モバイル端末のデータ通信において、数年前「キャリアアグリゲーション」という単語が出てきました。 通信キャリア各社はここぞとばかりにアピールし、各社都合のよい「No.1合戦」も展開されました。 そもそもキャリアアグリゲーションとはなんなのでしょう?ユーザーにはどのように役だっているのでしょうか?各社が誇る「最高速度」の意味とは?解説していきます。
キャリアアグリゲーションって何?
通信キャリアはそれぞれが異なる電波帯を国から借りることでビジネスを行っていますが、それぞれのキャリアが使用許可されている電波帯の複数を、1つの端末で同時に利用することができる技術です。 電波帯に関する豆知識はこちらの記事もどうぞ!
新人Gメン及川
ベテランGメン園川
ユーザーにどんなメリットがあるの?
通信の安定性と、通信速度の向上が期待できます。 複数の回線を同時に使うことによって、理論上の最高速度はそれぞれの通信速度を足し合わせたものになります。 たとえば、auの場合、一部のエリアにおいて受信速度400Mbps、279Mbps、279Mbpsの3つの電波を合わせて使うことができるため、最大で受信速度958Mbpsを実現することができます。
(参考ページ)KDDIのキャリアアグリゲーション解説
それだけでなく、同時に使っている電波帯の内の一つが、回線利用の混雑により遅延したり、提供エリアの範囲外に移動する、もしくは何らかのトラブルで通信不可となってしまったとしても、他の電波帯を利用することができていれば、通信が大幅に遅くなったり、途切れたりといった事象の発生リスクも抑えることができます。
「最高速度」を比較する意味は?
法人携帯Gメンの見解としては各社ご自慢の「最高速度」を判断材料にする意味はあまりないとは考えています。最高速度はあくまで理論上の話ですしそもそも大都市部は利用人口も多いので、通信環境を強化しているのは当然です。
現在の水準で言うと、市街では最高速度を比べなくても十分な速度で通信することができますし、各キャリアが苦手なエリアであれば、電波帯は束ねようが繋がらないものは繋がりません。
まとめ
キャリアアグリゲーションは通信業界にとって、大きな技術的革新であることは間違いなく、ユーザーとしても通信速度が快適になったり、通信遅延や通信断のリスクが低下するので、恩恵の大きいものになります。 ただし、各社がアピールしている「最高速度」というのは「理論上」かつ「都心部限定」の数字であり、あくまで参考程度のものです。 それよりも
- 通信可能エリア(田舎に行く場合特に注意)
- プラン(通信制限など)
- 料金
- サポート
といった部分を重視し、契約先を選定することが重要です。