【黒線トラブル】複合機・コピー機で紙に線が入る原因と対策

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プリントやコピーに線が入る原因と対処方法

 

コピーに線が入る原因と対処法

 

せっかく作り上げた資料や画像を出力した時に線(筋)が入っていたことはありませんか?どうして線が入ってしまうのか?と疑問に思っても、原因が分からずに諦めてしまうことが多いでしょう。

ガラス面を拭き取るだけでは解決しない場合、確実にコピー機・複合機の内部で不具合が起きています。プリントやコピーに線が入る原因を理解して、対処方法も一緒に覚えておきましょう。

 

元コピー機メーカーの技術職 著者紹介

大手事務機メーカーのコピー機部門で、生産技術職として約8年勤務していました。本体の生産段階で発生する画像不良やユーザー先で異常が発生し返品された本体の画像不良など、原因追及と対策を何度も経験しているので、印刷物を見れば、どのような不具合が起きているのか?の見当が付きます。

印刷物に線が入っても冷静に対処できるよう、今回は「プリント・コピーで線が入る理由と対処法」をお伝えします!

 

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線が入る原因を特定する

印刷物に線が入る原因を知るために、まずはコピー機・複合機がどのように画像や文字を印刷しているのか?を理解しておきましょう。

印刷の仕組みと工程

コピー機・複合機の印刷技術は「電子写真方式」と呼ばれ、トナー(粒状の樹脂)を静電気の力で紙に運び、熱と圧力で定着させています。

この「電子写真方式」で画像や文字が印刷されるまで、主に以下の工程を経ています。

 

  1. 帯電:ドラム表面全体を均一に帯電させる
  2. 露光: 出力された画像や文字の通りに光を当て、ドラム表面内に電荷の差を発生させる
  3. 現像: 電荷の差によって、光が当たった部分にのみトナーが吸い寄せられドラムに像が描かれる
  4. 転写:トナーによって描かれた像を紙へ直接転写する、または転写ベルトに1度移してから紙へ転写する
  5. 定着: 紙に乗せられたトナーに熱と圧力を加えて定着させる

 

線の向きや太さなど状況を確認する

印刷物に線が入っていたら、どこで不具合が起きているのか?を特定することが大切です。

コピーの仕方によって原因が違うこともあれば、線が入っている方向や太さによっても原因が異なることもあります。

 

状況を確認するためには、線が入った印刷物は重要な資料となります。ただ「印刷物に線が入るから来て欲しい」とメンテナンス業者に依頼するよりも、現物を見せた方が早く原因を解明できるので、印刷物は捨てずに残しておくようにしましょう。

 

専門の知識や技術がなければ修理はできないので、基本的にはメンテナンス業者に対応してもらいます。ただし、線の入り方によっては、簡単に不具合部分の切り分けや修正ができる場合もあります。

代表的なパターンを幾つか紹介してみます。

 

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どの印刷方法で線が入るのか?を確認

どのような方法で印刷を行った時に線が入るのか?を確認しましょう。

例えば以下のようなパターンがあります。

 

  • ADFからコピーをした時に線が入る
  • PCからデータを出力した時に線が入る
  • 両面印刷の時だけ線が入る

 

特定の印刷方法で線が入る場合は、原因が絞り込みやすくなるので、最初に確認しておきましょう。

 

原稿読み取り(スキャン)を行ってコピーをした時に線が入る

この場合は、ADFか原稿台での読み取り過程に問題が生じていることが考えられます。原因としては、原稿読み取りガラスに異物や汚れが入ってしまっていることがほとんどです。

上カバーを開いて原稿読み取りガラスを清掃してみましょう。清掃の方法は機種によって少し異なるので、取扱説明書などの指示に従って実施して下さい。

ADFの読み取りガラスは、大きな面の左側にある細い領域部分です。

 

読み取りガラス・原稿ガラスの清掃部分

コピーに線が入る場合の清掃

出典:リコー

 

ADF(自動原稿送り装置)の清掃部分

ADFの清掃

出典:リコー

 

清掃をしても線などが入ってしまう場合は、原稿を読み取るCCDセンサーが故障している可能性もあります。その際は、自力で解決できないので、メンテナンス業者に連絡をしましょう。

 

データ出力(プリントアウト)をした時に線が入る

原稿読み取りではなく、PCからデータを印刷した場合やFAXなどの出力を行った際に線が入る場合は、本体内部で不具合が生じています。

そのため、原稿読み取りでも同じような線が入るでしょう。

原因としては、ゴミや異物が入っているだけのこともあれば、どこかの部品が故障している可能性もあります。原因によって線の出方が変わるので、どのような線が出ているのか?も一緒にチェックしておきます。

 

両面印刷の時だけ線が入る

原稿読み取り、データ出力に関わらず、両面印刷の時だけ線が入ってしまうのであれば、用紙を反転させるユニット部分で不具合が起きています。

その線は、おそらく用紙の進行方向と平行でシャープなものであり、線と言うよりはキズのように出ていることが多いでしょう。

原因として考えられるのは、反転ユニット内への異物混入か、搬送経路の部品に変形やキズが生じている可能性です。このような状態でコピーを続けると、さらにダメージが大きくなることがあるので、すぐにメンテナンス業者へ修理の依頼をしましょう。

 

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どんな線が入っているか?を確認

印刷方法に関係なく線が入ってしまうのであれば、コピー機・複合機の本体内部に不具合が起きている可能性があります。どんな線が出ているか?によって、原因を絞り込むことが可能です。

 

白く抜けるように縦線が入る

画像や文字が印刷される部分にトナーが付かず、白く抜けている時はトナーを用紙に運べていないことになります。トナーボトルから供給されたトナーを用紙に転写するまでの間に、何らかの問題が起きている可能性が大きいでしょう。

トナーカートリッジでは、感光体ドラムにトナーを均一に供給するために「現像スリーブ」と言う金属ローラーと金属ブレードに決まったスキマを設けて、トナー量を規制しています。

このスキマの間に異物が挟まってしまったり、トナーの塊ができて詰まってしまったりすると、その部分だけトナーを供給できず、白抜けの線となります。

一度、トナーカートリッジを新品と交換してみましょう。

それで白い線が出なくなるようであれば、これが原因の可能性が高く、もう一度トナーカートリッジを戻して白い線が発生すれば確実です。

また、感光体ドラムが劣化して帯電不良が起きたり、ドラムへ露光するスキャナユニットに不良があると、供給されたトナーを運ぶことができず、白い線が出てしまいます。

トナーカートリッジを交換しても変わらない場合はドラムカートリッジを交換してみましょう。

それでも変化がなければ、切り分けが難しいので、メンテナンス業者に連絡をして下さい。

 

余白や白い部分に色の付いた縦線が入る

次に、画像や文字が印刷されていない場所に、色の付いた線が入ってしまうケースです。これも転写の部分で不良が起きていることがほとんどです。

画像や文字を転写した後、感光体ドラムや転写ベルト上には、転写しきれずに残留したトナーがあり、「クリーニングブレード」と言う板状のゴムを当ててかきとるクリーニング工程を行います。

ところが、ブレードが欠けているとクリーニングが充分に行えず、トナーが残留したままとなり、用紙に転写されてしまいます。

このような線が入る場合は、ドラムカートリッジを交換してみましょう。

それでも変わらなければ、メンテナンス業者に転写ベルトのクリーニングユニットを交換してもらう必要があります。

その他、定着ユニットに汚れがあり、縦線が入ってしまうケースも考えられます。いずれにせよドラム交換で線が消えなければ業者に対応してもらいましょう。

 

【コピー機・複合機のドラムとは?】ドラムの寿命・交換・清掃の方法は?

 

 

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キズのような引きずった縦線が入る

印刷された画像や文字に引っ掻いたような縦線が入っている場合は、用紙の搬送経路上に異物やキズがあることがほとんどです。

特に、トナーを引きずったような線は転写直後に用紙へダメージを与えている可能性が高く、まずは紙詰まりを処理する時のように、搬送経路上にゴミなどが落ちていないか?を確認してみましょう。

 

等間隔で横線が入る

一定の回転をしている部分にキズや異物が発生している場合は、回転部品の外周のピッチで等間隔に線が入ります。考えられる部分としては、現像スリーブ・感光体ドラム・転写ローラー・定着ローラーなどです。

等間隔の横線が発生したら、その間隔を測定してメンテナンス業者に連絡しましょう。トナーカートリッジやドラムカートリッジの交換のみで解消できる場合もあります。

 

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まとめ

印刷物に線が入ってしまう原因と対処法を幾つかを紹介しましたが、この他にも発生する線のパターンはまだまだあり、それによって異なる原因が考えられます。

そのまま印刷を続けると、他の部分にダメージを与えてしまうこともあるので、今回の内容を参考にしてみて下さい。

また、コピー機・複合機は製品ごとにクリーニングモードや清掃部材が付いている機種があります。説明書の内容をよく読んで対応しましょう。

 

  • 線が入る原因を特定するためには、しっかりと状況を確認することが重要
  • 線が入った印刷物は捨てずに取っておくこと(業者に見せること)!
  • 特定の印刷方法で線が入るのか?いつでも線が入るのか?によっても切り分けができる
  • どのような線が発生しているのか?によって、疑うポイントは変わる
  • 線の種類によっては、ドラムカートリッジやトナーカートリッジの交換のみで解消できる

 

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