メーカーを含めた上位店は、下位店に対して高い卸価格を維持することが自社の利益に繋がります。仕入れ価格に疑問を感じて相見積もりなど取られないよう、業務でのやりとりで細心の注意を払うのは当然として、その他にどんな手法で寝技に持ち込むのでしょうか。
御社だけの特別価格です!と嘘を付く
上位店は下位店に対して「御社だけの特別価格なので、他社には内密で・・・」と言うことが多いようですが、それには上位店側に2つのメリットがあります。
- 下位店に対して、特別待遇を受けている気にさせる
- 他社との仕入れ価格の情報交換をされない
「御社はまだ月販10台ですが、ここだけの話・・・月販50台の販売店さんと同じ仕入れ価格なんです」と言われると、下位店は上位店から特別に扱ってもらい、良い条件を出してもらっていると恩を感じてしまうようです。
上記に加えて「特別価格なので、内緒で・・・」と言われると、その恩人を裏切れないからと、皆様真面目にその約束を守っておられるようです。そこで私が「本当に月販50台の会社の仕入れ価格と同じなのか、確認されたのですか?」と聞いてみても、明確に返答があったことは一度も有りません。
上位店の「全販売店一律で値上げです」は嘘の記事でも記載しましたが、この手の嘘くらいは寝言でも言えるのが複合機業界の人々です。
酒池肉林でカンタン共犯関係
今でも上位店が下位店に接待するという昭和スタイルの営業は健在のようです。手法としては飲み会、旅行、表彰、下位店の社内イベントへの参加、ゴルフなどがよくあるパターンで、公式のものから非公式のものまで様々です。
しかし共通点が有るとすれば、全て上位店の領収証が切られていることと、それをして余りあるほどの利益を下位店への卸価格との差分で捻出出来てるという点です。決して上位店の方々が「好意で」やっていることではありません。
接待で下位店を気分良くさせることは当然ですが、出来れば深夜にみんなで遂行する「悪いこと」も組み込めれば完璧で、これでより強い共犯関係が出来上がります。
社長が来てくれた\(-o-)/
いわゆる表敬訪問です。外野からすると
「偉い人が来てくれだだけで嬉しいか?」
「それより仕入れ価格を下げてくれた方が嬉しいだろう」
と思ってしまいますが実際に非常に効果を上げているようで、うちに「メーカーの支社長が挨拶に来てくれたんだよ」と得意気に話しをしてくれる下位店さんは珍しくありません。
下位店さんは「わざわざ来てくれた、あの堂々としつつも謙虚な支社長さんを裏切れない!」という忠誠心を抱くので、先の「他社には内密で・・・」という上位店からの約束をより一層固く守ってくれます。
もちろん、上位店さん目線で言えば下位店への卸価格の利幅の方よりも偉いさんの人件費の方が格安なので、大盤振る舞いで動員してきます。
御社が一番の販売店さんです!とおだてる
そんなおべっかを使われるのは大きな販売店さんだけかと思われるかと思いますが、そうではありません。例えば福岡なら「福岡市で一番」で無くても、「福岡市の博多区で一番の台数」「博多区で一番お付き合いが古い」など、区分を小さくしたり別の軸を持ってこればいくらでも一番を捻出出来ます。
特に複合機販売店は地域の同業を強くライバル視しているので、その狭~いエリアで一番だと言われると嬉しくなり、殿への忠誠を一層強く誓ってくれることになります。逆に「それだけの販売力があるのだから、他の仕入元と交渉出来るかも」と考える人は私の知る限り10%未満では無いかなと思います。
まとめ
良い待遇を受けて恩を感じるのは当然の感情ですし良いことだと思いますが、下位店さんはそれだけの利益を上位店さんにもたらしているので、「一生恩に着る」必要は無いのかなと思います。
我々は癒着やズブズブがあることは理解しつつ「前例やしがらみを客観視し、その時のベストな判断が出来る会社様を応援する」スタンスで運営しておりますので、新しい仕入元探しをご検討の販売店様はご相談ください。
オペレーター 杏奈