複合機業界が生んだ謎の格差「大企業で作った赤字は中小企業からのぼったくりで補填」

複合機業界が生んだ謎の格差「大企業で作った赤字は中小企業からのぼったくりで補填」

一部の複合機メーカーや販売店は企業規模によって顧客を「大企業」「中企業」「小企業」「零細」という4区分で管理しています。

  • 大企業 1,000名以上
  • 中企業 200~1,000名
  • 小企業 20~200名
  • 零細 20名以下

地方では数千人以上の企業はごく少数なので、結果的に「中企業」から「零細企業」の3カテゴリが実質的なターゲットですが、中企業と零細企業の導入価格に明確な「格差」が存在しています。

感覚的には「倍」ほど違う、と表現しても大げさではありません。

 

中企業は神様です?

従業員数200名以上の中企業は地方ではかなりの優良企業に該当します。地元のイベントに協賛したり神社の修繕に多額の寄付をしたりと、地域社会とも深く関わっている企業像で、老舗のメーカーや地方銀行が代表的です。

たとえば小企業以下の企業規模であれば、どれだけ値引き交渉をしたとしても私たちがWEBサイトでご案内している「本体55万円、カウンター料金モノクロ0.7円・カラー7円」前後が底値と見ています。

しかし導入先が中・大企業の場合は価格感は驚くほど下がり「本体価格20万円」「カウンター料金モノクロ0.35円・カラー4円」のように、小企業以下では絶対に目にしない価格の見積を見かけることがあります。

確かに一拠点での導入台数が増えれば保守人員の巡回コストは下げられますし、印刷枚数が多ければカウンター料金が下がるのは小企業以下でも同様です。しかし中・大企業で時折見かける見積価格はそのボリュームディスカウントを逸脱しており、最終的にはメーカーと販売店の利益が圧縮される構造になっています。

 

複合機業界謎の構造「中小からぼったくり、大企業は神扱い」

 

メーカーや販売店はなぜそんな赤字覚悟の価格で提案するのでしょうか。

理由は「広告宣伝費としての割り切り」があるからだそうです。「うちは静岡銀行さんでも採用されています」といった形で、静岡の中小企業への営業材料になる、というわけです。

と営業担当は口を揃えますが、本当にそうでしょうか?

 

当社もトヨタさんと同じメーカーが良い♡という妄想

10~20年ほど前は複合機メーカーの性能が大きく、メーカー選びは購買担当者の重要な関心事の一つでした。しかし現在はメーカーごとの性能差はほとんどなくなり「うちもトヨタさんと同じメーカーの複合機を使いたい」と思う企業はどれほど有るでしょうか。

このような中・大企業を優遇する営業文化は市場拡大機に生まれた販売戦略の「惰性」で、

販売店営業

ところでこれ、利益貢献してるんだっけ?

という平成生まれのコスパ部長の登場で長期的には是正されていく方向と予想します。

 

「零細からはぼったくろう!」

一方、小規模企業の方は中・大企業と違い、購買プロセスに十分な時間や人手を割けないので、メーカーや販売店から明確に「カモ」として扱われており、トータルで言えば「中企業以上のユーザで作った赤字を小規模以下の企業で補填」しているという構造です。

2025年時点の販売店さんからの情報では、最も営業会社に狙われている層は「従業員20名以下の企業」です。この規模の会社では、社長が独断で導入を決めるケースが多く、営業担当者との相性やタイミング次第で契約が決まってしまうため、価格交渉や相見積もりにならず利益をがっぽり取れる可能性が高いからです。→【20人以下の会社がコピー機営業に狙われる】中小社長は実は理想のターゲット

ただし、最近ではその層の営業競争が過熱しすぎて、「あえて20人以下を避けて、30~50人規模をコピー用紙で攻める」というユニークな戦略をとっている関西の販売店の事例も出てきています。→複合機でアポれない…コピー用紙という裏道【販売店テレアポ事例】

 

いずれにしても、小規模・零細企業では「面倒でも業者任せにせず、相場を確認し、相見積もりを取る」という最低限の対応を行うだけで、5年で100万円単位の差が出ることもあります。

 

オペレーター 杏奈

未だに相見積り無しで発注してる会社が世の中にはたくさん有るんですね・・・。
価格相場を調べられるコピー機Gメンで中小企業を救うはずやったんやけど、ワシらの力不足や・・・。

新人Gメン及川

 

地道に活動を続けていきます。

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