【事務機屋の営業・経営戦略】複写機・コピー機販売業の課題と成長戦略とは

【事務機屋の営業・経営戦略】複写機・コピー機販売業の課題と成長戦略とは
【著者】株式会社エンパワーメントコンサルティング 代表取締役 野呂 太祐

2008年より、一貫してITを活用した営業支援に従事しており、複数社の事務機器販売業のコンサルティングにも携わらせて頂きました。日進月歩のテクノロジーと我々が培ってきた営業コンサルの知見を組合わせることで、 悩み、迷う営業組織・営業パーソンの進化をご支援して参ります。
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    事務機・コピー機販売の市場環境

    現在、複合機・コピー機販売業様にとって、

    決して営業しやすい市場環境であるとは言えません。

     

    競合過多により、営業工数は増加。

    コンペ・比較検討で、なかなか楽には売れませんよね。

     

    それに反比例するように受注率は低下。

    目標達成には、更なる工数増という悪循環に陥っていませんか。

     

    なんとか成約に繋げようとすることで、特価対応・値引対応の連続。

    結果、利益は減少し、頑張って売ったのに儲からないというジレンマ。

     

    また、昨今のコロナ禍を発端とした働き方の変化も関係してきます。

    テレワークで在宅勤務が増えることで、当然印刷物は減っています。

    多くの企業でオフィスのスリム化・縮小化、

    ペーパーレス化の促進は重要な取組と位置付けられていますので、

    今後もこの流れは、加速することはあっても、止まることはないでしょう。

     

    そのような市場環境下において、

    複合機・コピー機販売業様が取るべき成長戦略について、纏めています。

     

    無責任な楽観論に聞こえるかもしれませんが、やりようはあります。

    ただし「楽に誰でもできる」というものではなく、

    それ相応の努力と営業戦略、実行力は必須であることは、ご了承下さい。

     

    アンゾフの成長マトリクスから

    「アンゾフの成長マトリクス」をご存知でしょうか。

    戦略的経営の父と言われる経営学者、イゴール・アンゾフ氏によって提唱された

    事業の成長・拡大を図る際に用いられる有名なマトリクスです。

      製品軸
    既存 新規
    市場軸 既存

    市場浸透

    新製品開発

    既存市場✖️既存製品

    既存市場✖️新規製品

    新規

    新市場開拓

    多角化

    新規市場✖️既存製品

    新規市場✖️新規製品

    縦軸に【市場】、横軸に【製品】を取り、

    それぞれ【既存】と【新規】の2区分を設け4象限のマトリクスとしたものです。

    複合機・コピー機販売業様の成長戦略においては、アプローチの“順番“が重要です。

    例えば、新市場開拓(新規の顧客にコピー機を販売)は、決して不可能ではありません。

    市場が縮小しているとしても、複合機・コピー機の需要がなくなるわけではないからです。

     

    新しく設立される法人、新設されるオフィスもあれば、

    買換・リース満了のタイミングで他社機のリプレイスも狙えるでしょう。

     

    ただし、“順番“が重要です。

    どのような“順番“が望ましいかについては、後述します。

     

    まず考えるべきは、“顧客“という資産を最大限に活用するべきだ、ということです。

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      “顧客“という資産を活かす戦略を選択するべき

      複合機・コピー機販売業様のビジネスモデル上の特徴は何でしょうか。

       

      それは「顧客基盤が安定していること」です(自社保守の場合は特に)。

       

      言い方を変えると、売った後も継続的な関係性が築かれることを前提としたビジネスモデルである、と言うことです。

       

      昨今の市場環境の変化で、そうとも言えなくなってきていますが、元々はハード(機器)自体はある程度安価で販売し、

      カウンター料金やトナーなど消耗品で利益を稼ぐ仕組みです。

       

      また、買換需要も発生する為、

      継続的な顧客関係性の維持と一定の満足度がなければなりません。

      一方で、世の中の営業会社では、「売ったら終わり」は往々にして発生します。

       

      これは、売った後に関心がなくなるからではなく、

      売った後に関係性を継続させる仕組みがないことが最大の要因です。

      (=ビジネスモデル上、関係性を継続させる必然性がないことが大きな理由)

       

      つまり、貴社に現時点でお取引が継続している“顧客“が多数存在していることは、

      他業界から見れば、大きなアドバンテージなのです。

       

      この“顧客“という資産を活かしましょう。

       

      まず、複合機・コピー機販売業様の成長戦略において選択するべき戦略は、

      新製品開発<既存市場(顧客)への新規製品>が、ファーストチョイスです。

       

        製品軸
      既存 新規
      市場軸 既存

      市場浸透

      新製品開発

      既存市場✖️既存製品

      既存市場✖️新規製品

      新規

      新市場開拓

      多角化

      新規市場✖️既存製品

      新規市場✖️新規製品

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        新製品開発すべきは、手離れが悪い商品

        新製品開発戦略といっても、新しくメーカー機能を有するわけにはいきません。

        (それも1つの戦略としてはアリですが・・・)

        新しく取扱う商品・製品・サービス軸を増やしましょう。

         

        では、どのような商品・製品・サービスを取り扱えば良いか?

         

        これはズバリ、“手離れが悪い商品“です。

         

        一般的に、商社が仕入商品を検討する場合、“手離れが良い商品“が選ばれます。

        手離れが良いとは、

         

        ・販売する時に、特別なノウハウがいらない(売るのが楽)

        ・販売した後に、特別なサポートがいらない(売ってからが楽)

         

        と言えるでしょう。

         

        仮に、その様な商品があったとします。

        (実際にはあります。

         一時期流行った、ウォーターサーバーなどは正に手離れが良い商品です。)

         

        それが、御社でしか取り扱えない商品であれば、全く問題ありません。

        是非、販権を取得して売りまくりましょう。

         

        そうではなく、他社でも取り扱える場合、どうでしょうか。

        結局は、競争過多で薄利にならざるを得ません。

         

        購入方法が多様化、簡素化された昨今で、売りやすいと言われる商品は、

        いずれ確実に通販(営業を介さない販売)にシフトします。

         

        一時的な売上・利益の積上げには勿論なりますが、

        抜本的な営業強化・差別化にはなりえません。

         

        必要なのは、逆の発想です。

         

        手離れが悪いとは

         

        ・販売する時に、ノウハウが必要=販売することでノウハウが溜まる

        ・販売した後に、サポートが必要=販売後に関係性強化の機会がある

         

        と考えて下さい。

         

        面倒くさそうな商品・製品・サービスの取り扱いを“戦略的“に検討しましょう。

         

         

        戦略的に扱うべき、手離れが悪い商品の例

        戦略的に扱うべき、手離れが悪い商品の例を挙げていきます。

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          それぞれのカテゴリで挙げている商品・製品・サービスは、

          業界での優位性を保証するモノではなく、一例としてお考え下さい。

          実際の取り扱いには、メーカーのサポートエリアや契約内容、

          貴社の既存顧客およびサービスとの親和性も含めて検討が必要です。

           

           

          ▼データベースソフト

          イメージは、Excelで煩雑・属人的に管理されていたデータを

          一元的に管理することが可能になる様なWEBサービス・アプリケーションです。

          例)kintone、Unit Base、楽々Webデータベース

           

          リーズナブルなサービスが多いことと、

          リモートワークやペーパーレス化の促進を背景に、普及が進んでいます。

          多くはクラウド型・サブスクリプション型のサービス提供になる為、

          販売すればストックの売上となります。

           

          基本的には、ノンプログラミングで運用できるサービスを検討して下さい。

          この種のサービスは、設計の自由度が高く、自社の運用に合わせて構築が可能です。

           

          では、ユーザー(顧客)は何に困るのか?

           

          それは、

           

          ・具体的には、どうやって作ったら良いのか?

          ・有料でいいので、お願いできるところはないか?

          ・他社は、どのように活用しているのか?

           

          を相談したいのです。

           

          その相談に貴社が対応できる様になることがベストです。

           

          業務データを取り扱うアプリケーションなので、

          当然、今以上に顧客の業務内容について把握することになります。

           

          顧客の業務改善について、

          必要に応じてデータベース化以外のソリューションを提供することも可能です。

           

           

          ▼顧客管理(CRM)/営業支援(SFA)システム

          貴社では、CRM/SFAは導入されていますか?

           

          どちらも顧客情報管理を主体としたシステムで、

          顧客・案件・商談など営業に関わる情報を一元管理するシステムです。

           

          例)Sales Force、Microsoft Dynamics 365、Sales Force Assistant

           

          先のデータベースソフトで代替可能な部分もありますが、

          優れたパッケージが色々とあります。

           

          近年、継続的に市場は拡大傾向で、

          モバイル端末の進化やリモートワークの促進を背景に普及が進んでいます。

          こちらも、多くはクラウド型・サブスクリプション型のサービス提供になる為、

          販売すればストックの売上となります。

           

          このソリューションの特徴は、

          事務機・コピー機販売業様の営業マネジメントと相性が非常に良いです。

          ですので、なるべく自社が導入・活用しているモノを顧客に提供・提案する、

          というアプローチを推奨します。

           

          利用ユーザーの声に勝るセールストークは無いのです。

           

          運用・構築支援を自社で実施することも不可能ではないですが、

          各社で導入構築・運用支援のメニューを持っているので、

          最初のうちはメーカーを頼って良いでしょう。

           

          このソリューションは、特性上、セミナーなどでリード獲得を狙うことが多いです。

          例えばメーカーとコラボし、

          御社での活用事例などをコンテンツとして提供することも有効かもしれません。

           

           

          ※上記は一例ですので、宜しければお気軽にご相談ください。

           セキュリティ商材、WEBページの構築・運用支援、なども選定商材として有効です。

           

           

          成長戦略のサイクルを回す

          まずは既存顧客に対して、

          手離れが悪い商品の販売というアプローチを通じて、営業ノウハウを蓄積しましょう。

           

          次に取るべき成長戦略は、多角化<新規市場(顧客)への新規製品>です。

           

            製品軸
          既存 新規
          市場軸 既存

          市場浸透

          新製品開発

          既存市場✖️既存製品

          既存市場✖️新規製品

          新規

          新市場開拓

          多角化

          新規市場✖️既存製品

          新規市場✖️新規製品

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            新規製品(手離れが悪い商品)は、複合機・コピー機程市場に浸透しておらず、認知度も高くないことが殆どです。

             

            営業戦略如何によって、新規開拓が十分に可能です。

             

            複合機・コピー機販売業様がよくやってしまいがちなアプローチが、

            最初にこの多角化<新規市場(顧客)への新規製品>を選択してしまうことです。

             

            市場ニーズのありそうな新製品で新規顧客を作ろう、というイメージです。

             

            新規顧客を開拓するだけの“ノウハウ(営業力)“があれば可能ですが、

            なかなか上手くはいきません。

            まずは関係性のある既存顧客に対するアプローチで、

            実績とノウハウを蓄積することを優先しましょう。

             

            多角化<新規市場(顧客)への新規製品>により、新規顧客が獲得できれば、

            最後に、新市場開拓<新規市場(顧客)への既存製品>です。

              製品軸
            既存 新規
            市場軸 既存

            市場浸透

            新製品開発

            既存市場✖️既存製品

            既存市場✖️新規製品

            新規

            新市場開拓

            多角化

            新規市場✖️既存製品

            新規市場✖️新規製品

             

             

            この段階では、複合機・コピー機の販売はそれ程難しくなくなるのでは無いでしょうか。

             

            ただし、新規製品の商談の段階で、

            リプレイス時期や要件・要望など事前に情報収集をしておくことも必要です。

             

            このサイクルを回しましょう。

            複写機販売の戦略

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              ①既存顧客に新規製品を販売することで、

              ②営業ノウハウを蓄積し、

              ③顧客との関係性の強化を図ります

              ④新規顧客に新規製品を販売する際には、

              ⑤蓄積されたノウハウを活用し、

              ⑥新規顧客の獲得を狙います

              ⑦新規顧客に既存製品を販売しやすくなるので、

              ⑧顧客との関係性の強化を継続させましょう

               

               

              事業ドメインのチェンジが必要

              最後に重要な点が、この取組を貴社が実施する理由です。

               

              新規商品を取り扱い、顧客に提供する為の理由・ミッション・裏付けが必要です。

              新規商品の取り扱いを開始し、既存顧客にアプローチした、とします。

               

              まず聞かれるのが

              「複合機・コピー機屋の●●さんが、なぜこの商品?」

              ということです。

               

              この時の回答が

              「いや、複合機・コピー機売れないんで、取り扱い始めたんですよ」

              では、ダメなのです。

               

              事業ドメインをチェンジしましょう。

               

              ドメインとは、事業領域・戦略領域・事業分野、等と訳されます。

              企業戦略・営業戦略を立案するうえで基礎となる、非常に重要な考え方です。

               

              端的に言えば、「我々は何屋さんか」ということです。

              自社は何業なのか?何屋なのか?を問い直し、

              見直すことが成長戦略を押し進めるには必要です。

               

              今一度、自社のドメインを再定義してみましょう。

               

              事務機・コピー機販売企業の営業戦略まとめ

              複合機・コピー機販売業様にとって、残念ながら追い風が吹く市場環境ではありません。

               

              しかし、長年の事業活動で培ってこられた資産があります。

              それが、“顧客“と“営業“です。

               

              戦略的に、手離れの悪い商品の拡販を通し、

              顧客資産を活用し、営業資産をアップデートしましょう。

              成長戦略のサイクルを回して下さい。

                * * *

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