインク【引用】ジット公式サイト

 

BCI-380/381シリーズのリサイクルインクがラインナップされています。

ジットは普通に売ってるやんか!どゆこと?!

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

私も技術的なことはわかりませんが、リサイクルインクの製造が不可能ではないことが証明されていますね。

オペレーター 杏奈

これはやっぱり、エコリカが負けじゃないですか?

ベテランGメン園川

そうとも言い切れませんが・・・。キヤノンによる仕様変更が「互換メーカーの事業活動を困難にするとまでは認められない」とされ、エコリカが敗訴になる一つの要因になる可能性はあると思います。

 

【参考資料】公正取引委員会のページ「印刷機器のインクボトルへのICチップの搭載」

 

 

世論はキヤノン応援派が多い?

ここからはネット上の反応を見ながら、世間がエコリカによるキヤノン訴訟をどのように受け止めたかを見ていきます。大まかに分類すると、90%がキヤノンを応援する声で、エコリカを応援する意見は10%程度しかありませんでした。

 

盗っ人猛々しい

てか、エコリカはパチモン作っておいて図々し過ぎる。
エコリカなんて買った事ないし純正品以外今後も買うつもりはないけどCanonは逆にエコリカを訴えてもいいレベルだと思う。

盗っ人猛々しいとはこのこと。キャノンが作ったインクの空容器にインクを再注入するだけでボロ儲けしてきたぱくり企業が研究開発費を莫大にかけてやっと製品を作ったキャノン側を訴えるとは世も末。

勝手にメーカーが承認していない互換品売っておいて、メーカーに対策されたら独占禁止法違反だって?悪徳弁護士に唆されちゃったのかねぇ。頭に何か湧いているとしか思えない。

ヤフーニュースのコメント欄より引用

 

Twitterでも同様の意見が見られます。

 

 

「頭に湧いてる」「世も末」とか、めっちゃ怒ってるやん。自分の勤務先でも無いやろうに。

新人Gメン及川

オペレーター 杏奈

私もニュースを見た時、「エコリカけしからん!」って思っちゃいました。

ベテランGメン園川

「盗っ人猛々しい」「他人のふんどしで」という表現ですが、確かにエコリカがプリンターメーカーが作った市場でビジネスをしていることは事実なので、そういった言い方ができないわけではありません。

ベテランGメン園川

しかし、ホンダが自社以外のタイヤを使えなくするようにしたとして、それをブリジストンが訴えた場合に、「ブリジストンは自動車メーカーのふんどしで戦ってるんだから、自動車メーカーを訴えるなんて盗っ人猛々しい」と表現するでしょうか。
そしたら、この世の全ての部品メーカーが盗人になるがな。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

ではなぜ互換インクのメーカーはこれほど「バッタモン」扱いをされているかと言うと、「インク=純正」という印象を知らない間に植え付けられているからです。

オペレーター 杏奈

でもエコリカは商品の箱であるカートリッジも、純正メーカーのものを回収していますよね?これを「盗人」と表現しているのかも?
エコリカはカートリッジを利用者からもらってるんであって、盗んでるわけちゃうやろ!

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

カートリッジの回収行為を「盗んでいる」ように見えるのかもしれませんが、合意のもとで回収しているという合法的な行為です。空き缶回収を盗みと表現する人は居ないでしょう。また、それにインクを詰めて販売することに関しても、純正メーカーの著作権などに違反しなければ合法的な範囲です。

オペレーター 杏奈

この話を法律ではなく感情で理解しちゃってました!「盗人」って言ってる人はみんな私と同じじゃないかな?
ネット上の書き込みでも「キヤノン可愛そう」ってコメントが多いけど、可愛そうもクソも無く商売上の理由と法的な根拠があると思ったからエコリカはキヤノンを訴えたってことやな。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

「互換インクやリサイクルインクは使いたくない」と感じるのも各消費者の自由ですが、エコリカのビジネスを不愉快に感じることと、エコリカが法的に間違っているかどうかには何の関係もありません。

 

このページではあくまで法律論を中心に今回の訴訟を見ていきますので、「エコリカが感情的にムカつく」というタイプの方はこれ以上は読まないことをおすすめします。

ちなみに、エコリカの事業は「違法」と考えられている方もいらっしゃるようですが、現在では純正メーカーであるキヤノンやエプソンでさえ、その主張は行っていません。なぜなら純正メーカー側が盗作(著作権侵害)でリサイクルメーカーを訴訟することは過去の判例から勝率が低いと知っているからです。

一方、ネット上の反応を見ている限り「倫理的にキヤノンが正しい」と感じているユーザーが多いことも事実です。エコリカ側としてはこのあたりの世論形成が想定通りに行かなかった可能性がある、とは言えるでしょう。

 

 

 

キヤノンとの契約もせずに・・・

他には、「エコリカはキヤノンと契約も交わさずに」という意見も散見されます。

 

 

リサイクルメーカーは、純正メーカーと契約する必要があるんやっけ?

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

ありません。ただ、個別に契約をしてリサイクルメーカーと純正メーカーが協力している業界もあります。

エコリカはキヤノンにライセンス料を支払っていない可能性が高いと思われますが、過去にエコリカとキヤノンの間でどのようなやり取りがされたのか(ライセンス料の交渉がされたことがあるのか)は外部には知りようもありません。

またその必要も無いため、「契約なしに販売しているエコリカが悪い」という主張には何の意味もありません。

【互換インクはトラブルが多い?】150人の口コミから検証

 

エコリカ側に賛同者が少ない理由として、純正インクと比較するとリサイクルインクを含めた互換インクの品質が低いという意見が多くありました。具体的な口コミを見てみます。

 

互換インクを使うと壊れる

互換インクを使うと、純正インク使用時と比較して故障が多いという意見がありました。

再生インクカートリッジ/互換インクはオススメしない。ノズル詰まりなど故障の原因にならないとは言いきれない。

互換インクを使い、プリンターの印字関連(かすれ)早期故障が起こり安いものを使って高いプリンターを壊したと思っている。

ヤフーニュースのコメント欄より引用

一方で純正インクは品質が安定しており、メーカー保証もついているので純正インクを選んでいる利用者が多いようです。実際、国内インク利用者の7~8割程度が純正インクを使っており、世界的にも純正インク利用者が多い地域として知られています。(日系企業の新興国市場における事業革新/名古屋市立大学 松井義司

 

互換インクは故障しやすいって印象はあるけど、実際どうなん?

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

確かに10年ほど前までは「互換インクを使ったから故障した」という話を聞くことが多かったですが、現在では純正インクと互換インクで故障の頻度はそれほど違いが無いという意見が多かったですね。>>互換インクは大丈夫?故障・トラブルの口コミを紹介

オペレーター 杏奈

互換インクは純正インクの3割から5割ほど安く購入できるので、その安さも「故障しやすい」というイメージに結びついているのかもしれませんね。

ベテランGメン園川

中には互換インクは使ったことが無いものの、粗悪なイメージの互換インクを避けているという方も多いようです。

 

互換インクは使ったことがありませんが、純正インクの品質が一番。

ヤフーニュースのコメント欄より引用

 

純正しか使ったことないから純正が一番・・・。比べて無いのに?!

新人Gメン及川

バッテラしか食べたこと無いけど、一番好きな寿司ネタはサバ!みたいなもんやな。まぁ間違っては無いわな。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

そもそも、互換インクメーカーは国内だけでも数十社が存在しており、一緒くたに「互換インクだから品質が悪い」と言うことは出来ません。必要なのは品質の悪い互換インクを使わないことです。

オペレーター 杏奈

当サイトで集計した互換インクメーカーごとの口コミ評価は以下です。

 

▼互換インクおすすめランキング

 

互換インクメーカー 利用者満足度 安さ 保証
【1位】インク革命 4.2/5点
【2位】チップス 4.1/5点
【3位】エコリカ 3.7/5点
【4位】ジット 3.5/5点
【5位】エレコム 3.5/5点
【6位】カラークリエーション 3.4/5点
全体平均 3.8点

※5名以上の回答があったメーカーのみ掲載

 

お、エコリカが上位に入っとるやんか。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

このランキングに入っているメーカーであれば、いわゆる粗悪な商品をつかまされる可能性は低いでしょう。

 

【互換インクメーカーおすすめランキング】保証充実で質・評判が良いのは?【元家電販売員監修】

ただ、純正インクの品質と安定感は抜群やって意見が多いのも事実やな。安さより品質重視のユーザは純正インクがおすすめやで。

新人Gメン及川

 

純正インクより互換インクの方が平均的な品質が悪いというのは一般常識のようになっています。

一方、例えば車のタイヤのように、自動車メーカーが取り付けているタイヤよりもブリジストン・住友ゴムのダンロップなど、タイヤメーカー(互換メーカー)が作っている製品の方が品質が良いと言う印象が定着している製品もあります。

その点で、互換インク=粗悪という印象が広がっている原因は、利用者の「純正インク信仰」を覆すだけの製品を互換インクメーカーが出せていないからとも言えます。

 

 

プリンターが壊れても、互換インク屋は保証しないんでしょ?

昔に一度使った事あるけど、エコリカのインクは粗悪品で発色も悪い
そして当然ながら保証しないと書いてる低俗な会社ですね

互換インクメーカーは発売以来一貫して安心保証(補償するとは言ってない)だな。プリンター本体がどうなろうが難癖つけて絶対補償しない。自社の互換インクだけ返品交換して終わり。

 

メーカー保証は1年

キヤノンやエプソンなどのプリンター=純正インクメーカーが設定している保証は、購入後1年間です。(有料で長期保証を付けることも可能)

しかし、互換インクを使用すると、メーカー保証が効かなくなるため、「互換インクメーカーは本体保証をしない」と勘違いしている方が多いですが、互換インクメーカーの中にはインク自体の保証だけでなく、プリンター本体が故障した場合にプリンターの修理代もしくは購入費用を負担してくれる会社もあります。

インクが原因の故障に限定するとはいえ、プリンター本体の故障をインク屋さんが保証するってのはすごいやん。

新人Gメン及川

 

互換インクメーカーの本体保証

各互換インクメーカーの公式サイトにある本体保証についての記載を見てます。

 

エコリカ

Q.エコリカリサイクインクカートリッジを使用してプリンターに不具合が発生した場合、保証していただけますか?

A.原因がエコリカリサイクルインクカートリッジにあった場合は、修理代金の補償をさせていただます。

【引用】エコリカ公式サイト

 

ジット

ジット製品が起因する不具合と考えられる場合、ジットお客様相談室にてプリンタをお預りさせていただき、無償にて修理保証をさせていただきます。

【引用】ジットリサイクルインク公式サイト

 

インク革命

当店で購入したインク・トナーを使用してプリンターに不具合が発生した場合、プリンター修理代金のお支払い等で対応させていただきます

期間:プリンター購入から1年間
対象:メーカー保証がついたプリンターで購入後1年以内のプリンターが対象です。
万が一当社のインクが原因で故障した場合、その修理代金(または代替プリンター)を保証致します。
※メーカー保証が半年のプリンターは、当店の保証期間も半年になります。

【引用】インク革命公式サイト

 

 

オペレーター 杏奈

本体保証とはっきり書かれていますね!
こんな保証付けて大丈夫なん?ヤフーニュースのコメント欄に登場するような民度の方々が一斉に補償を求めてきたら、商売上がったりやろ?

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

実は互換インクメーカーの方に話を聞いた所、インクが原因で故障が起きることなどほとんど無いため、本体保証に必要なコストは極めて小さいらしいのです。
ほんまか?何が何でも互換インクの責任と認めずに逃げ回るノウハウが秀逸なだけちゃうの?

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

この口コミ全盛の時代にそれを継続するほうがリスクが高いでしょ!
確かに互換インクが原因でプリンターが壊れるって自覚してるのであれば、本体保証なんか付けへんかもしれんな。極めて経済合理的な判断やで。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

但し、互換インクメーカーから「故障の原因はインクではありません」と言われた場合にメーカーに保証を求められないため、窓口が互換インクメーカーとプリンターメーカーの2つになってしまう点がリスクになる可能性があるとも言えます。

 

ベテランGメン園川

以上、ネットに寄せられているコメントをおおまかにご紹介していきましたが、個人的にはなぜこのタイミングでエコリカが裁判を起こしたのかが気になります。
何を言うてんの。10月の末って言うたら、インクが1年で一番売れる年賀状シーズンが目前に迫ってるがな。

新人Gメン及川

 

勝っても負けても
裁判費用程度で宣伝になるなら安いもの
マイナスであってもこれだけコメントつけば(Yahooニュースに)
この社長の勝ち

ヤフーニュースのコメント欄より引用

ヤフーニュースにも、たまには気の利いたコメントが入るんやな。

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

なるほど!真実はさておき、たしかに偶然とは言い難いタイミング!

安くて壊れにくい!おすすめの互換インクランキング

 

 

プレイバック!過去の裁判は「両社見事な闘い」で互角

過去の国内での純正インクメーカーと互換インクメーカーとの裁判は、総合的に見ると両者で一進一退の互角の結果と言えます。

合法的な独占を目論む純正メーカーが自社の特許を主張し、一方で特許権をかいくぐったカートリッジを互換メーカーが見事に発明するという、非常に高度で面白い争いを続けており、両社の「そのエネルギーに敬服する」と法学者の帖佐隆氏は述べています。(消耗品ビジネスの攻防と特許権・独占禁止法/久留米大学 帖佐隆

【互換インクって大丈夫?】150人の口コミから検証

 

 

代表的な2つの裁判の結果とおおまかな争点

【①キヤノン×リサイクルアシスト】純正メーカーのキヤノン勝訴(2007年最高裁)

リサイクルアシストはキヤノンの空になったカートリッジを家電量販店で回収し、それに新しくインクを詰めて販売していました。東京地裁ではカートリッジをリサイクルしている時点で特許権は無くなっているとしてリサイクルアシスト側を勝訴としました。

しかし最高裁では、リサイクルの時点で特許が無くなっているとする東京地裁の見方を覆し、カートリッジに穴を開けてインクを充填するリサイクルアシストの方法がキヤノンの特許を侵害しているとしてキヤノンの勝訴としました。

 

【②エプソン×エコリカ】互換メーカーのエコリカ勝訴(2007年最高裁)

エプソンが主張する特許が新規性がなく無効との判断で東京地裁でエコリカ勝訴し、その後の最高裁でもエコリカが勝訴しました。この判決が出たのは上記①の判決が出た翌日であり、裁判所にとっても難しい判断であったことが予想できます。

 

争点は特許侵害から独禁法へ

純正メーカーは当初、カートリッジの形状に関する特許への侵害を主張していました。しかし互換メーカーがこの特許をかいくぐったために、現在のようにICチップ関連の特許を主張せざるを得なくなったという背景が有ります。

しかしその戦略は外れ、ICチップ設置の主目的が「互換インクの排除」であり、特許権として認められないとされました。

これが争点になった別の裁判(大阪地裁2011年(ワ)第13665号)では和解で終了しており内容は公表されていませんが、その後の両者対応を見る限り、互換メーカーの勝訴的な和解であったと見られています。

【互換インクって大丈夫?】150人の口コミから検証

 

オペレーター 杏奈

ところで結局、エコリカが勝つんですか?キヤノンが勝つんですか?

ベテランGメン園川

私は裁判官でも預言者でも無いのでそれはわかりませんが・・・。

ベテランGメン園川

SNSへのコメントでも多く見かけたのは「互換インク=悪」という見方です。しかしブリジストンが悪者ではないのと同様、互換インクメーカーも純正インクメーカーも、善でも悪でも無く、ただの事業者です。

ベテランGメン園川

今回の裁判を通じてそういった偏見が取り除かれて互換インク市場が大きくなり、競争が激しくなれば、より安くて品質の良いインクの選択肢が増える可能性はあるのではないでしょうか。

オペレーター 杏奈

裁判の結果が楽しみです!

 

 

*追記*

この記事に対して「リサイクルインクの例えとしてiPhoneのアクセサリやタイヤを使うのは不適切」というコメントをいくつか頂戴しています。

しかしこの記事の論旨は「キヤノンが互換品の排除を目的に仕様変更している場合には独禁法に抵触する可能性がある」、またその前提として「エコリカがキヤノンの著作権に違反していなければ、互換品の販売は認められる」であり、「リサイクルインクとタイヤでは全ての条件が同じ」ではありません(当然ですが)。

従って、その例えがスマホ部品であろうと自動車部品であろうと論旨に影響はなく、「自動車とインクでは製造の難易度が違う」「iPhoneアクセサリとは種類の数が違う」などという反論にはなんの意味もありません。(ただしタイヤやiPhoneの例えが唯一で最高の例えとは思いませんので、もし他に事例があればご教示頂ければ幸いです)

ご批判のコメントを頂く場合には、今回の訴訟の前提となる独禁法と著作権を踏まえてコメントを頂ければ幸いです。

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