ベテランGメン園川
デュプロの印刷機「デュープリンター」のメリット・デメリット
出典:デュプロ
「デュプロ(Duplo)」は日本の印刷機メーカであり、販売店です。主力製品は「デュープリンター」で、特定の分野・業界では非常に強いメーカー・販売店の印象を受けます。
今回の記事では、一般的なコピー機と印刷機のデュープリンターを比較し、メリット・デメリット含めて紹介していきます。
コピー機と印刷機の比較
「コピー機にするか、印刷機にするか」と検討されている際、気になるのは以下の4点ではないでしょうか。
- 機能性
- 印字品質
- ランニングコスト
- トータルコスト(コストパフォーマンス)
それぞれの項目でメリット・デメリットを説明していきます。
機能性ついて
まずは機能性について、基本機能の違いから比較してみましょう。
基本機能の違い
一般的なコピー機では基本機能の「スキャン」「コピー」「プリント」「ファクス」の、4種類の機能が使えます。一方、印刷機はどのような機能を持っているのでしょうか。下の表にまとめました。
スキャン To 機能(※1) | コピー機能 | プリント機能(※2) | ファクス機能 | |
コピー機 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
印刷機 | ✕ | ◎ | ◎ | ✕ |
※1 スキャン機能とは原稿台で読み取ったデータをPCやサーバーに送信・保存する機能を指します。※2 プリント機能とは、PCから直接原稿を送り印刷する機能を指します。
印刷機はコピー機に比べて複合的な機能を持っていません。一般的な複合機の「印刷機能だけ」が強化された機器とイメージしても良いでしょう。
「コピー機も印刷機も同じようなもの」と思って導入してしまうと、使いたかった機能が使えない!なんて事になってしまいます。印刷機は印刷に特化した製品であると押さえておきましょう。
印刷速度の違い
次に、印刷速度について比較してみましょう。
以下は、デュプロ販売公式の図解です。印刷機は概ね「100枚/分」以上の印字速度を持っており、ミドルスペックのコピー機(50枚機)と比較しても圧倒的な速さを誇ります。
今回の記事で取り上げているデュープリンター「DP-F」シリーズの印字速度は150枚/分と高速で、上位機種になると190枚/分と業界最速の印字速度を誇ります。
出典:デュプロ
印字品質について
続いて印字の品質についてチェックしてみましょう。
印刷工程が違うため、品質はコピー機の方が上
一般的なコピー機・複合機がトナー方式であるのに対し、印刷機は液状のインクを使用します。
そのため、多様な用紙に印字可能な長所がある一方で、印字品質が「使用する用紙の質に左右されやすい」というデメリットもあります。
また、印刷工程もコピー機とは全く異なるプロセスです。
印刷機は絵柄の元になる版を、マスターに孔(あな)をあけて作りだします。生成される孔(あな)の精密さには物理的な限界要素が加わるため、極細のレーザー光を用いて版を描くコピー機と比べると解像度は劣ります。
印刷機は基本的に1色刷りか2色刷り
印刷機は基本的に単色印刷(モノクロ印刷)、または赤黒印刷やモノカラー印刷と呼ばれる2色刷りが一般的です。そのため、写真やカラフルな原稿を印刷したい場合には不向きです。
ランニングコストについて
コピー機は月間の印刷枚数として約10,000枚(1日あたり500枚)を想定しており、モノクロ印刷時のカウンター料金は相場で1.0円/枚ほどとなっています。一方、デュープリンターのランニングコストは、「同一の印刷物」を「どれくらいの量印刷するか」で大きく異なります。
出典:デュプロ販売
オフィスのコピー機では様々な書類をプリントアウトをすると思いますが、仮に『A』という書類を1日100枚、『B』という書類を1日100枚・・・『E』という書類を1日100枚と、原稿の種別が変わろうと、1枚あたりの印刷単価は変わりません。
しかし、デュープリンターで同じようなことをしてしまうと、『A』を印刷して版を交換、『B』を印刷して版を交換・・・と、原稿を変える度に版を交換しなくてはいけないため、1枚あたりの単価が高くなります。
一方、同一の原稿を大量に印刷する場合は、同じ版を使い続けることが可能なため、ランニングコストはとても安くなります。
トータルコスト(コストパフォーマンス)について
本体価格は一般的なコピー機と比べると印刷機の方が高額ですが、コピー機と同様に、販売店との交渉次第で高くも安くもなるため、一概にどちらの方が安いとは言えません。
ただし、先にも記載したとおり、以下の条件全てに合致するようであれば、本体価格を差し置いても、ランニングコストと作業効率UPの観点で、確実にデュープリンターがお得と言えます。
- コピー用途のみで使いたい
- 同一の原稿を大量に印刷したい(1日あたり10,000枚=1,000枚✕10原稿)
- 時間とコストを掛けられない
デュープリンターがオススメの企業・環境
デュープリンターはどのような企業、環境に向いているのでしょうか?
教育機関や不動産業での使用
入札の説明書や仕様情報などを見ると、指名入札で「デュープリンター」となっていたり、落札者情報でも「デュープリンター」が記載されていたりと、公的機関に強く、これらの機関で印刷機が求められるのは同一原稿を大量に印刷する機会が非常に多いためです。
よって、同様の大量印刷を行う企業や環境に向いています。
例えば、教育機関であれば、生徒向けのレジュメや宿題、保護者向けのお知らせプリントなど、一定数量を短時間で印刷する状況が考えられます。また、不動産業であれば投函用のチラシの作成などにも活用できます。
その他、1日あたり1,000枚以上、同一の原稿を作成したい場合は、導入を検討しても良いでしょう。
デュープリンターが向いていない企業・環境
次にデュープリンターをオススメできない企業・環境をお伝えします。
一般オフィスの複合機としての使用
こちらは先述の通り、複合機としては使用できません。
そのため、デュープリンターが一般オフィスのメイン機になることはあり得ません。ただし、営業部門、広報など特定の部署で同一のチラシや資料などを大量に印刷する場合(1日1原稿を500枚以上)は、コピー機だけでは力不足となるため、コピー機の補助装置としてデュープリンタを検討するのは良いかもしれません(一部企業では印刷室などを設置し印刷機を置くこともあります)。
標準価格と実相場
小売希望価格は、どのシリーズも100万円以上です。シリーズ別、用途別などで多少変わることもありますが、基本的にはコピー機よりも高いです。以下の記事でも詳細を書いていますので、ご参照下さい。
デュープリンタのイチ押し機種「DP-α700」
一般的な印刷機では下図の【片面印刷機】のように、表面を印刷した後、一度用紙を乾かし、その後、再度用紙をセットして裏面を印刷するのが通常でした。
出典:デュプロ精工株式会社
このロスタイムを軽減してくれるのが「DP-α700」です。
印刷後に手動で乾かすことも、用紙を再セットすることもなく、自動で一気に両面印刷を行うことが可能なため、大幅な効率アップにつながります。
また、最高印刷速度も「155枚/分」と印刷機の中でも非常に高速・高性能です。
出典:デュプロ公式YouTubeサイトより「DP-α700」印刷工程の動画(3分57秒)
オペレーター 杏奈
【まとめ】お見積もりはコピー機Gメンへ
- デュプロは「印刷機」のメーカー、販売会社
- 持っている機能は「印刷すること」のみ
- 機器本体は一般的なコピー機より高い
- 印刷速度はコピー機などに比べると速い
- ランニングコストは印刷枚数が多いほど安くなる
- 画質はそこそこ
ベテランGメン園川