【コピー機のランキング】J.D.パワーの顧客満足度調査とは?

  • 公開日:2019年06月05日
  • 複合機情報
【コピー機のランキング】J.D.パワーの顧客満足度調査とは?
「J.D.パワー」って何なん?なんか技でも出すん?

新人Gメン及川

 

ベテランGメン園川

J.Dパワーは、名前もかっこいいですが、コピー機の会社にとってかなり重要なことをしているんですよ。

 

複合機のメンテナンスを担当しています、sakuraです。

複合機を実際に使っている人たちが、どれくらい機械に対して満足しているか気になりますよね。そこで今回は、J.D.パワーの顧客満足度調査についてお話したいと思います。

 

 

顧客満足度調査って何?

商品の品質やサービスに対して、消費者がどれくらい満足しているかを数値化し、ランキングにしたものです。つまり、「何がたくさん売れているか」という売れ筋ランキングではなく、商品やサービスを利用している人たちがどれくらい満足しているのかを企業ごとにランキングにした、満足度ランキングなのです。その調査を行っているコンサルティング会社にJ.D.パワー(株式会社J.D.Power Japan)があります。

 

 

J.D.パワーってどんな会社?

J.D.パワーのホームページにこのような記述があります。

J.D. パワーは50年前から、世界各地の様々な業界の商品の品質やサービスに対する“消費者の声”を専門に調査している世界最大規模の調査・コンサルティング機関です。
毎年、世界50カ国以上で数百万人にのぼる消費者やビジネス・ユーザーを対象に、品質や顧客満足に関するシンジケート調査を実施し、独自の集計手法でユーザーの顧客度合いや購入利用経験を正確に測定・指数化しています。

引用:J.D. パワーとは? | チェックCS by J.D. Power http://jdpower-japan.com/about/

 

つまり、消費者の声を集計して数値化し、同業他社と比較してランキングを作成し公表してくれる会社なのです。

J.D.パワーの2018年度の調査では、自動車や保険、クレジットカードなどの金融商品、携帯電話などの通信サービス、ホテルなどのトラベル関連企業、法人向けサービスなど多種多様な商品やサービスに対する調査が行われており、この内法人向けサービスの調査項目として、複合機やプリンターの顧客満足度調査が行われています。

 

 

J.D.パワーのランキングを見てみよう!

今回は、多岐に渡るJ.D.パワーの調査のうち、複合機やプリンターに関係する3つの項目について、2018年のデータを詳しく見ていきたいと思います。ちなみに2019年度のデータは7月に公開予定だそうです。

 

 

カラーコピー機顧客満足度調査

ラージ&ミドルオフィス市場部門

ラージ&ミドルオフィス市場部門は、従業員数30名以上の企業を対象とした市場調査で、いわゆる中規模企業から大企業を対象とした調査のランキングです。

  1. 富士ゼロックス
  2. キャノン、リコー(2社同率)

1位の富士ゼロックスは「商品」に対する満足度がトップスコアで、総合ランキングで1位を獲得しました。昔から富士ゼロックスは大企業や官公庁、教育機関に強みがあります。その市場で「商品」に対するユーザーの満足度を得られたことが、1位獲得に繋がったようです。

一方、キャノンは「営業・導入対応」で、リコーは「保守サービス」でそれぞれトップスコアを得ています。それぞれ強みが分散しており、ランキングも拮抗していたようです。

 

スモールオフィス市場部門

スモールオフィス市場部門は、従業員数5名以上30名未満の企業を対象とした市場調査で、いわゆる中小企業を対象とした調査のランキングです。

  1. キャノン
  2. 富士ゼロックス
  3. リコー

1位となったキャノンは、「営業・導入対応」「保守サービス」の2つのファクターでトップスコアを得ました。確かにキャノンは小規模オフィスに強みがあるイメージがありますね。一方、2位の富士ゼロックスはスモールオフィス市場では他メーカーに遅れをとっているのは事実で、その分野へのテコ入れが始まっているという裏話があります。

 

カラーレーザープリンター顧客満足度調査

  1. リコー
  2. 富士ゼロックス
  3. キャノン

カラーレーザープリンターは、「コスト」「保守サービス」の2つのファクターにおいてトップスコアを得たリコーが総合1位を獲得しました。コピー機のラージ&ミドルオフィス市場部門でもリコーは「保守サービス」でトップスコアを獲得しており、保守に対して力を入れていることが読み取れますね。

 

法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査

このランキングは、テクニカルサポートコールセンターの満足度を調査したもので、「電話のつながりやすさ」「問題解決や対応に要した時間」「応対の丁寧さ」「製品知識」など、テクニカルコールセンターの応対品質に関する7つの評価項目を設けています。

そのうち、コピー機・プリンター部門のコールセンターのランキングがこちらです。

  1. 富士ゼロックス
  2. 大塚商会
  3. リコー

「電話のつながりやすさ」「問題解決や対応に要した時間」など、トラブル解決に対する迅速性が高評価に繋がっており、富士ゼロックスは総合で1位を獲得しました。

確かに、トラブルが発生してもコールセンターのスタッフが電話で回答して解決してくれることも多く、エンジニアはコールセンターにとても助けられています。ただ、用事があってコールセンターに電話をしても繋がりにくいことも多く、満足度調査でも「電話のつながりやすさ」は全体的に低評価だったそうです。

 

 

J.D.パワーのランキングで何が起こるのか

このサイトを含め、世の中にはコピー機に関する口コミやランキングが多数ありますが、J.D.パワーの調査結果は複合機メーカーに与えるインパクトが違います。J.D.パワーのランキングが公表されることによって、複合機やプリンターの会社では何が起こるのか、裏話をちょっとだけご紹介したいと思います。

商品開発が加速する

ランキングのところでもお話しましたが、富士ゼロックスはラージ&ミドルオフィス部門では1位に輝いたものの、スモールオフィス部門ではキャノンに惜しくも及びませんでした。というのも、富士ゼロックスは他社より本体代、カウンター料金共に高めの設定のため、スモールオフィスでの導入は見送られがちだったんです。

 

そこで開発されたのが、DocuCentre-Ⅳ C2260です。この機種は2009年の年末に販売が開始され、2012年4月末で販売が終了したものなのですが、富士ゼロックスが初めてスモールオフィスに向けて開発・販売された機種です。その後、DocuCentre-IV C2263(2016年販売終了)、DocuCentre-VI C2264(2018年8月1日販売開始)と、後継機が続いています。
このように、顧客満足度調査の結果は、企業の商品開発や販売計画にも影響を及ぼすことがあるので、とても重要なランキングなのです。

 

現場の士気に繋がる

商品開発など、会社の経営戦略に影響を与える一方、直接お客様と接する現場の営業やエンジニアにとって、J.D.パワーの結果はどのように受け止められるのでしょうか。実は、J.D.パワーの結果は現場でもとーーーっても重要視されて受け止められています。

私が勤務していたゼロックスの販売会社では、毎年結果が出る夏には、全社朝礼で社長から発表がありました。その結果によって、各部門で次の目標が決められ、さらにはボーナスにも影響があったりします。もちろん、「勝った」「負けた」によって現場の士気も変わります。他社さんのことを詳しく知っているわけではないのですが、やっぱり勝つと嬉しいですし、それによってボーナスが変わるなら大ごとです。

 

なぜ、ここまでJ.D.パワーの結果は大事なの?
このランキングの結果は、本当に自社の製品を使っているかわからない、見ず知らずの人の意見ではなく、自社や他社の製品を間違いなく使っていて、そのユーザーが解答してくれた、製品やサービスに対する噓偽りのない気持ちを、点数化したものです。つまり、これを軽視することは、自社の製品を使ってくれているユーザーを軽視することになるのです。企業や現場はこれを真摯に受け止め、日頃の企業活動に反映させていく姿勢が求められるわけなのです。

 

 

 

【まとめ】ランキングに一喜一憂

世の中にはいろんなランキングがあり、消費者はそれによって購買意欲を刺激されたりするものですが、実はコピー機業界にもランキングがあって、それによって経営が左右されたり、現場の人間が一喜一憂している様子をお伝えすることができたでしょうか。J.D.パワーでは、様々な分野のランキングがあり、レポートでは現在の市場の分析もされているので、お時間がある時にぜひ覗いてみてください。読み物としてなかなか面白いですよ。

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