【国家資格が必要】複合機のエンジニアが持っている資格紹介

  • 公開日:2019年06月10日
  • 複合機情報
【国家資格が必要】複合機のエンジニアが持っている資格紹介
ええー!社会人になっても勉強せなあかんとか、聞いてへんわー!

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

コピー機のエンジニアの皆さんも苦労しているんですね……どんな資格が必要なのか、紹介してもらいましょう

 

sakuraです。

医者には医師免許、弁護士には弁護士資格があるように、仕事をする上で資格が必要なものも多くありますが、コピー機のエンジニアには資格が必要かどうか、皆さんはご存知でしょうか。今回は、私がコピー機のエンジニアをやっている上で取った資格についてご紹介したいと思います。

 

電気通信設備工事担任者

この資格は、公衆回線やCATVなどの通信回線に接続する端末設備の接続・配線工事を行うための国家資格です。国家資格なのですがとても知名度が低く、人に説明する時はかなり大変な資格です(笑)。
この資格はコピー機とどのように関係しているのでしょうか。コピー機にはFAX用の電話線やLANケーブルなど様々なケーブルが接続されています。そのうち、電話線を触ったり、電話に関する機器を触る上で、工事担任者の資格が必要になるらしいです(先輩からそのように習いました)。

 

工事担任者には種類がある

工事担任者は資格に種類があり、AI(第1種~第3種)、DD(第1種~第3種)、AI・DD総合の7つがあります。この種類によって許可された業務の範囲が変わります。AIはアナログ通信、DDはデジタル通信の試験です。このうち、コピー機のエンジニアが取るように言われるのはDD第1種です。
DD第1種について、電気通信国家試験センターのホームページにはこのように説明があります。

デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。

引用:(一財)日本データ通信協会 国家試験センター

……文字で書かれるとちょっと難しそうですね。DD第2種や第3種には制限があり、第1種は端末設備を接続するための工事をすべて許可した資格ということになります。

 

科目は3つある

DD種の試験には、以下の3つの分野から問題が出題されます。

  • 電気通信設備の基礎
  • 端末設備の接続のための技術および理論
  • 端末設備の接続に関する法規

……このように書かれても、堅苦しくてわかりづらいですが、ざっくり言うと数学と物理と法律の問題が出る試験という感じです。
この試験は100点満点中60点以上取ると合格になり、1科目ごとに合否が決まります。科目を合格すると、3年は合格資格を持つことができ、もし1回目で法律だけ合格した場合、2回目は基礎科目と理論科目だけ受験することができ、そこで2つ合格すると、3つ合格となり、晴れて資格取得となります。

 

難易度は高い

平成30年第2回の試験では、DD第1種の合格率は33.3%でした。大体30%前後で推移しているようです。約3人に1人は合格していることになりますが、この試験は対策をしないとまったく歯が立たない問題が多く、私が受験した際には合格するまでに4回も試験を受けることになってしまいました。基礎と法規は1回で合格できたものの、「端末設備の接続のための技術および理論」でなかなか60点を取ることができなかったためです。年に2回しか試験がないので、2年かかったことになります。今までいろんな試験を受けましたが、間違いなく最も時間がかかって、最も受験代を支払った試験でした。

 

ITパスポート

こちらは工事担任者より圧倒的に知名度が高いですね。ITパスポートの試験に関するホームページには、このように記述があります。

ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。

引用:【ITパスポート試験】iパスとは

つまり、ネットワークに関する業務に従事するエンジニアだけではなく、ITを利用する社会人や、これから社会人になる学生まで、ⅠTに関する基本的な知識を持っているか確認することのできる、幅広い受験者を対象とした資格なのです。
コピー機には、今や当たり前のようにパソコンやネットワークケーブルが接続されています。そのため、コピー機のエンジニアには、コピー機を修理するだけではなく、ネットワークに関する様々な知識が必要とされます。そのため、私の在籍する会社では、コピー機のエンジニアとして働き始めて数年後に、営業や事務など、職種を問わず全社員がITパスポートを取得するように通達されました。

 

科目は3種類

ITパスポートは、以下の3つの分野から問題が出題されます。

  • ストラテジ系(経営全般)
  • マネジメント系(IT管理)
  • テクノロジ系(IT技術)

テクノロジ系はITやネットワークに関する知識を問うものですが、ストラテジ系とマネジメント系は経営や業務に関する知識を問うもののため、学生を含め幅広い世代を受験対象としているものの、ストラテジ系とマネジメント系は、社会人の経験がないと解くのが若干難しい内容になっています。

 

難易度は高くないが、学生には難しい

合格率は、平成31年4月度で54.6%ですが、社会人は63.9%、学生は36.7%と、やはり社会人のほうが合格率は高くなっています。学生の方で受験される場合は、問題を解くだけでなく、出てきた用語などがどういう場で使われるかを、ひとつひとつ理解しながら対策を進めることが必要となりそうですね。

 

.comマスター

.comマスターは、IT系の会社に勤めている人でなければ聞いたことがない資格かもしれません。正式名称は「NTTコミュニケーションズ インターネット検定 .com Master 」といい、NTTコミュニケーションズが2001年5月から実施しているインターネットに関する民間資格です。
私はコピー機を直すと同時に、パソコンやインターネットのトラブルを解決する仕事もしていますが、同じような仕事をしている先輩たちが挑戦している資格のため、取得を志しました。

 

2種類の資格と、3種類のランクがある

.comマスターには、2種類の資格と、3つのランクがあります。
まず、2種類の資格についてご紹介しましょう。

ドットコムマスターにはICTを安心・安全に利用できる初級レベルの資格「ドットコムマスター ベーシック」、 個人や企業のICT活用をサポートできる中級・上級レベルの資格「ドットコムマスター アドバンス」の2つの資格があり、目的に合わせてお選びいただけます。

引用:インターネット検定【ドットコムマスター】(ドットコムマスターとは?) | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま

ベーシックは普段からパソコンを利用する人が知識を確認したり、身につけるために適した資格です。一方アドバンスは、ネットワークに関する知識を指導したり、知識をもとに就職活動をしたりする際に役に立つ資格です。

そして、アドバンスにはさらに2つのランクがあります。

  • ドットコムマスター アドバンス シングルスター(中級レベル)
    適切にICTを利用でき、他者への利用指導もできるレベル
  • ドットコムマスター アドバンス ダブルスター(上級レベル)
    組織やグループでICTを利用する仕組みを作り、管理できるレベル

引用:インターネット検定【ドットコムマスター】(選べる2つの資格) | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま

アドバンスは受験した際に不合格か合格で結果が出て、合格の中でも点数や正解した問題によってシングルスター取得か、ダブルスター取得となります。

 

アドバンスダブルスターはかなり難易度が高い

.comマスターの合格率は公表されていません。私や会社の先輩が合格を目指したのはアドバンスダブルスターでしたので、ダブルスター目当てに勉強していた時のことを思い出すと、先輩方はかなり苦戦していました。というのも、ダブルスターの範囲はIPv6の仕組みやセキュリティ、ネットワークの規格など様々な範囲から難易度の高い問題が出題されるため、しっかり準備していかないと太刀打ちできない試験なのです。ちなみに私は一発で合格することができました。自慢か!と思われそうですが、1回でダブルスターを取りたかったのでかなり努力しました。それくらい準備の必要な資格ですが、取る価値の高い資格です。

 

Fuji Xerox Color Management Basic

この資格は、富士ゼロックスがDTP・製版・印刷・ゼログラフィー・カラーマネジメント分野に関する知識を認定するという目的で実施している民間資格です。私sakuraはゼロックス機を修理することが多いため、資格を取得しました。BasicとProfessionalという2種類の資格がありますが、そのうちBasicは三原色などの基本的な色の知識や、印刷や製版の基本的な用語の知識を問うものが多くありました。テキストを読んでよく勉強しておけば合格できるかと思うので、挑戦する皆さんは頑張ってみてください。

 

【まとめ】コピー機にまつわる資格は沢山ある

この他にも、DTPに関する資格や、ITに関する高度な知識を問う資格などがあり、資格取得に応じてボーナスや昇給昇格にプラスになることもあります。今や、コピー機にパソコンは当たり前で、コピー機のエンジニアに求められることは日々増えていっています。エンジニアも皆さんのお困りごとにお答えできるよう頑張っていますので、聞きたいことがあったらお気軽に聞いてみてくださいね。

 

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