ネットで調べれば50万円で買えるコピー機を200万円で買ってしまう中小企業経営者の心理を深堀りします。なぜネット検索すれば5秒で結果が出るのに、それを避け続けるのでしょうか?
きっかけは些細な出会い
OA機器の営業が見込み客と接触した時、初期段階で大きな利幅を獲得できる商材が無いのであれば薄利でもまずは取引を目指します。ある会社ではコピー機ではなく「コピー用紙」を販売し、直接手渡しで納品するところからきっかけを作っているそうです。
このような些細なきっかけから、2人の関係は徐々に加速していきます。最初はコピー用紙やパソコンなど必要な備品を安価に買ううちに、その営業を「信頼できる奴」と認識した結果、次に提案してきたコピー機を比較すること無くリースで月に2万円で購入してしまいます。さらにその後、全く必要が無いUTMなどセキュリティ系にまで侵食すると、恋に恋する社長は後戻り出来ません。
最初はパソコンを5台購入しただけなのに、いつの間に不用品にリースで月額8万円も支払う運命になってしまったのでしょうか。それは満足度の高い買い物をした後ではなく、冷静に振り返ると後悔してしまいそうな買い物をした時点からだと思います。
どういうことでしょうか?
例えば営業マンに提案されるままにコピー機を相場より高い月3万円でリース契約してしまったとします。
「本当に今入れ替えないといけなかったのかな・・・」
「値段は妥当なのかな?」
などと細かいことは気になったものの勢いで契約してしまったこの社長は、ネット検索すれば10秒でわかるコピー機の価格相場を購入後に調べるでしょうか?
ご想像の通り「絶対に」しません。むしろ価格相場の情報を取得することを懸命に避けます。そのメカニズムは酒や煙草をやめられない私やあなたも身に覚えがあるはずです。

タバコは健康のため?
例えばタバコ(酒、甘いもの・・・)が体を害するものと知りながら嗜む我々は、その事実にどのように折り合いをつけているのでしょうか。
「ストレス発散効果が大きく、むしろ健康に良い(?)」
「コミュニケーションのため」
などのあらゆる言い訳を動員して自分の行動に理由を付与し、自分の失敗を正当化していきます(認知的斉合性理論)。
これを書いていて少し気分が悪いのは、寒さの影響でしょう(認知的斉合性理論)。
コピー機を高額で購入してしまった顧客に当てはめると
「俺が調べもせずに契約してしまったこの営業は、信用できる(はず)」
「保守対応が他社より素晴らしい(はず)」
など、定性的な材料を総動員にして購入してしまった理由を後付していきます(価格やスペックなど定量的なものではミスが露見する)。この後は依存度は一方的に増していき、次に営業が別の商材を提案しても客は比較することなく購入することで、さらにぼったくられスパイラルを登っていきます。
客観的に御覧頂いている方には信じられないかもしれませんが、これが現実です。
悪行がバレた後の結末は?【失楽園の沼は深い】
営業の数々の悪行が顧客側に露見した後はどのような結果になるでしょうか。あくまで私の感覚ですが、購入側の担当が変わっていない場合、4割ほどはその営業との関係を断ち切りますが、残り6割ほどはあれほど怒っていた営業に対してなぜか元サヤに収まっていきます。
連想するのはDV男の謝罪をあっさり許してしまう彼女でしょうか。ここで営業がどのように口説き落としているのかは現時点では把握出来ていないので、今後の研究課題です。
顧客側の対策は?
読者様は、今のまま生きていれば大丈夫です。ネットで調べるというクセさえあれば、営業からすると悲しいほどにぼったくれない対象と言えます。
一方、本当に対策が必要な方はこのページに辿り着くような行動はしないでしょう。
時には一目惚れも悪くは無いと思いますが、尽くし過ぎにはご用心です。