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オペレーター 杏奈
3Dプリンター出力サービスの価格は数万円〜数十万円
3Dプリンター出力サービスの価格は、数万円〜数十万円と大きく幅があります。造形サイズ、素材によって大きく価格が変わります。また、後加工の有無や発注個数でも価格に差が生じます。
価格をもとに3Dプリンター出力サービスを頼む会社を検討したいなら、どういったものを、どういった用途で使いたいから造形するのか、予め決めておくと良いでしょう。
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素材と価格【汎用プラ・エンプラ・金属】
3Dプリンターで出力できる素材は、樹脂と金属です。3Dプリンターで加工できる材料は、造形方式に依存しています。
造形材料の加工の難しさと出力サービスの価格は、比例の関係にあります。例えば、熱に強いエンプラを加工する場合、材料自体の価格も高い上に加工できる装置自体の価格も高いので、出力サービスの価格も上がるのです。
また、金属加工できる3Dプリンターを所持する会社は少ないので、金属を使った3Dプリンター出力サービスを使いたいなら、選択肢は少なくなり、価格も高くなるでしょう。
例として、RICOH公式ホームページの参考価格をもとに比較してみましょう。
▼造形材料と価格の関係(RICOH公式HPより)
造形方式 | 材料 | 積層ピッチ | 価格(単体注文する場合) | 価格(10個注文する場合の1個当たり) |
FDM方式 | ABS-M30 | 0.254 mm | ¥47,000 | ¥12,900 |
光造形方式 | SCR®786 | 0.1 mm | ¥53,000 | ¥11,200 |
マテリアルジェッティング方式 | VeroClear | 0.03 mm | ¥68,000 | ¥29,500 |
SLS方式 | PA12 | 0.1 mm | ¥91,000 | ¥13,900 |
HP Multi Jet Fusion テクノロジー方式 |
PA12 | 0.08 mm | ¥70,000 | ¥15,800 |
FDM方式で加工できるABS-M30と、SLS方式で加工するPA12では価格が倍以上違います。ただ図面を実物に起こしてイメージの共有をしたいのか、治具や部品として実際に使いたいのかで、同じ3Dプリンター出力サービスでも価格が大きく変わることは覚えておきましょう。
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造形サイズと価格
3Dプリンターで大型の造形物を作るのは難しいとされています。寸法精度が低くなったり、反りが発生したりするだけでなく、大型造形では失敗したときの時間・コストのロスも大きくなってしまいます。
難易度の高い、一辺が30 cm以上になる大型部品を造形できる3Dプリンターは数が限られていて、どれも装置自体の価格が高いです。従って、大型造形を依頼するときは価格が高くなることを覚悟してください。
アルテックの公式 ホームページを参考に、サイズと価格の比較をしてみましょう。
▼造形サイズと価格の関係(アルテック公式HPより)
造形物 | 造形材料 | サイズ | 概算費用 |
ギア | ABS | 55.5 mm × 55.5 mm × 15 mm | ¥31,000 |
マウス | ABS | 100 mm × 57.5 mm × 37.1 mm | ¥49,000 |
治具 | ABS | 100 mm × 150 mm × 50 mm/ 100 mm × 150 mm × 50 mm | ¥185,000 |
ホイール | ABS | 482 mm × 482 mm × 135 mm | ¥330,000 |
アルテックでは、一辺15cm程度までならば体積が大きくなるにつれて一次関数的に価格が上がっていきますが、一辺30 cmを超えると価格が一気に跳ね上がるようです。
他にも、3Dプリンター出力サービスの価格を1 cm3あたり〇〇円、と定めているところもあります。
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【価格以外】3Dプリンター出力サービスの比較ポイント
3Dプリンター出力サービスを選ぶときは価格を気にしてしまいがちですが、他の比較ポイントをいくつかご紹介します。
寸法精度
例えば、3Dプリンターで出力した部品を使って嵌合性のチェックを行いたいと考えているならば、寸法精度が低い装置で出力した部品ではあまり意味がありません。反対に、ざっくりとイメージを共有するのが3Dプリントの目的なら寸法精度が低くても問題ないでしょう。
目的に合わせて、必要な寸法精度は変わってきます。3Dプリンターは価格と性能が比例しがちなので、高い精度が必要なら、ハイエンドな機種を取り扱っている会社で3D出力サービスをお願いするのが良いでしょう。
納期
3Dプリンター出力サービスの納期は様々です。すぐに使いたい部品や治具の製作依頼や、デザインのイメージを具現化するための依頼であれば、納期は短いに越したことはありません。見積りが早い業者や、年中無休の業者を選ぶと良いでしょう。
3Dプリンターを実際に購入するか検討するためのモデルとして出力サービスを利用するなら、納期はあまり重要ではないかもしれません。
サービスの充実度
例えば、3D CADデータがなくても2Dの図面で造形可能なサービスのある会社もあれば、どういった素材・造形方式を選べば良いのか分からない方向けに相談に乗ってくれるサービスが充実している会社もあります。
出力サービスを利用したのち3Dプリンターの購入をしたいなら、3Dプリンターを取り扱っている商社の3D出力サービスを利用すると、スムーズに導入できます。
3Dプリンター出力サービスを利用するのが初めてならば、こういったサービスの違いで会社を選ぶのもおすすめです。
企業向けの3Dプリンター出力サービス業者おすすめ5選
3Dプリンター出力サービスを行なっている企業を5つご紹介します。それぞれ料金体系や使用可能な素材が違いますので、要望に合わせてご検討ください。
UAM3D(日本3Dプリンター)
樹脂から金属、単品試作や小ロット生産まで対応
出典:日本3Dプリンター公式
日本3Dプリンターの出力サービスUAM3Dでは、樹脂や金属など全部で9種類から使用する材料を選べます。対応可能な材料は、アルミニウム、ステンレス、マルエージング鋼、チタニウム合金64、ニッケル超合金625、ニッケル超合金718、ナイロン2200、ナイロン12、カーボン。
豊富なサービスもUAM3Dの魅力です。造形後は着色やスプレー塗装、不動態化、メッキなど幅広い後処理を依頼可能。自社内で後処理までしてくれるので、発注から受け取りまで短納期かつ低価格で済ませられます。他にも、造形後の製品を測定したレポートを同封するサービスや、リバースエンジニアリングも受け付けています。
納品物受領から5営業日経過後には、3Dデータを含む渡した資料を全て消去してくれます。図面を外部へ出すことに抵抗のある企業の方も安心して利用できます。
RICOH
オプションメニューも豊富!豊富な造形方式と材料の中から選べる
出典:リコー
造形材料や加工方式に明確な希望を持っている方、もしくは全く知見がない方には、熟練の技術者が対応してくれるRICOHの3D出力サービスがおすすめ。豊富な加工方法や造形材料の中から、希望の用途に合わせて最適な提案をしてもらえます。
3Dプリンターで造形するときはCADデータをSTLデータへ変換する必要があります。STLデータは一見問題ないように見えても、データエラーが潜んでいることも多いです。RICOHの3Dプリンター出力サービスでは、STLデータへの変換とデータ修正のサポートがついているため、CADデータの作成に不安がある方でも安心です。
また、セキュリティーレベルが高いため、データのお預けも安心。造形物の納品後には預けたデータを責任をもって消してくれます。
インターカルチャー
SOLIZEが運営!注文まで最短3分、発送まで最短3日と早い!
出典:インターカルチャー
インターカルチャーは、1990年に日本で初めて3Dプリンターを導入したSOLIZEが運営している会社です。インターカルチャーでは申込者自身が3Dデータを作る必要がありますが、その分価格は安く、納期も短くなっています。
見積もりから3Dデータ評価まで自動で行うことができるため、注文完了まで最短で3分とかなりスピーディ。価格の把握を行いたい方、早く造形物を入手したい方には特におすすめです。
光造形方式、粉末造形方式、インクジェットUV硬化方式に対応しています。
アルテック
スーパーエンプラ・金属で造形可能!ハイエンド機種を多数保有!
出典:アルテック
アルテックではStratasys、DesktopMetal、Massivitのハイエンド機種を多数保有しているので、加工が難しいスーパーエンプラも高精度・高精細で造形できます。
ハイエンド機種を保有する業者に出力サービスをお願いするメリットは、購入すれば数千万円する機種で作った造形物の出来具合を確かめられる点です。
3Dプリンターで作った部品や治具が実用に耐えうるかどうかは、実際に作ってみなければ分かりません。ハイエンド機種の導入を検討している方には、出力サービスを利用して一度試してみるのがおすすめです。
アルテックでは出力サービス利用後、自社導入を検討したいというユーザーへのサポートも充実しています。高価な機種を購入するか悩んでいる方にぴったりのサービスになっています。
JMC
法人限定で無料造形サービスあり!徹底したスピード対応が魅力
出典:JMC
1999年から試作品を中心とした3Dプリンター事業を行なっているJMCでは、20年以上蓄積したノウハウをもとに、短納期・高品質であらゆるオーダーに対応しています。
JMCの納品の速さは業界最速級。平日の営業時間内なら1時間以内に3Dプリンター出力に関する見積もりの回答が返ってきます。さらにリードタイムを短縮するため、工場を年中無休で稼働させているので、連休前に発注したものを連休明けすぐに受け取ることができるようになっています。
さらに法人限定ではありますが、3Dプリンター無料造形サービスを行なっています。一辺50mm未満のものであれば、光造形、粉末焼結造形、石膏粉末造形の3種類のいずれかで無料造形してもらえます。気になる方は、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 3Dプリンター出力サービスの価格は数万円〜数十万円
- 3Dプリンター出力サービスでは、造形材料・造形サイズによって価格が大きく変わる
- 価格の他に、納期、精度、サービスの充実度で業者を選ぶのもおすすめ