家庭用プリンターのイメージが強いブラザーですが、業務用の複合機も豊富なラインナップを取り揃えています。しかし、業務用コピー機・複合機に関しては、リコー、ゼロックス、キャノンが3強と言われ、大きなシェアを占めている現状です。それらのメーカーの比較記事はこちらでご確認下さい。【関連記事】業務用複合機メーカーのおすすめ比較
■ブラザーの歴史
ブラザーは、ミシンのイメージが強いメーカーですが、プリンターやファクシミリ、カラオケ(JOY SOUND)など多角的な事業展開を行っている総合電機メーカーです。
現在の「ブラザー工業(以下、brother)」という社名は、1908年に創業された「安井ミシン商会」を源流としており、その後、安井の息子兄弟が事業を継承、商標を「BROTHER」としたことに由来しています。
ブラザーの動向
プリンター事業では、主に家庭向けブランド「MyMio(マイミーオ)」と、ビジネス向け「JASTIO(ジャスティオ)」の二種類が存在していましたが、近年はブランド力強化のため、新ブランド名の「PRIVIO(プリビオ)」に統合しています。
家庭用からビジネス用まで、幅広いニーズに応えられるように、数多くの製品(特にA4サイズのカテゴリ)を用意していることが特徴です。
今回の記事では、主にビジネス用の複合機の中から、レーザー系の複合機をメインに紹介します。
ブラザー複合機について
まずはブラザーの強みと弱みをチェックしてみましょう。
強み
ブラザーには以下のような『強み』があります。
幅広いラインアップ
主にSOHO(小さなオフォス、自宅オフィス)をターゲットにしており、幅広いユーザーの声に応えられるよう、多用な製品を揃えていることが最大の特徴です。
なかでも、スモールオフィスなど広くない環境でも導入しやすいA4機に特化しています。
コンパクト
A4機が多いため、バックヤードやカウンターなどに設置したい店舗からも人気があります。A4複合機の中でも、ブラザーは特にコンパクトな製品が多いので、大きさを重視する場合は、ブラザーが第一候補となるでしょう。
ランニングコストが低い
ブラザーの複合機はラインナップが豊富で、使用環境に合わせて最適な製品を選ぶことができます。たとえばランニングコストを抑えたい場合は「モノクロ専用機」を選ぶことで、無駄なコストの削減が可能です。
一般的なカラーのレーザープリンターまたは複合機では、モノクロしか印刷しない場合でも、機器のスタートアップ時に色補正などの処理が行われるため、カラートナーまで微量に消費されてしまいます。
モノクロ専用機であれば、そのような無駄も徹底的に排除できます。
業務用コピー機の3大メーカーでも、モノクロ専用の複合機は販売されているので、日常的に大量のモノクロ印刷を行う企業やA3のモノクロ印刷がメインの企業には最適です。
弱み
次にブラザーの『弱み』をチェックしてみましょう。ブラザーには以下のような『弱み』があります。
レーザー複合機にはA3カテゴリがない
ブラザーのレーザープリンター・レーザー複合機にはA3のカテゴリがありません。
A3のカラー印刷が可能な多機能機種を大人数で共有したいなど、いわゆる業務用コピー機と同等の製品を探している場合はブラザーが候補から外れてしまうでしょう。
brotherの強みは、あくまでもコンパクトな製品を探しているSOHOや店舗向けに特化した製品展開です。そのため、機種はA4に特化しており、大型コピー機のようなA3複合機はラインアップにありません。
A3サイズが印刷したい場合はインクジェット複合機しかない
どうしてもbrotherで、A3のカラー印刷がしたい場合は『PRIVIO』のインクジェット複合機を選ぶことになります。
3大メーカーのモノクロ機よりは安価ですが、トナー方式とは異なり、印刷の品質を気にする場合や高速プリントをしたい場合にはおすすめできません。
ブラザーのコピー機が向いている企業・環境
ブラザーのプリンター・複合機が向いているケースとして、以下の3つのケースが挙げられます。
病院などカウンター業務での使用
カウンターの下や狭いバックヤードへ設置したい場合はブラザーの製品が一番でしょう。
特に、免許証や保険証などの個人情報をコピー・保存する業務が必要な病院のカウンターやインターネットカフェなどの店舗への設置に向いています。
主に電話やファクス用途で使用
個人商店や飲食店など、電話でのやり取りやFAXでの受発注をメインとしている環境でも、brotherはオススメです。機器本体のサイズがコンパクトなだけではなく、「受話器付きモデル」も販売しています(FAX-L2710のみ)。
デスクトップ用として使用
企業の中でも、特に受発注業務などを行う事務職やアシスタント業務を専門にされている方に「一台ずつ複合機を置きたい」場合は、コンパクトで場所を取らないbrotherの製品が、デスクトップ用端末として最適です。
ブラザーのコピー機が向いていない企業・環境
逆に、おすすめできないパターンとして以下の2パターンが挙げられます。
大企業のメイン機としては使えない
大企業が求める業務用コピー機としては、印刷速度・給紙容量など、すべての面において力不足です。
また、A3のレーザー複合機が販売されていないため、サブ機としての導入にもあまり向いていません。
中綴じやホチキス留めには非対応
業務用コピー機のようなフィニッシャー機能がありません。そのため、中綴じ・中折り・ホチキス留めなど、仕上げ作業まで複合機で完結することができず、大量の資料を作成する場合は手間と時間が掛かります。
ブラザープリンターの価格相場
続いてブラザーのプリンターの価格相場をお伝えします。
高スペックモデル
- カラー:MFC-L9570CDW:標準価格129,800円(税込)/想定売価:98,000円
- モノクロ:MFC-L6900DW:標準価格116,600円(税込)/想定売価:90,000円
標準スペックモデル
- モノクロ:MFC-L2750DW(無線LAN対応):標準価格44,000円(税込)/想定売価:35,000円
- モノクロ:MFC-L2730DW(有線LANのみ):標準価格40,150円(税込)/想定売価:31,000円
エントリーモデル
- モノクロ:DCP-L2550DW(無線LAN対応、ADF付、FAXなし):標準価格29,700円(税込)/想定売価:25,000円
特殊モデル(受話器付きモデル)
- モノクロ:FAX-L2710DN(MFC2730DWに電話機が付いた特殊モデル):51,150円(税込)/想定売価:32,000円
ブラザーのおすすめ機種
店舗など限られたスペースも設置できるブラザーの複合機ですが、おすすめは受話器付きの「FAX-L2710DN」です。Amazonのレビューでも星4.7の高評価を獲得しています。
出典:Amazon
まとめ
- Brotherの複合機はSOHOや店舗向けの製品が多い
- A4複合機に特化した豊富なラインアップ
- 業務用コピー機のようなA3複合機はインクジェットしかない
- 受話器付きのモデルがあり評価も良い