ベテランGメン園川
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一番気になるのが本体プラスチックの粗末さです。
この種の機械は年々作りかお粗末になっている気がします。
印刷の仕上がりや静音性などの機能は良くなっているのでしょうが、
日ごろの使用感としてはそう違いは感じません。
1~2か月前だったか、本体読み取り面のふた部分の開閉がおかしくなり業者さんに見てもらうと、
部品が摩耗しておかしくなったとのことでした。
まだ1年経っていなかったのですが。
新人Gメン及川
ベテランGメン園川
複合機のエンジニアをしております、sakuraです。というわけで、今回は富士ゼロックスの複合機をご使用しているユーザーさんからいただいた口コミを元に、コピー機の部品の耐久性に関する実情について解説したいと思います。
DocuCentre-V C2263はどういう機械か?
以前、別のGメンがDocuCentre-V C2263についての記事を投稿していますので、スペック等はそちらを参考にしていただければわかりやすいと思います。
ゼロックスの機械をよく直しているセールスエンジニアの私の立場としては、「官公庁や大学などのラージオフィスに75枚機など高速の機械を入れることに強みのあるゼロックスが、中小規模のオフィスでも設置台数を増やしたいという意図で開発された小型複合機のシリーズ」という印象があります。詳しくは下の記事でも取り上げています。
部品は以前と比較してチープになっている!?
さて、本題なのですが、残念なことに、エンジニアの立場で見ていても、部品は古い機種と比較してチープになってきているのは事実です。
チープとは……
英語で「cheap(安い・安っぽい)」という意味の外来語です。安っぽい作りだったり、高級感が感じられないようなときに使われます。
本体や部品がチープになることによって、以前の機種では起こることのなかった故障やトラブルも頻発しているのです。そんなトラブルをいくつか紹介してみたいと思います。DocuCentre-V C2263を使用している方が読者の中でいらっしゃいましたら、自分のところの機械で同一のトラブルが起こったことがないか、確認してみてください。
自動原稿送り装置のフタ
口コミをいただいたユーザーさんもおっしゃっていた、
このトラブルです。これは、自動原稿送り装置の、原稿を送り込む部分のフタが歪むトラブルで、実はかなり多くのユーザーで見られる現象です。この開閉がおかしくなることによって紙詰まりをしたりエラーが出たりというトラブルが発生することは少ないのですが、見た目が最悪なのでユーザーが気にされる可能性が高いです。
この図の白い部分が歪んでいるように見えるのですが、実は自動原稿送り装置のフレームのほうが歪んでいるため、白い部分が歪んでいるように見えてしまうのだと思われ、この白い部分を交換してもあまり意味がないと聞いたことがあります。そのため、歪みや開閉の不具合が発生した場合は、潔く原稿送り装置本体を交換してしまうこともあります。
自動原稿送り装置を含む複合機のフタの脚
赤い丸で囲った部分が、自動原稿送り装置と複合機本体を繋ぐ脚の部品なのですが、最近の機種になってから構成されている多くの部品がプラスチック製になってしまい、破損が目立つようになってしまいました。私が担当しているユーザーの機械では、開閉することが多いせいか、脚と脚を入れる部品が割れてしまい、該当の部品を交換することになりました。今までこのような部品を交換する機種がなかったので、とてもびっくりした記憶があります。
トレイ奥の歯車
上の図は各トレイを引き出している図なのですが、このトレイのさらに本体側に、トレイの底を持ち上げるプラスチック製の歯車があります。これがよく割れやすくて困りものでした。なぜ破損するのかと言うと、小さいプラスチックの歯車で、トレイに入っている重い用紙の束を持ち上げる必要があるからなのです。なぜ負荷のかかる部分の部品にプラスチックだけでできたものを採用してしまったのか、疑問に思いながらよく交換をしていました。
なぜチープな部品になってしまったのか?
コストカット、製造工程の簡略化
ウワサとして聞いたことがあるのが、やはりコストカットや製造工程の簡略化です。鉄板でフレームを作ったり部品を生成するより、プラスチックで作るほうがコストを削減でき、製造工程を簡略化できるという仕組みらしいです。そのあたりの事情はぜひ開発部門の方に聞いてみたいのですが……。でも、コストカットすることによって作られた部品によってクレームが発生したり、ユーザーを失っていたとしたら、それこそ本末転倒な話なので、現場の声を大切にしてほしいなとも思うのです。
問題が多い場合、検証をして対策の部品や対応策がリリースされます
とは言うものの、もちろんトラブルが多い部品に対しては、現場から提出される壊れた部品や情報を元に、対策部品や対応策のリリースがなされます。例えば、上で挙げたトレイ奥の部品も、ユーザーから「なぜこんなに短期間で壊れるんだ」というクレームが発生し、開発に対応を求めたところ、プラスチックの歯車に鉄製の部品を組み合わせたものが対策部品としてリリースされ、徐々にその部品に置き換わっていっています。
【まとめ】今までで一番リアルな解説をしました
今まで当サイトで色々な記事を書かせていただいてきましたが、一番現場の経験を踏まえたリアルな話を今回させていただいてしまいました。エンジニアとして実際に直しているものや、部品の実情などにも触れているため、偉い人から怒られないか少し心配です(笑)。ですが、今回の口コミをいただいて、「困っている人がいるなら、書く意味がある」と思いながら、記事にしました。読んでいる皆さんで、営業やエンジニアにも言えないお困りごとがありましたら、ぜひ当サイトまでお寄せください。