ベテランGメン園川
OKI複合機の歴史と販売戦略
明治14年(1881年)創業のOKIは、日本で初めて通信機器を作った老舗企業です。その後、当時の電電公社(現NTT)と結びつきが強い電電ファミリーの一員として成長を遂げました。
現在のOKIは、以下の3つを主な収益としています。
- 通信事業
- 金融事業
- プリンター事業
その中の1つ「プリンター事業」を担っているのが、OKIから1994年に独立分社したOKIデータで、主に2種類のブランドでプリンターを展開しています。
- MICROLINE
- COREFIDO
「MICROLINE(マイクロライン)」は、印刷業など専門性の高いハイエンド向けのレーザープリンターで、「COREFIDO(コアフィード)」は、オフィス向けの一般的なレーザープリンターです。
出典:OKIデータ
家電量販店やアマゾンでも販売
市場シェアが決して大きくないOKIは、他のコピー機メーカーとは異なる販売戦略を行っています。それが、家電量販店やアマゾンをはじめとするネットでの販売です。
新人Gメン及川
但しアマゾンで購入した場合は設置・ダンボールの回収・使用している複合機の引取などは対応してくれません。コピー機Gメン提携の販売店ならそれらもセットで対応可能ですので、お問合わせください。
OKI複合機の強み
手軽に購入できるOKIの複合機には、どのような強みがあるのでしょうか?
幾つかのポイントをチェックしてみましょう。
【強み①】紙詰まりの修理が簡単
OKIはATMも製造しているメーカーなので、紙の扱いや通紙機構の技術に長けています。
複合機も同様に、通紙のしやすい「タンデム方式」を採用しており、プリンター自体の構造をシンプルにすることで、耐久性と運用性を飛躍的に向上させています。
プリンターで最も多い悩みの一つに紙詰まりが挙げられますが、OKIの複合機は紙詰まりが起きにくい構造のため、仮に紙が詰まった場合も、保守を呼んで修理を待つことなく、自分で詰まった用紙を簡単に取り除ける特異な強みを持っています。
>>>詳しくは、「複合機・コピー機の紙詰まり対処法」記事を参照
【強み②】細かい線を描ける
OKIの製品は、レーザープリンターではなく「LEDプリンター」と言う新しいジャンルのプリンターで、世界で初めてLEDプリンターを商用化しています。
キヤノン、リコー、ゼロックスなどの大手メーカーでは、プリンターの光源にレーザー光線を用いて印字をしますが、OKIは独自のLED技術を使用した印字ヘッドを用いているので、超微細な文字や罫線などの印字がレーザープリンターに比べて得意です。
また、LEDヘッドは通常のレーザーと比較してスポットが小さいので、細かい線の表現に優れ、2ptの小さな文字で印刷しても文字が潰れません。
【強み③】5年間無償保証
OKIが「COREFIDO」のブランド展開を開始した2008年当時、OKIのプリンター市場におけるシェアは約2%程度でした。
しかし「5年間の無償保証」により、その後のプリンター業界の構図を一変させました。実際に、家電量販店などのプリンターのシェアは50%以上をOKIが占め、プリンター全体の市場でも10%前後まで成長しています。
OKIが成長した原動力でもある「5年間無償保証」は、自社製品に対する自信の証拠と言えるでしょう。
新人Gメン及川
オペレーター 杏奈
OKI複合機の弱み
OKI複合機の弱みは以下の4点です。
【弱み①】印刷速度が遅い
OKIの複合機は低価格ですが、キヤノン、リコー、ゼロックスなどの大手メーカーと比べると、印刷速度が劣ります。
例えば、大手3社のミドルスペックのコピー機は50ppm以上(1分間に50枚以上)ですが、OKIは35ppm以下(1分間に35枚以下)です。
【弱み②】保守メンテナンスは微妙
OKIは、保守に関して「自分で直せるものは自分でお願いします」をスタンスとしています。
また「5年間無償保証」の文言もユーザーに誤解を与えやすく「5年間無償で保守をしてもらえる」と誤認して購入されるユーザーが少なくありません。
メーカーの趣旨は「5年間に限り、通常の用途で使用した状態で壊れた際は、保証(修理・交換)します」であり、一般的な即時対応の保守を謳ったものではないので注意が必要です。
OKIの製品を購入したユーザーから「保守を頼んでもすぐに来ない」などのクレームがありますが、「無償保証」と「無償保守」を勘違いしているケースが目立ちます。
ただし、沖電気はATM機器の販売大手でもあるため、保守拠点は全国に200以上存在しており、広い保守網を有しています。
【弱み③】機能が限られている
多くの業務用コピー機では、中綴じやホチキス機能などのフィニッシャーをオプションで追加することができますが、OKIの複合機には、そのようなオプションがありません。
OKIの複合機は機能を限定することで低価格を実現しています。フィニッシャーなどのオプション機能が必須な場合は、メーカー選定からOKIを外した方が良いでしょう。
また、細かい内容で言えば、印刷物をタッチパネルの画面上で切り抜いて印刷することができず、キヤノン、リコー、ゼロックスなどの高級機から切り替えたユーザーから、不満の声が上がることもあります。
他メーカーの営業マンの中には「OKIさんの複合機は業務用ではない」と、言う人もいるほどです。
【弱み④】使いやすさの評価は高くない
OKIの母体である沖電気工業は、一般消費者向けの製品としてATMとプリンター以外はほとんど作っておらず、ユーザーの使い勝手を重視した機械設計が、あまり得意ではありません。
例えば、操作パネルに関しては、家電メーカーである東芝やシャープのコピー機が使いやすいと言われ、紙を保存するカセットも、キヤノンやリコーが採用している自動引き込み(軽くカセットを押し込むだけで閉まる)と比べると、使い心地の面で現時点ではやや劣っている印象です。
富士ゼロックス【高価格・高品質の高嶺の花】
キャノン【国内シェアNo.1の特徴なき王者】
リコー【耐久性と2色印刷に強みあり】
コニカミノルタ【外観デザインに特徴有り】
シャープ【安さだけじゃない耐久性と画質】
京セラ【安さを追求した業界の異端児】
ムラテック【土曜日保守対応の優しさ】
東芝【強みが見えない粉飾決算企業】
OKIは低価格だからサブ機に最適
OKIの複合機は本体価格が非常に安く、他メーカーでは1台60~80万円程度のコピー機でも、30万円程度で販売されていることもあります。フィニッシャー機能を搭載できないなど、デメリットもあるため、基本操作だけでも構わないオフィスやサブ機としての導入を検討している会社には向いています。
また、他メーカーのコピー機と比べて初期費用を大幅に抑えることができ、予算が限られているオフィスには最適でしょう。
例えば、毎分35枚のA3複合機『MC883dnwv』は、定価が99.8円ですが、家電量販店屋では30万円程度で購入することが可能です。
ただし、ランニングコストはカラー1枚約11.7円、モノクロ1枚約2.8円(OKIデータ公表値)のため、他のメーカーのカラー1枚約10円、モノクロ1枚約1円と比べると、決して安くはありません。
文書印刷が多ければOKIがオススメ
他のメーカーは印刷1枚あたりに課金するカウンター方式が一般的で、トナーの使用量は問われません。そのため、画像など印刷の面積が大きい場合にお得です。一方、OKIはトナーを使用すればするだけコストが掛かるので、画像よりも文書などの印刷が多い会社にオススメです。
また、カウンター料金には月額3,000円程度の最低利用料金が設定されており、1ヶ月間全く利用しなくても最低基本料金を支払う必要があります。
一方、OKIは「カウンター料金」ではなく、利用したトナーの分量に応じて費用が発生するため、印刷1枚に対して利用するトナーの量が少ない場合や全く利用しない時期がある場合は、カウンター料金よりもお得になります。
▼OKI複合機のポジション
OKIのコピー機が向いている企業
ベテランGメン園川
▼OKIが向いている会社・向いていない会社
向いている会社 | 向いていない会社 |
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まずは、OKIの複合機が向いている会社について、1つずつ確認していきましょう。
オフィス規模が小さい会社
OKIの複合機はコンパクトな機種が多いので、大型コピー機が設置できないなど、スペースに問題を抱える中小企業やSOHOなどに最適です。1台のコピー機を数人~20人程度で使用する場合は、OKIの複合機で問題ないでしょう。
また、本体価格が安い点も大きなメリットです。
会計士、弁護士などの個人事務所
会計事務所や弁護士事務所では、細かな文字や数字、罫線の印字の再現性(印字品質)が重要です。そのような事務所にもOKIの複合機は適しています。
また、個人事務所の多くはダウンタイム(紙詰まり等で複合機が使えない時間)を嫌う傾向にあるため、OKIの「セルフメンテナンス」が好評です。
サブ機として導入
近年、大企業の多くではキヤノン、リコー、ゼロックスなどの大型コピー機に印刷を集約しているケース(大きなフロアの真ん中にコピー機が1台だけ等)が目立ちます。
しかし、このような環境で働く社員にヒアリングを行うと「コピーをしたいのに待ち時間が長い」など、不満を感じていることが多く、1台のコピー機しかないのにコピーやスキャン、FAXなど異なる業務で使用のタイミングが重なってしまい、ユーザーの渋滞が起こっていると言います。
そのような職場では、メイン機として大型コピー機を設置し、サブ機・サテライト機として安くてコンパクトなOKIの複合機を設置するなど、用途に合わせて印刷環境を分散化させると良いでしょう。
OKIのコピー機が向いていない企業
次に、OKIの複合機があまり向いていない会社について、1つずつ見ていきましょう。
即時対応の保守を重要する会社
即時対応の保守サポートを求める会社には、OKIの複合機をおすすめできません。
OKIは全国に保守センターを持っていますが、ATMの保守を優先対応しており、プリンターについての機動力はやや弱い傾向があります。
写真印刷の多い会社は印刷コストが割高に
写真や画像の印刷が多いなど、1枚の印刷で多くのトナーを使う環境ではOKIはおすすめできません。
OKIは一般的なコピー機のカウンター料金制(1枚印刷すると〇円)とは異なり、トナーがなくなったら新しいトナーを購入する方式なので、ややコストが割高になってしまいます。
トナーの消費が激しい濃度の高い印刷を頻繁に行うと、トナーの減りが早いため、費用が高額となってしまいます(トナー代よりも印字品質を重視される場合は別です)。逆に、文字印刷がメインの会社など印刷濃度が低い会社では、OKIの複合機がおすすめです。
ランニングコスト
OKIのランニングコストは、印刷1枚あたりモノクロ2.8円、カラー12円程度となっています(機種や印刷状況で大きく異なります)。ただしこの金額は定価でトナーを購入した場合となり、OKIの販売店さんから値引きで購入した場合には「モノクロ2円、カラー10円」程度で購入が可能です。
また、トナーを購入すれば保守メンテナンスもセットでサポートを受けることが出来、別途費用をお支払いする必要はありません。
高速印刷、大量印刷を行う会社
OKIの複合機は、決して印刷速度が速いとは言えません。
また、プリンター部分の耐久性も5年間で60万ページとなっているので、1ヶ月で約1万枚以上の印刷を行う環境では、スペック不足と言えます。
ここからは、一般企業向けの「COREFIDO」シリーズから、幾つかの機種をピックアップしてご紹介します。
OKIコピー機の実売価格と評判
出典:OKIデータ
OKIの複合機はアマゾンや家電屋さんでも購入が可能なので、1円でも安く購入したいという場合はこれらの購入方法をおすすめします。
一方、
- 配送
- 設置
- 開梱
- ダンボール回収
- 利用中コピー機引取
までセットで対応してほしいという場合はコピー機Gメンが提携する販売店さんをご紹介いたしますので、お問合わせください。
機能を絞ったシンプルモデル:MC843dnwv
導入しやすい価格のA3カラー複合機で、自動両面にも対応しています。印刷速度はカラー・モノクロともに23枚/分です。市場では25万円程度から取引されています。
35枚機ながら30万円台からの販売も:MC863dnwv
MC863dnwvの印刷速度は35枚/分と、MC843dnwvよりもはるかに速い印刷速度を誇ります。市場取引価格は、30万円台~と非常に安価。業務用複合機では考えられないような低価格です。
ただ当サイトが独自におこなった口コミ・評判アンケートでは、☆3.3と満足度は普通。「値段は手ごろ」と評価する声がある一方で、「印刷品質」や「紙詰まり」などに対し不満の声が目立ちました。
OKI複合機の中では最高品質:MC883dnwv
OKI複合機の中では最もハイスピード、そしてMC863dnwvよりも高解像度で他社業務用コピー機の印刷品質に近づけているのが、MC883dnwvです。MC883dnwvの市場取引価格は、54万円程度。
当サイト独自の口コミ・評判アンケートでも「印字品質」については「頭一つ抜けている」と評価が高かったものの、「紙詰まりが多い」など精度面での評価はいま一つでした。
まとめ
今回は、OKI複合機の評判と価格についてまとめました。
- OKI複合機の評判は、普通
- OKI複合機の価格は、23万円~60万円程度
- OKI複合機は「価格が安い」が、業務用コピー機としては不足という評判あり
- OKI複合機はAmazonなどでも購入できる
- OKI複合機のMC883dnwvは、他機種よりはハイスペック
OKI複合機を導入したい場合は、AmazonなどのECサイトでも購入できますが、当サイトでもお安く卸せる販売店をご紹介できます。販売店から購入した場合、ECサイト等の最安値価格でのご提供とはなりませんが、その後のトナー代がお安くなります。また、古い複合機の引き取りや、複合機の設置もお任せください。
参考サイト
当サイトでは、正確で信頼できる情報をユーザーへ届けるために以下のサイトを参考にしています。
公益社団法人リース事業協会
JBMIA 一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会
株式会社沖データ および 各メーカーの公式サイト