【雷はコピー機の天敵】雷で起こるコピー機のトラブル事例と対策

【雷はコピー機の天敵】雷で起こるコピー機のトラブル事例と対策
雷がなったと思ったらコピー機が使えんようになってもうた!電源入らんしどないしよ!!!

新人Gメン及川

 

ベテランGメン園川

雷は、パソコンや家電だけでなく、コピー機も壊すことがあるんですよ……sakuraさん、解説お願いします

 

複合機のメンテナンスを担当しています、sakuraです。

夏になると雷が多くなりますよね。皆さんも「あー雨降ってるし、外出しづらいなー」と思われるかと思いますが、実はコピー機にとっても危険が迫っている状態ということをご存じでしょうか。今回は、雷によって起こるコピー機のトラブルを紹介し、雷対策についてご紹介したいと思います。

 

 

雷が原因で起こるコピー機のトラブル

雷や停電が原因で発生する、複合機・コピー機のトラブルの事例を見てみましょう。

雷が落ちた直後からFAXが使えなくなった

私が新人エンジニアの頃に、先輩エンジニアの担当先で実際に起こったトラブルです。高いビルに設置されている機械で、そのビルに雷が落ちた後からFAXが使えなくなってしまったというトラブルです。
原因は、雷によって発生する雷サージと呼ばれる瞬間的に高い電流が、電話線を通じて複合機の中に入り、FAXを送るための基盤を破壊してしまったことによるものでしたので、FAXの基盤を交換することで復旧しました。

 

 

雷が落ちた直後から電源が入らない

これもよくあるトラブルなのですが、雷による過大電流が電源ケーブルを通じて複合機の中に入り込み、複合機の電源に関する基盤を破壊してしまったことにより発生します。
こちらのトラブルも、部品を交換することで復旧することができますが、機械内部に高電流が流れたことによってその他の部品も破損している可能性があり、復旧に時間がかかったり、機械自体の交換が必要になったりすることもあります。

 

 

瞬停後からエラー表示が消えない

これは実際に私が担当しているお客様先で発生したトラブルです。ある日お客様先のビル全体で瞬断(瞬時電圧低下)が発生し、特定の機種でのみエラーが発生してしまったという事例です。
原因は、瞬断で機械内部のファームウェアが破損してしまったことによるもので、同じビル全体で10台ほどある同じ機種で同時にトラブルが発生したため、「今5階で復旧作業をしているので、終わり次第6階を回ります」と案内をしながら作業をしました。

瞬断(瞬時電圧低下とは)

瞬断は瞬停や瞬電とも呼ばれるらしいです。私は瞬電と呼んでいたので、今回記事をまとめるにあたって調べたところ、いろんな呼び方があると知りました。
瞬断とは、電気の供給が一瞬(数マイクロ秒から数百マイクロ秒)途切れることで、停電の一種とされているものです。完全には停電しないものを含めて、瞬時電圧低下ともいいます。
一瞬電力の供給が途絶えることにより、コンピュータやネットワークに障害が発生することがあります。

 

 

雷でどうしてトラブルが起きるの?

雷が落ちるとどうしてトラブルが起きるのでしょうか。それは、雷サージによって精密機器の部品が破壊されてしまうからです。
雷サージとは、雷が落ちた時に瞬間的に高い電圧が発生して、その影響で大きな電流が流れることを言います。建物や電柱に雷が落ち、電線を伝って建物の中に流れ込むものを直撃雷サージといい、木や地面に落雷することで周辺にも高い電圧が発生し、その電流が近くの電線や電話線を伝って建物の中に入り込むことを誘導雷サージといいます。つまり、建物に直接雷が落ちていなくても、近くに落ちた場合には地面などを伝って電流が建物の中に侵入してきて、機械を故障させてしまう、というわけです。

雷による電流は、コンセントに繋がれている電源ケーブルだけではなく、FAXの電話線やLANケーブルなど、あらゆるケーブルを伝って、コピー機やパソコン、家電製品、通信機器など入り込んできます。そのため、事例にあるように、電話線を伝って入ってきた電流によってFAXの部品のみ故障する、ということが発生するんですね。

 

 

雷に対する対策はあるの?

雷サージ対応電源タップを導入する

一番確実なのは、雷が鳴ったらコピー機の電源を切り、電源ケーブル・FAXの電話線・LANケーブルというすべてのケーブルを抜くことなのですが……今のご時世、雷で業務をストップさせることは現実的ではないですよね。
そこで登場するのが、雷対策のアイテムです。過大電流が流れてくる雷サージに対しては、雷サージ対応電源タップがあります。これは、コンセントと電源ケーブルの間に専用のタップを取り付けることによって、万が一雷による電流が流れても電源タップが電流を防いでくれるというアイテムです。また、数は少ないですがLANケーブルや電話線用のタップもあります。

 

日頃からバックアップを怠らない

雷によるトラブルに限りませんが、エンジニアが皆さんにお願いしたいのが、日頃からコピー機のバックアップを行うということです。「コピー機のバックアップって何?」と思われるかもしれませんが、機械の中にはたくさんのデータが保存されています。

  • FAXの電話帳のリスト
  • スキャンの保存ボックスや転送先
  • スキャンしたデータ
  • コピーやプリントの各種設定

各メーカーによって方法は違いますが、パソコンにバックアップを取ることができるデータもあるので、日頃からこまめにバックアップを取っておくと、突然故障が発生してもスムーズに復旧することができますよ。

 

 

【まとめ】雷は電子機器の天敵!しっかり対策を!

今回の記事を読むと、雷がコピー機にとっても恐ろしい存在だということをご理解いただけたかと思います。ちなみに私sakuraは、日本で一番雷が多い場所に住んでいたことがあります。調べてみると、年間42日雷が鳴っていて、9日に1回は雷が鳴っている計算になるそうです。確かに、年中雷が鳴っていたイメージです。どの地域にお住まいの方でも、雷の対策はいつでも万全にしておくようにしましょうね。

 

 

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