新人Gメン及川
ベテランGメン園川
オペレーター 杏奈
印刷機のメーカーを比較・解説
印刷機市場のシェアは、日本国内外ともに「デュプロ」「リソー」の2強が占めています。
まずは、印刷機の2大メーカーである理想科学のリソグラフと、デュプロのデュープリンタ―を簡単にご紹介します。
「リソグラフ」の理想科学
出典:理想科学
理想科学(リソー)は、印刷機業界では最大手のメーカーです。リソーの主力印刷機「リソグラフ」のシェアは、国内で70%、海外でも50%と驚異的な数字を誇っており、コピー機・複合機のメーカーで例えると、富士フイルム(ゼロックス)に該当するポジションです。
理想科学のリソグラフは、孔版印刷方式のデジタル印刷機。一般的なコピー機とは比較にならないほど高速に印刷できます。
印刷枚数が多くなるほど、1部あたりにかかるランニングコストは安くなります。ただしフルカラー対応ではなく、カラーは2色刷りまでです。
リソーは商品の多角的に販売しており、印刷機以外にもオフィス向けの高速カラープリンター「オルフィス(ORPHIS)」やページプリンター「プリオア(Prioa)」を展開しています。
「デュープリンタ―」のデュプロ
出典:デュプロ
デュプロ(Duplo)は日本の印刷機メーカー・販売店で、主力製品は印刷機の「デュープリンター」です。
デュープリンタ―は理想科学のリソグラフと同様の孔版印刷方式を採用しており、印刷速度が速く、印刷部数が多くなればなるほど印刷コストが下がります。
デュープリンタ―も以前は2色刷りの機種がありましたが、現在は製造されていません。ただし、販売業者に在庫がある場合は、購入可能です。
ベテランGメン園川
【価格比較】リソグラフとデュープリンター
まずリソグラフとデュープリンタ―の本体価格とランニングコストを比較します。
本体価格が安いのはリソグラフ
1分あたり190~200枚印刷できる機種の本体価格を比較してみます。
- リソグラフSF939G:204万円
- デュープリンターDP-X850:220万円
同程度のスペックで比較した場合、本体が安いのはリソグラフです。
リソグラフSF939Gのほうが、デュープリンターDP-X850より16万円ほど安価です。ただし、印刷速度はややデュープリンターのほうが速く、また本体サイズもデュープリンターのほうがコンパクトな仕様になっています。
なおリソグラフとデュープリンタ―は豊富なラインナップを揃えており、価格は機種によって幅があります。リソグラフの場合は65万円~225万円、デュープリンターは95万円~220万円程度が相場です。
ベテランGメン園川
ランニングコストが安いのはデュープリンター
リソグラフ、デュープリンタ―ともに、版を作成して印刷する印刷機です。どちらも印刷枚数が多くなればなるほど、1枚あたりにかかる印刷代は安くなります。
▼リソグラフの印刷コスト
出典:理想科学
上記のように、理想科学リソグラフSF939/SF939Gの場合、4,000枚印刷時のランニングコストは0.14円/枚まで下がります。なお、リソグラフのランニングコストは、機種によっても異なります。たとえばMHシリーズなら、単色0.14円/枚~、2色0.15円/枚~です。
▼デュープリンタ―のランニングコスト
出典:デュプロ
デュプロも同様に、10枚印刷時には約5円/枚かかる印刷コストも、1,000枚印刷すると0.12円/枚と、大幅に安くなります。デュプロのデュープリンターも、機種ごとにランニングコストは異なります。
オペレーター 杏奈
【性能比較】リソグラフとデュープリンター
次にリソグラフとデュープリンタ―の性能を比較します。
- 印刷スピード
- 色数
- 両面印刷
ひとつずつ解説します。
印刷スピードはデュープリンターが速い
最高印刷速度
- リソグラフ:190枚/分
- デュープリンター:200枚/分
リソグラフの印刷速度最高値は、190枚/分です。
リソグラフでは、もう1ランク速度を落とした150枚/分という機種も用意されています。なお、190枚/分の機種でも2色印刷の場合は最高印刷速度が150枚/分になります。
デュープリンタ―の印刷速度最高値は、200枚/分。速さは、デュプロのデュープリンタ―の方がやや上です。
デュープリンタ―シリーズには中位機種として155枚/分と、エントリー機種として130枚/分という印刷機もあります。
デュープリンタ―の印刷スピードは以下でご覧いただけます。
https://www.duplo.ne.jp/product/video/insatsu_001.html
リソグラフは2色刷りに対応
出典:理想科学
デュプロのデュープリンタ―は単色印刷のみです。インクの色を入れ替えることによって、黒のほかに黄色やピンク、赤など様々な単色印刷ができます。
一方理想科学「リソグラフ」では、2色印刷が可能な機種「MHシリーズ」があります。中でも、MH935Wでは2色同時両面プリントが可能です。
オペレーター 杏奈
両面印刷はどちらの印刷機も対応
両面印刷に対応している機種
- デュープリンター:DP-α700
- RISOGRAPH:MH935W
紙代と作業時間を節約したいなら、両面印刷機能は必須です。
印刷機リソグラフとデュープリンタ―は、両者とも全ての機種が両面印刷対応というわけではなく、両面印刷ができるのは特定の機種に限られます。
▼リソグラフMH935W
出典:理想科学
▼デュープリンタ―DP-α700
出典:デュプロ
両者のスペックを比較しておきましょう。
▼両面印刷機のスペックを比較
リソグラフMH935W | デュープリンタ―DP-α700 | |
画像解像度(読み取り・書き込み) | 600dpi×600dpi・600dpi×600dpi | 600dpi×600dpi・300dpi×600dpi |
最大用紙サイズ | A3 | A3 |
製版時間(最速) | 22秒 | 18秒 |
印刷速度(最速で片面・両面) | 150枚/分・100枚/分 | 155枚/分・- |
インク色数 | 2色可能 ※50色から選べる | 1色黒のみ |
給紙容量 | 1,000枚 | 1,500枚 |
サイズ(使用時) | 1,625mm(W)×735mm(D)×1,145mm(H) | 1,520mm(W)×695mm(D)×1,100mm(H) |
本体価格 | 2,250,000円(定価) | 1,450,000円(相場) |
ベテランGメン園川
「オルフィス」と「デュープリンター」を比較
ここまでリソグラフとデュープリンターを比較してきました。理想科学には、リソグラフのほかに「オルフィス」というプリンターもあります。
以下ではオルフィスとデュープリンターの本体価格やランニングコストを比較してみます。
複合機能を比較
オルフィスは印刷機ではなくカラープリンターで、フルカラープリントやコピー・スキャンに対応しています。
複合機のように使用できますが、FAX機能は非搭載です。
オルフィスには以下のような特徴があります。
- 1,000万ページの高耐久性
- 1分あたり165枚の高速プリント
- モノクロ0.53円、フルカラー1.51円と低コスト
新人Gメン及川
ベテランGメン園川
オペレーター 杏奈
本体価格を比較
まず、オルフィスとデュープリンターの印刷機の本体価格の違いを比較します。
2機種とも多数のシリーズが用意されていますが、オルフィスの本体価格は180万円~450万円程度、デュープリンターは95万円~220万円程度と、倍近くの開きがあります。
本体の導入価格の安さで選ぶなら、オルフィスよりもデュープリンターがおすすめです。
ランニングコストを比較
次にオルフィスとデュープリンターのランニングコストを比較します。
オルフィスとデュープリンターでは、印刷コストの設定方法が異なります。デュープリンターの場合は印刷枚数が多くなればなるほど1枚あたりの印刷コストは安くなりますが、オルフィスは何枚印刷しても一定の金額です。
▼デュプロ印刷機のランニングコスト
出典:デュプロ
▼オルフィスのランニングコスト
出典:理想科学
ベテランGメン園川
色数を比較
オルフィスとデュープリンターの最大の違いは色数です。
オルフィスは、インクジェットプリンターのためフルカラー印刷が可能。下記の画像のように色鮮やかに印刷できます。
▼オルフィスのカラー印刷
出典:理想科学
一方デュープリンターは、モノクロ印刷のみに限られます。
オペレーター 杏奈
印刷速度を比較
デュープリンターのトップスピードは、200枚/分です。オルフィスの印刷速度は最大でも、165枚/分。印刷速度の速さを求めるなら、デュープリンターがおすすめです。
ただしオルフィスはプリンターとしては業界最速の印刷スピードを誇ります。「フルカラー印刷で、印刷スピードの速さ」を求めるなら、オルフィスが最適と言えます。
- 超大量(1日当たり数1,000枚)のチラシなどを単色、二色刷りで安く印刷したい場合は「デュープリンター」
- フルカラー印刷を大量にするからコストを抑えたい!品質よりを速度重視したい場合は「オルフィス」
オペレーター 杏奈
まとめ
以上デュプロと理想科学の印刷機を比較しました。
- 印刷速度はコピー機などに比べて圧倒的に速い
- デュープリンターとリソグラフのランニングコストは印刷枚数が多いほど安くなる
- オルフィスのランニングコストは一定でコピー機より安い
- 両社とも大量印刷向けで画質はそこそこ
- フルカラー印刷が不要で大量印刷するなら、複合機よりも印刷機がおすすめ
印刷機はコピー機・複合機と比較して印刷コストが安く、モノクロプリントを大量に行う印刷会社などに導入されています。
印刷枚数が多く、コストや耐久性を重視している場合はぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。