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業務用3Dスキャナーの価格を比較【高精度・高解像度】
業務用の3Dスキャナーの価格は、一般的に高額で100万円以上することがほとんどです。家庭用の3Dスキャナーならもう少し手軽な値段で購入できますが、精度・解像度が低く、リバースエンジニアリングや測定には使えない場合も。
ただし、3Dスキャナーの購入時に「大は小を兼ねる」と、高額すぎる3Dスキャナーを選ぶのはあまりおすすめできません。用途に対して精度や解像度が高すぎると、データ取得に必要以上に時間かかる上、データも重くなって扱いにくくなってしまいます。きちんと用途を考えた上で、必要十分な性能をもつ業務用3Dスキャナーを選ぶようにしましょう。
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価格別!業務用の3Dスキャナーおすすめ10選
それでは早速、業務用3Dスキャナーのおすすめ商品を、価格別にご紹介します。業務で使うけれど家庭用レベルの3Dスキャナーでも良い、という場合には「家庭用3Dスキャナー」記事を参考にしてください。
100万円未満
まず100万円未満で購入できる業務用の3Dスキャナーを2つご紹介します。
Revopoint 3D「POP 2 3Dスキャナー」
プロレベルの品質なのに10万円未満!2022年最新モデル
Revopoint 3DのPOP 2 3Dスキャナーは、全世界で5万人以上のユーザーがいる前作の改良版として、クラウドファンディングを活用して作られました。
最大0.05mmの精度に解像度0.15mmと高い性能を持ち、用途によっては産業用でも十分な役割を果たせるでしょう。ハンディタイプと卓上の2wayで使えるのも便利です。
スキャナ本体はわずか195gとかなり軽量。無料ソフトウェアは完全日本語対応で、Windows、Mac OS、Android、iOSのすべてにインストールできるなど、とても使いやすくなっています。業務用に3Dスキャナーをお試しで導入してみたいなら、まず検討したい1台です。
▼POP 2 3Dスキャナー スペック詳細
メーカー | Revopoint 3D | メーカー本社 | 香港 |
タイプ | 非接触/ハンディ | 価格 | ¥ 95,900(税込) |
スキャン精度 | 0.05 mm | スキャン解像度 | 0.15 m |
最小スキャン量 | 20×20×20 (mm) | スキャンスピード | 最大10 fps |
光源 | 赤外線レーザー | 出力データ形式 | PLY、OBJ、STL |
本体サイズ | 1,546 x 382 x 256 mm3 | 本体重量 | 0.195 kg |
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Revopoint POP 2 3Dスキャナー【安い&高精度】
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▼MINI 3Dスキャナー スペック詳細
メーカー | Revopoint 3D | メーカー本社 | 香港 |
タイプ | 非接触/ハンディ | 価格 | ¥ 129,999(税込) |
スキャン精度 | 0.02 mm | スキャン解像度 | 要問い合わせ |
最小スキャン量 | 10×10×10 (mm) | スキャンスピード | 最大10 fps |
光源 | ブルーライト | 出力データ形式 | PLY、OBJ、STL |
本体サイズ | 120 x 38.5 x 25 mm3 | 本体重量 | 0.160 kg |
Revopoint POP 2 3Dスキャナー【安い&高精度】
日本3Dプリンター「EinScan-SP」
白色光LEDを使用したデスクトップタイプ!フルカラーテクスチャにも対応!
出典:日本3Dプリンター公式
日本3DプリンターのEinScan-SPは精度0.05 mmと高い性能を誇っています。ただし、解像度(ポイント間隔)は0.17 mmで、細かな質感を検出するには少し不向きかもしれません。
最大スキャンサイズはフリースキャンモードで700mm × 700mm × 700mmと小さめ。小さな部品やフィギュアの一部をスキャンするのに向いています。
▼EinScan-SP スペック詳細
メーカー | 日本3Dプリンター | メーカー本社 | 日本 |
タイプ | 非接触/卓上 | 価格 | ¥ 498,000(税別) |
スキャン精度 | 0.05 mm | スキャン解像度 | 0.17 – 0.2 m |
スキャン可能サイズ | 1,200 mm | スキャンスピード | 4 s 以下 |
光源 | 白色LED | 出力データ形式 | OBJ、STL、ASC、PLY |
本体サイズ | 570 x 210 x 210 mm3 | 本体重量 | 4.2 kg |
100万円以上
次に100万円〜1000万円ほどで購入できる業務用の3Dスキャナーを8つご紹介します。どれも産業用レベルで高性能 !用途に合わせてぴったりの1台を選びましょう。
日本3Dプリンター「EinScan Pro HD」
暗い金属や鋳物の表面がスキャンしやすい!ハンディタイプなのに固定スキャン並みのスキャン精度!
出典:日本3Dプリンター公式
EinScan Pro HDは新しいプロジェクターとソフトウェアアルゴリズムにより、従来の3Dスキャナーでは苦手としていた暗い色の対象物や、反射のある金属表面でも広範囲のスキャンができるようになりました。
ハンドヘルドスキャンモードでは、1秒間に最大3,000,000ポイント(10fps)を取得可能。オプションで、カラーモジュールや三脚+ターンテーブルを付けることもでき、ニーズに合わせて使い分けられます。
精度は最大0.04 mmで解像度(ポイント間隔)は0.2 mm 〜 3 mmと産業用にも十分な性能を持っていますが、もっと高い解像度が良い方には次にご紹介するEinScan HXもあわせてご検討ください。
▼EinScan Pro HD スペック詳細
メーカー | 日本3Dプリンター | メーカー本社 | 日本 |
タイプ | 非接触/ハンディ | 価格 | ¥ 1,309,000(税込) |
スキャン精度 | ハンドヘルドHDスキャン:0.045 mm ハンドヘルドRapidスキャン:0.1 mm 固定スキャン:0.04 mm |
スキャン解像度 | ハンドヘルドHDスキャン:0.2 mm 〜 3 mm ハンドヘルドRapidスキャン:0.25 mm 〜 3 mm 固定スキャン:0.24 mm |
スキャン可能サイズ | 209 mm x 160 mm 〜 310 mm x 240 mm | スキャンスピード | ハンドヘルドHDスキャン:10fps ハンドヘルドRapidスキャン:30 fps 固定スキャン:0.5秒以下 |
光源 | LED | 出力データ形式 | OBJ、STL、ASC、PLY、P3、3MF |
本体サイズ | 370 x 365 x 135 mm3 | 本体重量 | 1.25 kg |
日本3Dプリンター「EinScan HX」
EinScan Pro HDでは物足りない方に!ブルーレーザーとLEDのデュアル光源
出典:日本3Dプリンター公式
EinScan HXでは、ブルーレーザーとLEDの2つの光源を利用できます。ブルーレーザーとLEDのハイブリッドにより、EinScan HXは幅広いニーズに対応できるようになりました。例えば、ブルーレーザーによるスキャンでは周囲の光の影響を受けにくいため、反射のある暗い色の表面でも高精度・高解像度で読み取れます。
人間工学に基づいたデザインが採用されているほか、710gと軽量でポータブル3Dスキャナーとして非常に優れています。さらにカラーカメラが内蔵されているため、テクスチャの取得ができるだけでなく位置合わせをテクスチャで行え、使いやすい設計になっています。
精度は最大0.04 mmで解像度(ポイント間隔)は0.05 〜 3 mmとかなり高性能。Rapidスキャンモードでは最大120万ポイント/秒と、スピーディーで高効率なスキャンができます。
▼EinScan HX スペック詳細
メーカー | 日本3Dプリンター | メーカー本社 | 日本 |
タイプ | 非接触/ハンディ | 価格 | ¥ 2,035,000(税込) |
スキャン精度 | Rapidスキャン:0.05 mm レーザースキャン:0.04 mm |
スキャン解像度 | Rapidスキャン:0.25 〜 3 mm レーザースキャン:0.05 〜 3 mm |
スキャン可能サイズ | Rapidスキャン:420 mm x 440 mm レーザースキャン:380 mm x 400 mm |
スキャンスピード | Rapidスキャン:20 fps レーザースキャン:55 fps |
光源 | Rapidスキャン:LED レーザースキャン:7本のブルーレーザー |
出力データ形式 | obj、stl、asc、ply、p3、3mf |
本体サイズ | 108 x 110 x 237 mm3 | 本体重量 | 0.710 kg |
Leica Geosystems「Leica BLK360」
ボタンを押すだけで簡単測量!空間の3Dデータ取得に最適!
出典:Leica公式
Leicaは、カメラ好きなら知らない人はいないドイツの光学機器メーカー。スイス東部に拠点を置くLeica Geosystemsは、測量と地理的測定のための製品とシステムを製造しています。
Leica BLK360は360°のレーザー距離計と高解像度のパノラマイメージングを用いて、空間の3D点群データを生成します。産業用としては、建築や測量などの実用的な用途に最適です。
バッテリー内蔵でデータ送信も無線なので、撮影作業にケーブルが要りません。屋外での使用が多いことが予想されるLeica BLK360ですので、コンパクトでかなり使いやすいと言えるでしょう。
▼Leica BLK360 スペック詳細
メーカー | Leica Geosystems | メーカー本社 | スイス |
タイプ | 非接触/据え置き | 価格 | ¥ 2,636,300 |
距離精度 | 4 mm @ 10 m / 7 mm @ 20 m | スキャン解像度 | 不明 |
スキャン可能サイズ | 最小 0.6 ~ 60 m | スキャンスピード | 360,000 点/秒 |
光源 | 830 nmレーザー | 出力データ形式 | 不明 |
本体サイズ | 直径100 mm x 高さ165 mm | 本体重量 | 1 kg |
Artec「Artec Space Spider」
温度安定化機能に優れた、長時間スキャン向きの1台
出典:Artec公式
Artec Space Spiderは、青色LEDライトを搭載した高精度・高解像度の3Dスキャナーです。CADユーザーやエンジニアをターゲットにしており、複雑な形状やシャープなエッジ、細い棒状のフォルムもスキャンできるような高いスキャン技術を持った装置です。
Artec Space Spiderはもともと国際宇宙ステーションで使用されるために開発されました。一般的に非接触式の高精度3Dスキャナーは、±5℃ 以上の温度変化があればキャリブレーションをしなおす必要がありますが、Artec Space Spiderは温度安定化機能と高度エレクトロニクスが発達しており、使用環境の変動に影響を受けることなく、長期間安定してスキャンできます。
▼Artec Space Spider スペック詳細
メーカー | Artec 3D | メーカー本社 | ルクセンブルク |
タイプ | 非接触/ハンディ | 価格 | ¥ 3,200,000(税別) |
スキャン精度 | 0.05 mm | スキャン解像度 | 0.1 mm |
スキャン可能サイズ | 90 mm x 70 mm 〜 180 mm x 140 mm | スキャンスピード | 1,000,000ポイント/秒 |
光源 | 白6連LED、青色 LED | 出力データ形式 | OBJ、PLY、WRL、STL、AOP、ASC、PTX、E57、XYZRGB、STEP、IGES、X_T、CSV、DXF、XML |
本体サイズ | 190 x 140 x 130 mm3 | 本体重量 | 0.8 kg |
Artec「Artec Micro」
小型機械部品、宝飾品、歯科用におすすめ!高精度デスクトップ3Dスキャナ
出典:Artec公式
Artec Microは、手のひらより小さいサイズのサンプルを超高精度で測定するのに最適なデスクトップ型3Dスキャナーです。
測定可能サイズが限られてしまうため、小型機械部品や宝飾品、歯科などの産業用になるでしょう。最大精度10 μmと人間が触ってわかる限界値に近いところまで測定できるので、サイズさえ合えば品質検査やリバースエンジニアリングにも使えます。
操作もワンボタンのみで完全自動化されていて使いやすく、ハンディ型では再現できないような微小形状まで確実に取り込み、3Dデータ化できるのが魅力です。
▼Artec Micro スペック詳細
メーカー | Artec 3D | メーカー本社 | ルクセンブルク |
タイプ | 非接触/卓上 | 価格 | 要問い合わせ |
スキャン精度 | 0.01 mm | スキャン解像度 | 0.029 mm |
スキャン可能サイズ | 324,000 mm3 | スキャンスピード | 1,000,000ポイント/秒 |
光源 | RGB LED、青色LED | 出力データ形式 | OBJ、PLY、WRL、STL、AOP、ASC、PTX、E57、XYZRGB、STEP、IGES、X_T、CSV、DXF、XML |
本体サイズ | 290 x 290 x 340 mm3 | 本体重量 | 12 kg |
Artec「Artec Leo」
後処理機能も内蔵した、便利すぎる次世代型3Dスキャナ
出典:Artec公式
ArtecのArtec LeoはPC機能やバッテリー、タッチパネルスクリーン、ジャイロを内蔵した世界初「一体型の3Dスキャナー」で、ビデオを撮るような気軽さで3Dデータを取得できる画期的な製品です。
対象物をスキャン中、リアルタイムで計測中の3Dモデルをタッチパネルスクリーン上に表示できます。スキャンデータを回転させ、全エリアを確認できるため、取り残しがある場合はすぐに再度スキャンでき、無駄がありません。
ARTEC Leoは広角レンズを搭載しているため広いエリアの計測もお手のもの。作業範囲は0.35〜1.2 mと広めです。小型機械部品や人体、自動車など様々なものをスキャンできそうです。リバースエンジニアリング、工業生産や品質管理での測定でも使用できますが、精度0.1 mm、解像度0.2 mmと他のArtec製品より少し正確性は落ちてしまうのでご注意ください。
▼Artec Leo スペック詳細
メーカー | Artec 3D | メーカー本社 | ルクセンブルク |
タイプ | 非接触/ハンディ | 価格 | 450万円〜 |
スキャン精度 | 0.1 mm | スキャン解像度 | 0.2 mm |
スキャン可能サイズ | 0.16 mm3 | スキャンスピード | 35,000,000ポイント/秒 |
光源 | 白12連LED、VCSEL | 出力データ形式 | OBJ、PLY、WRL、STL、AOP、ASC、PTX、E57、XYZRGB、STEP、IGES、X_T、CSV、DXF、XML |
本体サイズ | 231 x 162 x 230 mm3 | 本体重量 | 2.6 kg |
キーエンス「VL-500」
360°全方位3D スキャニングが可能!死角のないスキャニング
出典:キーエンス公式
使いやすさに定評があるキーエンスからも業務用3Dスキャナーが販売されています。高精細モードなら精度は0.01 mm、最大1600万点のデータが取得可能。CMOSカメラにより色情報も見たままスキャンできます。
新型Smart stageを搭載しているため、ワークサイズを自動認識してくれるのも便利。すわりが悪く、ぐらつきやすい対象物でもステージに置くだけで簡単に測定できます。
VL-500では、取得したデータをもとにした分析も簡単です。CADデータをもとに設計値との違いを評価したり、製品同士の測定値の違いを分析することも可能。断面測定もこのVL-500だけでできるので、1台導入すれば多様な部署で役に立つでしょう。
▼VL-500 スペック詳細
メーカー | キーエンス | メーカー本社 | 日本 |
タイプ | 非接触/卓上 | 価格 | 要問い合わせ |
スキャン精度 | 0.01 mm | スキャン解像度 | 不明 |
スキャン可能サイズ | 低倍:φ300 mm x 高さ 200 mm 高倍:φ70 mm x 高さ 50 mm |
スキャンスピード | 不明 |
光源 | 青色LED、RGB LED | 出力データ形式 | 不明 |
本体サイズ | 782 x 990 x 860 mm3 | 本体重量 | 53.8 kg |
Artec「Artec Ray」
100m以上離れていてもスキャン可能!長距離用3Dスキャナー
出典:Artec公式
Artec Rayは風力タービンや船のプロペラ、飛行機、建物などの大型オブジェクトもスキャン可能な産業用3Dスキャナーです。室内だけでなく屋外でも使用できるので、幅広い用途で役立ちます。
精度0.7 mmと長距離3Dスキャナーの中では高精度で、ノイズも少ないため、スキャン後の後処理も手間が少なくて済みます。最長4時間使えるバッテリーを内蔵しているため、現場で使いやすくなっています。
本体サイズも1辺300 mm未満、重量も5.74 kgと比較的小型なので、持ち運びやすいのも魅力の1つです。
▼Artec Ray スペック詳細
メーカー | Artec 3D | メーカー本社 | ルクセンブルク |
タイプ | 非接触/据え置き | 価格 | 要問い合わせ |
範囲誤差 | <0.7 mm@15m | スキャン解像度 | 不明 |
スキャン可能サイズ | 最大110 m | スキャンスピード | 208,000ポイント/秒 |
光源 | 1550 nmレーザー | 出力データ形式 | 不明 |
本体サイズ | 287 x 200 x 118 mm3 | 本体重量 | 5.74 kg |
業務用の3Dスキャナーの比較ポイント
業務用の3Dスキャナー選びで失敗しないために重要なポイントをまとめました。
オペレーター 杏奈
用途
産業用に3Dスキャナーを導入しようと思ったら、まず用途を明確にしましょう。代表的な用途としては、リバースエンジニアリングまたは出来上がり品の測定が挙げられます。この2つなら、測定の精度基準のほうが厳しくなりますので、価格も高価になりがちです。
「リバースエンジニアリングができればいい」のか、「3D測定で3D CADデータとの数値を比較したい」のか、用途を明確にしてから検討を始めましょう。
測りたいもののサイズ
例えば、橋や飛行機など巨大なものを業務用3Dスキャナーでスキャンしたい場合と、精密機器の部品をスキャンしたい場合では、選ぶべき3Dスキャナーは異なります。
スキャンする対象物が大きい場合、ハンディタイプの非接触式3Dスキャナーを使うのが一般的です。ただし、建築物など巨大なものを測定する場合は、専用の産業用3Dスキャナーを使用します。
スキャンする対象物が小さく、精度が求められる測定や検査をするには、接触式3Dスキャナーや据置タイプの非接触式3Dスキャナーがおすすめです。
- 据え置きタイプ:影になる部分は測定できない。
- ハンディタイプ:自由に測定できるが手ぶれが起きる。
- 接触式:探針で対象物に触れることで測定する。探針の先端より小さい凹凸は測れない。時間がかかる。
- 非接触式:非破壊で測定できる。対象物に、光またはレーザーを照射することで測定する。細かい質感情報を得るのは苦手。
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精度
3Dスキャナーの精度が高い(=数値が小さい)ほど、より現物の再現度が高い精巧な3Dデータを作成できます。ところが、精度と測定範囲と価格はトレードオフの関係にあるため、やみくもに精度の高い3Dスキャナーを選ぶことはおすすめできません。
業務用・産業用での使用では、精度0.05mm以下の3Dスキャナーを高精度だと考えれば良いでしょう。精度が高いため測定範囲がかなり限定され、10cm立方程度のことも。
3Dスキャナーの精度には、メーカーごとに「長さの精度」「点群のバラつき精度」「繰り返し測定の精度」など独自の表現を使って表しています。この理由は、メーカーごとに異なる条件(撮影環境やレンズ)を使用して性能評価をしているため。実際にスキャニングしたらカタログに記載された性能が出ない、ということも起こりうるので、可能なら購入前に3Dスキャナーをレンタルして使ってみるのがおすすめです。
解像度
精度とともに検討すべきなのが解像度です。解像度が高いほど、より詳細でなめらかな3Dデータを取得できます。
3Dスキャンしたデータは点群データとして出力されますが、解像度とはこの点と点の間隔を表したものです。解像度が高いほど点数は増え、データが重くなってデータ処理に時間がかかってしまいます。
使いやすさ(速度、サイズ、持ち運び性)
3Dスキャナー購入後、宝の持ち腐れにならないために重要なのは使いやすいかどうか。使用手順が煩雑だったり、ハンディなのに重すぎたりすれば、どれだけ性能が良くても面倒で使わなくなってしまいます。
特にハンディタイプの3Dスキャナーを選ぶ場合、サイズと重さは要チェックです。ハンディタイプのメリットは、据え置き型ではレーザー・光が届きにくいところの測定がしやすいことですが、3Dスキャナーの重量が1kgを超えると、3Dスキャナーを持ってあらゆる角度で測定し続けるのは難しいでしょう。
価格
産業レベルで高精度な3Dスキャナーは高価なものがほとんどです。今回ご紹介した3Dスキャナーの価格も、平均341万。気軽に購入するには少し高い、と感じる方がほとんどでしょう。
もちろん、家庭用含め低価格の3Dスキャナーも多く販売されていますが、品質とのバランスを見極めてから購入しましょう。精度や解像度が低い・操作がややこしい・誤作動が多いなど、業務には使いにくい商品かもしれません。
使ってみたい3Dスキャナーが見つかったら、レンタルサービスがあるか調べてみるのも一手。一度使えば、自分達の用途に必要な精度・解像度も見えてきます。
サポート体制
業務用に3Dスキャナーを購入するなら、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。購入後のサポート内容はメーカーによって異なるので、サポートの手厚さで3Dスキャナーのメーカーを選ぶのも良いでしょう。
故障や不具合への対応、バージョンアップ、トレーニングサービスなどが充実しているか、購入前に一度チェックしてみてください。
まとめ
- 業務用3Dスキャナーは高額なものがほとんど。今回ご紹介した3Dスキャナーの平均金額は341万円。
- 業務用に3Dスキャナーを導入したいなら「リバースエンジニアリングが出来れば良い」のか「3D測定で3D CADデータとの数値を比較したい」のか、用途を明確にしてから検討すること。
- 精度と測定範囲と価格はトレードオフの関係にある。やみくもに精度の高い3Dスキャナーを選ぶことはおすすめできない。
紹介した業務用3Dスキャナーのまとめ
- Revopoint 3D「POP 2 3Dスキャナー」
- 日本3Dプリンター「EinScan-SP」
- 日本3Dプリンター「EinScan Pro HD」
- 日本3Dプリンター「EinScan HX」
- Leica Geosystems「Leica BLK360」
- Artec 3D「Artec Space Spider」
- Artec 3D「Artec Micro」
- Artec 3D「Artec Leo」
- キーエンス「VL-500」
- Artec 3D「Artec Ray」
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