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コピー機・複合機の複写倍率とは?
出典:コニカミノルタ
コピー機・複合機の複写倍率とは「A4サイズの原稿をA3サイズに」「B4サイズの原稿をB5サイズに」など原本のサイズ倍率を拡大または縮小してコピーを行う機能です。
近年のコピー機・複合機は自動で倍率を設定してくれるため、自分で倍率を入力することは少ないかもしれません。しかし、中古のコピー機など古い製品では手動で設定をすることもあり、倍率の設定を間違えてしまうと、用紙をムダにしてしまうので、この機会に複写倍率の仕組みを理解しておきましょう。
大手事務機メーカーのコピー機部門で、生産技術職として約8年勤務していました。設計者と生産現場の橋渡しをする役割を行っていたため、開発から生産までの幅広い知識を持っています。
倍率の設定は覚えてしまえば簡単ですが、最初はうまくいかないこともあるので、仕組みを理解して日頃の業務に役立てて頂ければ幸いです。
複写倍率の仕組み
A3の原稿をA4サイズに縮小コピーする場合、用紙サイズとしては、ちょうど半分なので50%に設定してしまいそうになりますが、正しい倍率は70%です。複写倍率は面積ではなく、辺の長さの比で変化し、基本的に以下の計算式で求めることができます。
ただし、これはA4やB5などを規定とする定型サイズの場合のみ適用できるもので、長辺で計算しても短辺で計算しても同じ値となります。
それは、定型サイズの場合、A0サイズを半分にしたものがA1、その更に半分にしたものがA2と、サイズが下がっていき、長辺を半分にすることで縦横比が同じになる規格だからです。
定型外サイズの場合は、用紙の長辺と短辺の関係が様々なので、それぞれで計算した倍率の値が変わってきます。倍率の大きい方に設定すると画像がはみ出してしまい、小さい方に設定すると余白が残ってしまうので、倍率は求める仕上がりによって決めると良いでしょう。
印刷の仕組み
なぜ、長さの比で求めるのでしょうか?それはコピー機・複合機の印刷方法に関係があります。
コピー機・複合機では、光学ユニットが原稿に当ててはね返ってきた光をデジタル信号に変換することで画像や文字を読み取り、レーザー光で感光体ドラムに書き出し、トナーを付着させることで印刷を行っています。
まずは、原稿をスキャンしてから印刷するまでの流れを簡単に見ていきましょう。
- スキャン:原稿の読み取りを行う
- 帯電:感光体ドラム表面全体を均一に帯電させる
- 露光:出力された画像や文字の通りに光を当て、ドラム表面内に電荷の差を発生させる
- 現像:電荷の差によって、光が当たった部分にのみトナーが吸い寄せられドラムに像が描かれる
- 転写:トナーで描かれた像を紙へ直接転写する、または転写ベルトに1度移してから紙へ転写する
- 定着:紙に乗せられたトナーに熱と圧力を加えて定着させる
- 排紙:定着後の用紙を冷却・除電しながら排出する
画像を読み取る際は、奥行き方向(主走査)の一列を読み取り、横方向(副走査)に原稿もしくは読み取りユニットを移動させて画像全体を読み込みます。書き出しの場合も同様で、奥行き方向(主走査)の一列をドラムに書き出し、ドラムが回転することで画像全体が描かれます。
画像や文字を読み取る際には、縦横それぞれに細かな点が幾つ、どのように並んでいるか?が信号に置き換えられているため、拡大もしくは縮小する場合には、面積ではなく辺の長さで算出されます。
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複写倍率の設定方法
複写倍率を設定する方法は、メーカーによって違う部分もありますが、主に3つのパターンに分かれます。それぞれの設定方法について確認していきましょう。
自動倍率設定
出典:富士ゼロックス
定型サイズの原稿を拡大もしくは縮小コピーしたい場合に便利な方法です。
原稿をセットしたら出力する用紙サイズを選択し、自動倍率設定を選択すれば、出力用紙に合わせて拡大や縮小を行ってくれます。
上記の画像では「70% A3→A4 B4→B5」など、原稿サイズと出力用紙サイズの倍率が表示されていて、該当する倍率を選択するだけで、希望通りのサイズで印刷されます。
手動倍率設定
出力する用紙のサイズに関わらず、原稿を希望のサイズに拡大もしくは縮小したい場合は、手動で倍率を設定することができます。
基本コピーのモード中に倍率を設定する項目があるので、1%単位(機種によっては0.1%刻み)で倍率を指定して拡大もしくは縮小を行います。なお、指定できる拡大・縮小の倍率は、ほとんどの製品で25%~400%の範囲です。
※複写倍率の固定・指定倍率については、コピー機・複合機のスペック仕様(基本仕様またはコピー仕様)で確認することができます。
出典:ムラテック
用紙サイズ設定
読み取る原稿のサイズを指定してコピーしたい場合は、サイズを選択もしくは入力して設定することができます。
読み取り方法を選択するモードで「原稿サイズ入力」などの項目を選択します。そうすると、あらかじめ設定されている定型サイズから選択するか、長辺と短辺のサイズを入力することができます。
前述のように、定型外サイズの場合は、長辺と短辺で倍率が違うため、出力したい用紙サイズと画像サイズで判断して下さい。
まとめ
- 複写倍率は出力用紙の長さ÷原稿の長さ×100で求めることができる
- 複写倍率は面積ではなく、辺の長さの比である
- 定型外サイズの原稿では長辺と短辺で倍率が異なる
- 倍率設定は自動で行われるものが多いが、1%単位(または0.1%単位)で指定することもできる
- 読み取る原稿のサイズを指定することもできる
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