コピー機・複合機のファーストコピータイムの仕組みを元技術者が解説!

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複合機・コピー機のファーストコピータイムの仕組み

 

ファーストコピータイムの仕組み

 

コピー動作の総合的な時間に強く影響するファーストコピータイムとは電源が立ち上がっている状態でコピーボタンを押してから最初の1枚が排出されるまでの時間です。

メーカーのカタログ仕様に記載されているファーストコピータイムは、基本的にはA4ヨコ送りの場合の時間を示しています。

 

ファーストコピータイムが速いコピー機・複合機

  • 第1位 シャープ MX-3150FN 6.7秒
  • 第1位(同) 富士ゼロックス DocuCentre-VI C3371 6.7秒
  • 第3位 京セラ TASKalfa 3252ci 7.0秒

※30~35枚機のカラー印刷で比較した場合。

 

オペレーター 杏奈

詳しくは以下の記事をご覧下さい!

 

コピー機・複合機のファーストコピータイムとは?

コピー機のファーストコピータイムとは【7~8秒が目安だが環境にも影響】

 

コピー機・複合機には、ファーストコピータイム以外にもスピード性能を表す数値が幾つかあり、どのような使い方をするか?によって、求めるポイントが異なります。

 

元コピー機メーカーの技術職 著者紹介

大手事務機メーカーのコピー機部門で、生産技術職として約8年勤務していました。本体の生産ライン立ち上げなど生産技術系の仕事で様々な本体の問題を検討してきたので、基本的な幅広い知識を持っています。

コピー機・複合機は機種によって特徴が様々です。理解を深めて頂くことで、最適な複合機選びの参考になれば幸いです。

 

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コピー機・複合機のファーストコピータイムの内訳は?

ファーストコピータイムは、原稿の読み込みを開始し、最初の用紙を印刷工程まで運び出す等、印刷を行う前準備の工程も含めたコピー動作の総合的な時間を示しています。

多くの場合、コピー機・複合機本体のスピード性能を表す「印刷速度」は、連続で印刷した際に計測された時間で、スキャン動作や1枚目を給紙してから印刷工程までに送り出す動作の時間はカウントされません。

つまり、単純な印刷の速さと原稿をコピーする速さは別の指標になると言えます。もっとも、印刷の速さが上がれば、それだけファーストコピータイムも短くなるので、無関係ではありません。

 

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コピー動作の工程

コピーボタンを押してから、印刷が完了して排出されるまでの間には、多くの工程を経ています。

コピー機・複合機は、プリンターのインクの代わりに「トナー」と呼ばれる粒状の樹脂を使用しており、工程は複雑です(その代わり高速で大量の印刷が可能です)。

同期しているものもありますが、コピー動作の工程は以下のような流れで進みます。

 

  1. スキャン:原稿の読み取りを行う
  2. 給紙:セットされた用紙の束から1枚だけをピックアップする
  3. 搬送:給紙した用紙を印刷工程に運ぶ
  4. 帯電:ドラム表面全体を均一に帯電させる
  5. 露光:出力された画像や文字の通りに光を当て、ドラム表面内に電荷の差を発生させる
  6. 現像:電荷の差によって、光が当たった部分にのみトナーが吸い寄せられドラムに像が描かれる
  7. 転写:トナーで描かれた像を紙へ直接転写する、または転写ベルトに1度移してから紙へ転写する
  8. 定着:紙に乗せられたトナーに熱と圧力を加えて定着させる
  9. 排紙:定着後の用紙を冷却・除電しながら排出する

 

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カラーとモノクロ

ファーストコピータイムは、カラーとモノクロでも違いがあります。

現在のカラーコピー機・複合機では、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色が独立したドラムユニットを持っており、各色それぞれで転写ベルトへの転写を行い、全色分を合成した画像を用紙へ二次転写する方式が主流となっています。

カラー印刷では4色分の転写工程を繰り返すのに対し、モノクロではブラック一色分の転写のみで完了します。

そのため、カラー印刷に比べてモノクロ印刷は印刷工程のスピードが多少早くなります。

 

<ファーストコピータイムの一例>

メーカー 機種名 カラー モノクロ
シャープ MX-3150FN 6.7秒 4.7秒
京セラ TASKalfa 3252ci 7.0秒 5.3秒
コニカミノルタ bizhub C308 7.3秒 5.6秒

 

原稿台読み取りとADF読み取り

コピーには、原稿台ガラスに用紙や本などを置いて読み取りを行う方法と、ADFに原稿をセットして自動で読み取る方法があり、ファーストコピータイムは、この読み取り方法によっても変わります。

その理由は、読み取りの動作が大きく違うからです。

基本的に原稿の読み取りを行う際は、いずれの場合も原稿台ガラスの中に見える『光学ユニット』で原稿に当て、はね返ってきた光をデジタル信号に変換する作業が行われています。

原稿台読み取りの場合は、ガラスの上に対象物が固定されており、光学ユニットが動くことで全体を読み取っていますが、ADF読み取りの場合は、光学ユニットが固定されており、原稿をADF内で搬送し移動することで全体を読み取らせています。

光学ユニットは同じものですが、原稿台読み取りでは光学ユニットを移動させる精度が画質に影響するため、動作のスピードが遅くなってしまいます。

一方、ADFの場合は原稿の移動速度や精度が安定しているため、素早い読み取りが可能になっています。

 

このような仕組みのため、1枚だけすぐにコピーしたい場合はADFが適しています。なお、各メーカーのカタログ等に記載されているファーストコピータイムは、原稿台読み取りの際の時間です。

 

原稿読み取りの違いをもっと詳しく解説!

【複合機・コピー機のスキャナー】スキャンの仕組みと故障の原因

 

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どのようなスピードを求めるのか?

コピー機・複合機のスピード性能を表す数値には、ファーストコピータイムの他に「連続複写速度」と「ウォームアップタイム」があります。

それぞれがどのような速度を表しているのか?を理解することで、選ぶポイントが見えてくるでしょう。

 

連続複写速度

連続複写速度とは、1分あたりに何枚印刷ができるか?を表した数値です。

測定は、連続11枚を印刷し、1枚目の排紙完了時から11枚目の排紙完了までに要した時間を計測します。その時間を1分あたりの印刷枚数に換算することで求められます。

単純に印刷のスピードを表した数値が連続複写速度となるので、大量印刷を行うことが多いオフィスは連続複写速度を重視して製品を選んだ方が良いでしょう。

 

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ウォームアップタイム

ウォームアップタイムとは、主電源スイッチを入れてからコピー動作が完了するまでの時間です。

トナーを使用して印刷するコピー機・複合機は、定着ユニットを用いて熱と圧力を加えることで、トナーと用紙を融着させています。そのため、電源を入れた直後やスリープ状態から復帰した時などは、定着ユニットが必要とする温度になるまで加熱する時間が必要で、この要素がウォームアップタイムに大きな影響を与えています。

連続した大量印刷ではなく、数枚程度の印刷が多いオフィスや印刷の間隔が空いてしまうことが多いオフィスはウォームアップタイムが短い製品を選んだ方が良いでしょう。

 

コピー機・複合機のウォームアップタイムの仕組み

元技術者が解説!コピー機・複合機のウォームアップタイムの仕組み

 

ファーストコピータイムを重視する使い方

原稿を1枚だけコピーする機会が多いオフィスや、必要な時に急ぎでコピーをしたいオフィスは、ファーストコピータイムが短い製品を選ぶのが良いでしょう。

ただし、そのような用途の場合は、1枚1枚の印刷間隔が空いてしまうことが多いので、スリープ状態から復帰する際のウォームアップタイムも気にした方が良いでしょう。

ファーストコピータイムが短くても、ウォームアップタイムが長いと、急ぎの要求に応えられない場合があります。

 

ファーストコピータイムは参考程度でも良い

コピー機・複合機のファーストコピータイムやその他のスピード性能の違いについて説明しましたが、現在では各メーカーで、ほぼ横並びになっており、極端な差はありません。

製品によってスピードに差が出てくるのはファーストコピータイムよりも「連続複写速度」ですが、各メーカーでラインナップが様々あるので、選定の幅は広いと言えます。

スピードだけではなく、画質や機能性、ユーザーインターフェースなど、何を優先するか?によって、総合的に判断しましょう。

 

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まとめ

  • ファーストコピータイムはコピーボタンを押してから排出されるまでの時間
  • カラーとモノクロ、ADF読み取りと原稿台読み取り、でもスピードは違う
  • 使い方によって求めるスピードのポイントは変わってくる
  • 技術の進歩により各メーカーで速度は上がり生産性が高くなっている
  • 最終的には速度だけでなく画質や機能など総合的に判断しよう

 

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