【コピー機・複合機の初期不良】3つの原因と代表的な不具合

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コピー機・複合機の初期不良とは?

 

コピー機・複合機の初期不良

 

初期不良とは、購入したばかりの製品に不具合が発生することで、コピー機・複合機では紙が詰まることや印刷に擦れや線が入ってしまうことがあります。

購入したばかりなのに、どうして初期不良が起こるのでしょうか?各メーカーから送り出されたばかりの新製品でも、設置して間もなく不具合が発生してしまうことは意外にも珍しくありません。

 

元コピー機メーカーの技術職 著者紹介

大手事務機メーカーのコピー機部門で、生産技術職として約8年勤務していました。本体の生産ライン立ち上げなど、設計者と生産現場の橋渡しをする役割を担当していたので、開発から生産までの幅広い知識を持っています。

返品されてしまうほどの初期不良には、どのようなエラーがあるのか?また、その原因は何なのか?ユーザー先で設置した製品の初期不良の例を、技術的な視点を交えつつお伝えします。

ちなみに、私の経験の範囲では初期不良による返品は多くて月に2~3機で、全くない月も多々ありました。

 

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コピー機・複合機の初期不良のケース

初期不良には、印刷中に紙送りの問題が生じ「紙詰まりエラー」になってしまう場合や、印刷工程で不具合が発生し「画像不良」が起きてしまう場合など、その内容は一つではありません。

また、新品のコピー機・複合機を購入して、初めて設置する際の動作確認時に発生してしまうこともあれば、設置して多少の印刷を繰り返しているうちに発生してしまうこともあります。

初期不良が起こる頻度は、それほど頻繁ではありませんが、決して「極めて稀なケース」でもありません。ユーザー先で不具合が発生した際に、その場で原因や処置が分からず、メーカーへ検討依頼されると、初期不良扱いになります。

具体的な例を幾つか挙げて紹介していきます。

 

設置時や利用開始直後に発生するケース

製品を購入して、サービスマンが設置時の動作確認を行った時や、初めて本体を動作するタイミングで、何らかの不具合が発生してしまうことがあります。

そのような初期不良は、イレギュラーなことが起こっており、頻度としてはあまり多くはありません。その要因として考えられるのは以下の2点です。

 

  1. 部品の破損
  2. 本体内への異物混入

 

部品が破損している

製品の生産時は問題なく動作していたはずなのに、ユーザー先で設置した際に、どこかの部品が破損していて、異音や動作不良が発生することがあります。

珍しいケースと言えますが、破損しやすい部品としては、モーターの回転を伝える歯車や細かい形状をしているプラスチック部品などが挙げられます。

歯車に破損があると、動作自体は行えますが、回転にムラが発生し、画像に線が入ってしまいます。また、カバーなどでなく機構部品に破損があると、何らかのエラーが起きます。破損部品が本体の深い部分にある部品だと、全てバラシて交換を行う必要があるため、基本的にはメーカーの対応になります。

 

本体内に異物が紛れている

本体を出荷するまでの、どこかの段階で異物が本体内に紛れ込んでしまうことがあります。

例えば、トナーカートリッジに異物が入っていると、トナーを撹拌して感光体ドラムへ現像する際に、工程の途中で異物が詰まってしまい、その部分だけ現像できず、画像に白いスジが発生してしまいます。

また、転写ベルトユニット内に異物が入っていると、感光体ドラムから転写ベルトへ転写する部分もしくは転写ベルトから用紙へ転写する部分に異物が回り込み、画像に入らないはずの点々が発生してしまいます。

その場で取り除けるようであれば不具合は解消されますが、動作することで別の場所にダメージを与えてしまうこともあり、内容によっては重大な問題の場合もあるので、メーカーで発生経路など、しっかりとした確認が行われます。

 

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少し利用してから発生するケース

設置時は問題なく動作できていても、設置後に少し印刷しただけなのに、不具合が発生してしまうこともあります。この場合は、イレギュラーに起こってしまった問題に限らず、その製品に潜在的な問題があった可能性も考えられます。

例えば、以下のような不具合が起きた場合は、その製品が潜在的に抱えていたであろう問題です。

 

  • 紙詰まりが頻繁に発生する
  • 画像不良が発生する

 

これらの不具合は、生産ライン内での動作では顕在化していなかったケースが多いです。

 

紙詰まりが発生する

用紙をトレイにセット→給紙→印刷の工程を経て、排紙トレイに排出されるまで、本体内では常に用紙の搬送が続いており、幾つもの部品で形成された搬送経路上を各ローラーが受け渡し合っています。

本体内の部品は一体になっているわけではなく、各ユニットに分かれているので、ニットをまたがって用紙が搬送されるポイントでは特に紙詰まりのリスクが高くなる傾向があります。

ユニットの構成などによっては、はじめは問題なく印刷できていても、繰り返される度にズレが生じて、紙詰まりが起きてしまう場合があります。

 

画像不良が発生する

異物が紛れ込んだことによる画像不良とは違い、印刷の初期では不良が発生しなかったものの、ある程度トナーを消費することで問題が顕在化し、画像不良が発生する場合があります。

もしくは、それまでは許容できていた部品のズレなどが、印刷を繰り返すにつれて許容範囲を超え、画像に影響を与えるレベルまで達してしまい、何らかの画像不良として現れることもあります。

 

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初期不良の原因は?

コピー機・複合機は、生産ラインでの組み立て時に印刷などの基本的な動作チェックを行い、品質基準を満たすことを確認したうえで出荷されます。

それなのに、なぜユーザー先で動作不良を起こしてしまうのでしょうか。代表的な要因として以下の3点があります。

 

  1. 輸送時の破損
  2. 組み立て不良
  3. 設計時のマージン不足

 

1つずつ要因をチェックしていきましょう。

 

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輸送時の破損

輸送時の振動などで、部品が破損してしまったり、部品の位置にズレが生じてしまうことがあります。

組み立てラインでの生産を経て、品質チェックを終えた製品は、緩衝材や梱包材でしっかりと保護したうえで出荷されます。輸送方法は飛行機やトラックなど様々ですが、製品の出荷が認められるまでに、様々な輸送方法を想定して振動試験などを行い、問題なく輸送に耐えられるか?も確認しています。

しかし、出荷が始まったばかりの製品は、振動試験などで表面化していなかった梱包上の問題が発生することもあります。その場合は梱包方法などを見直したうえで、再度評価が行われます。

 

組み立て不良

次に、本体の組み立て時に「部品を取り付け忘れた」「ネジを締め忘れてしまった」などの組み立て不良が挙げられます。

コピー機・複合機の生産ラインでは、ロボットによる組み立ての自動化が進んでいますが、まだまだ組み立ての多くは人の手によって行われています。ダブルチェックや画像検査など、組み立てミスをなくすための取り組みを行っていますが、稀にチェックをすり抜けてユーザー先へ出荷されてしまうものがあります。

組み立て不良が見つかった場合は、どこかの工程で必ずミスが発見されるので、製品出荷まですり抜けてしまわないように、チェック工程を追加したり、ミスを検出できる工程に変更するなど再度徹底した作り込みを行います。

 

設計時のマージン不足

最後は、正常に動作できる範囲が狭すぎるために、少しの部品のズレで不良となってしまうケースです。

コピー機・複合機は数百点の部品から構成されており、全ての部品を正確な位置に組み付けられていることが理想です。しかし、実際には部品自体も量産によるバラツキがあり、組み付けによる小さなズレは起こってしまうことがあります。

そのため、ズレが起こらない構成にするか、ズレを許容できるような構成にする必要があります(もしくは、そのズレを吸収するために、位置調整をして合わせ込むことができる構成になっています)。

それらの部品構成が厳しく、少しのズレでも影響があるような設計マージンだと、出荷し始めた頃は成り立っていたとしても、生産を重ねるに連れ、許容できなくなってしまい、不具合へと繋がってしまう場合があります。

 

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まとめ

今回は、コピー機・複合機の初期不良が起こる原因と具体的な例をお伝えしました。

製品の仕様や生産ラインの作り込みなどは、どんどん改善されているため、初期不良の割合は年々少なくなっています。初期不良の製品があたってしまうとショックは大きいでしょうが、基本的には販売店やメーカーが責任を持って対応してくれます。

また、問題をフィードバックして、今後の改善にも繋げてもらえるので、何か気付いたことがあれば、遠慮なく担当者に伝えましょう。

 

  • 初期不良には、設置時に発生するものと印刷を繰り返したのちに発生するものがある
  • 部品破損や異物混入があると設置時に画像不良や動作不良となる
  • 印刷枚数やトナー消費が増えると顕在化して発生する初期不良がある
  • 原因は輸送や組み立て、設計的な余裕がないことが考えられる

 

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