複合機の仕入れ先を検討している方だけの情報です
OA機器販売店さんの中で、「複合機の仕入れルートを見直してみたい」方に読んで頂きたい記事です。一方で「地獄の果てまで今の上位店と一蓮托生」という方にはただ不快だと思うので、どうぞ「戻る」ボタンからご退出ください。
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「全販売店で一律の値上げなので・・・」
複合機の仕入元から
上位店営業
上位店営業
といつもの爽やかな表情で言われ、値上げされたことは無いでしょうか?
さて、「一律で値上げ」しているというのは事実でしょうか。私の知る限りですが、95%以上の確率で嘘だと思います。その理由をいくつか記載してみたいと思います。
「値上げなんて許しませんから」
2023年、約20年ぶりに日本のインフレ率が2年連続で2%を上回った頃、複合機各メーカーは卸先に対して一斉に値上げをし、それに伴って一次店、二次店以下の仕入れ価格も大まかに3~7万円ほどの仕入れ価格の上昇を余儀なくされました。そんな時、年間で1,000台以上を販売している企業担当者に値上げの話を振ってみたところ、以下の回答が返ってきました。
年1,000台販売店
年1,000台販売店
要するにメーカーや上位店は下位店とのパワーバランスで値上げを決めているだけで、役所ではないので「一律で対応」などしていないのです。言われてみれば、当たり前ですが・・・。
その担当者は全ての卸先の価格を知ってる?
別の角度から考えてみます。例えば御社が富士フイルムの一次店だとして、営業担当者から「全販売店さん一律で・・・」と言われたとしましょう。
その富士の営業担当者は、北海道から沖縄まで存在している富士フイルムの全拠点から一次店への卸価格を把握しているのでしょうか?
なぜ「一律」と言うのか
ではなぜメーカーや上位店は
上位店営業
などという(しょうもない)嘘をつくのでしょうか?理由は「バレない」とタカをくくっているからだと見ています。
①どうせ裏を取られない
部外者からすると非常に不思議な習慣なのですが、複合機の販売店さんは、販売店さん同士で仕入れ価格の情報交換をすることを避けています。御社も、仲良くしている周囲の会社さんが具体的にいくらで複合機を仕入れているのか、正確な数値を聞いたことは無いのではないでしょうか?何の法的な拘束も無いので、是非聞いてみてください。
最初は恐らくメーカーや上位店から
「御社だけの特別価格なので、他の販売店さんには内緒にしてください」と言われ、情報交換しないことが習慣になっていったのでは無いかと見ています。
そして上位店は、御社が重要な国家機密を知ってしまった役人のような気持ちで真面目に秘密を守り抜いていることを、よく知っています。
実際、「一律で値上げされた」と私に言うその販売店の仕入れ担当は、その上位店の言葉を「信じたい」ようでした。
まるでサンタクロースが本当に家に来たのかを親に深く問い詰めないことで事実を知ってしまうことを上手に回避する子どものように、真実に触れることを避けているように見えました。
②開き直るのは元から得意
例えば新品の自動車や家電で言えば、購入先や購入方法をどう工夫しても半額で買えるということはほぼありませんが、複合機はAユーザとBユーザに同じ商品を倍、あるいは3倍の値段で売ることも当然の業界です。
メーカーの方々はユーザにやっていることを卸先にもやっているだけで、もし御社に言っていた嘘がバレたとしても、何とでもごまかせることを良く知っています。
③妙な納得感
あとは全員横並びでの適用だと聞かされると納得感と共に、「自分たちでこの状況を変える方法は無い」と言う無力感を植え付ける効果も有りそうですね。
まとめ
要するに上位店は下位店に年に数回酒を飲ませて、社内イベントに顔を出しておけば他の仕入元に切り替えられることは無いと思っている、と言う事です。そして2025年時点ではこれらの施策は驚くほどの効果を上げています。
ちなみに現在はメーカーが卸先に対して一方的に値上げを通知する体制を取っていますが、独禁法違反の「優越的地位の濫用」に抵触する可能性が極めて高く、これも当社で問題として取り上げていきたいと考えています。