【複合機のトナーとは?】レーザープリンターで使われるトナーの種類や注意点

  • 公開日:2018年07月24日
  • 複合機情報
【複合機のトナーとは?】レーザープリンターで使われるトナーの種類や注意点

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コピー機に欠かせない「トナー」とは?

 

コピー機

 

仕事の効率をアップさせる業務用の複合機(コピー機)。本体を導入しただけでは巨大な備品に過ぎず、印刷には『トナー』が必要不可欠です。しかし、言葉は耳にしたことがあっても、トナーについてイマイチ分かっていない方も多いのではないでしょうか?

形状としてはこんな感じ。これがトナーです。

 

出典:ブラザー

 

トナーカートリッジと呼ばれる、この黒い筒状のモノを複合機(コピー機)本体にセットしないと印刷はできません。今回は、複合機とセットで知っておきたいトナーに関する情報をお伝えします。

 

トナーの特徴とインクとの違い

トナーとは、文字や画像を用紙に再現する『粉で、黒鉛や顔料を付着させた熱で溶ける小さな粒状の樹脂で出来ています。この粉を静電気のチカラによって、カートリッジと呼ばれる黒い筒から用紙に転写し、熱や圧力を加えることで用紙へ色(文字や画像)を定着させます。定着性が高く滲みにくい、カラーでも普通紙に印刷できる、印刷速度が速いなど、メリットが多い一方で、インクジェットに比べると繊細な色の表現は弱いことがデメリットです。

そんなトナーの成分は主に、先ほども述べた粒状の樹脂と色の元になる顔料。その他にトナーがローラーに付着することを防止するためにワックスが使われています。一般的には、樹脂・顔料・ワックスの3つの成分で構成されており、トナー1粒は約5ミクロン=0.005mmと非常に小さく、肉眼で確認することは難しいほどの大きさです。

 

トナーの色の種類

 

色

 

トナーの色の種類は基本的に、ブラック(黒=K)、シアン(青=C)、イエロー(黄=Y)、マゼンダ(赤紫=M)の4色。ブラックを除いた3つの色を重ね合わせることで、全ての色を作り出すことができます。たとえばイエローとマゼンダを混ぜると、レッド(赤=R)に、シアンとイエローを重ねるとグリーン(緑=G)になります。それぞれの色の濃さを変えて重ねることで、同じ赤でも薄い赤や濃い赤を作り出し、それらを混ぜ合わせることで、豊かなカラーバリエーションを生み出します。

 

トナーの色

出典:リコーサイエンスキャラバン

 

カラーに限ったことではありませんが、熱を加える前の状態では、トナーは用紙の上に乗っているだけです。熱を加えることにより、樹脂でできたトナーが溶け→用紙に染み込み→紙の繊維に絡まることで色が定着します。さらに熱を加えた後は、紙の繊維に絡んだ状態で冷えて固まることで、用紙から色が取れなくなります。

 

トナー取り扱い時の注意事項

トナーの粒子は、1粒およそ5ミクロン=0.005mmと非常に細かいため、カートリッジ(黒い筒状の専用容器)に詰めて使用します。カートリッジが防御壁の役割を果たしているおかげで、通常、トナーが飛散することはありませんが、カートリッジを床に落としたり、コピー機にぶつけて破損すると、中に詰まっているトナーが散らばってしまい、周辺を歩くだけでも舞うように飛散します。

トナーには直ちに人体へ影響を及ぼす有害な成分は使われていません。しかし、粒子が細かいゆえに塵や埃と同じように大量に吸い込んでしまうと気管支などに入り込む恐れがあります。

また、稀なケースですが、飛散したトナーに引火すると粉塵爆発が起こる危険性もあります。トナーを交換する際などは火の取り扱いに注意し、万が一、カートリッジが破損してトナーが飛散した場合は、掃除機を使わず(余計に飛散するだけではなく、引火して火災や発煙に繋がる危険があります)、雑巾などで拭き取るようにしましょう。

 

【破損以外の注意点】
トナーを定着させるために、ローラーの表面温度は160〜180℃程度まで熱くなることがある。トナー交換の際は、火傷にも要必要。
 

トナーは消耗品!1本で印刷できる枚数は?

トナーは印刷する度に減っていく消耗品。なくなれば新しいトナーに交換しなければなりません。メーカーの説明によると、A4の文書で印字される文字やグラフなど、着色させる部分がA4用紙の5%だった場合、トナー1gで印刷できるのは約15枚。トナーカートリッジ1本分に換算すると、5,000枚~20,000枚程度が目安となります。

下記の2枚をA4用紙と思って比べてみて下さい。同じ「鬱」という漢字を入力していますが、左の用紙は余白が見えなくなるほど文字で埋め尽くされ、右の用紙は中央に一文字だけ入力されています。

 

枚数

 

当然ながら、トナーを使うのは左の方。このペースで印刷を繰り返していれば、トナー1本で5,000枚も印刷できません。一方、右は着色部分がA4用紙の5%にも満たないので、トナー1本で20,000枚以上できる可能性もあります。

 

 

同様に面を塗りつぶすベタの部分が多いと、さらにトナーを使うことになるので、1本で印刷できる枚数は少なくなります。一概に「トナー1本で寿命は○ヶ月」と言い切ることはできず、「印刷物の内容によって寿命は異なる」と覚えておきましょう。

 

トナーの種類

トナーは、大まかに分けると純正トナーと非純正トナーがあります。純正トナーとは複合機(コピー機)メーカーが販売している正規のトナーで、日本国内向けの純正トナーだけではなく、海外向けに複合機を販売している各メーカーの純正トナーもあります。それ以外は基本的に非純正トナーと思って良いでしょう。

それぞれの特徴をまとめてみました。

 

純正トナー:国内純正トナー

複合機(コピー機)の各メーカーが、機種に合わせて開発している正規のトナーを『純正トナー』と言います。品質面で最も優れており、メーカーも専用の純正トナーを使うように推奨しています。難点は価格が高いこと。また、生産が終了した機種の場合、純正トナーの入手が難しいこともあります。

 

 

純正トナー

出典:Amazon

品質 ★★★★★
価格 ★☆☆☆☆
ポイント
メーカー保証期間内なら修理は無償&保守契約期間内はトナー交換が無償。

 

純正トナー:海外純正トナー

海外でも複合機(コピー機)を販売している各メーカーが、海外向けに販売している純正トナーを『海外純正トナー』や『輸入純正トナー』と言います。海外向けに製造している純正トナーなので品質面では問題がなく、さらに日本国内向けの純正トナーに比べてリーズナブルですが、海外輸入品なので商品についての説明書や注意書きは、基本的に英語などの外国語です。また、到着した際に商品が破損していた場合など、自力で対応しなくてはならないこともあります。

 


出典:Amazon
品質 ★★★★☆
価格 ★★★☆☆
ポイント
品質面での問題はないが、海外は日本に比べて荷物の取り扱いが雑なのが不安。

 

非純正トナー:汎用トナー

メーカー以外の会社が製造・販売している非純正トナーを『汎用トナー』と言います。複数の複合機(コピー機)で使えるように、機種名やメーカー名などが表示されていません。品質に関しては、汎用トナー各社によってバラつきがあると言われていますが、コスト的には安価です。なお、汎用トナーを使用したことによる故障は、原則としてメーカーの保証を受けられません。

 


出典:Amazon
品質 ★★★☆☆
価格 ★★★★☆
ポイント
品質は製造会社によって異なるが、概ね良好でコスパも◎ ただし利用は自己責任

 

非純正トナー:リサイクルトナー 

使用済みのトナーカートリッジを回収し、分解→洗浄→修理→トナーを充填した、非純正トナーを『リサイクルトナー』と言います。基本的にカートリッジはトナーさえ充填すれば再利用できるものなので、品質的には問題ありません。メーカーが充填を行うリサイクルトナーと、メーカー以外の会社が充填を行うリサイクルトナーがあり、料金は他のトナーに比べて割安です。エコにも優しい商品ですが、純正トナーに比べてトラブルが起きやすいと言われています。

 

 


出典:Amazon
品質 ★★★☆☆
価格 ★★★★★
ポイント
価格は最も安いが、原則としてメーカーの保証は受けられない

 

各トナーの料金例

最後に各トナーの料金例を見てみましょう。海外純正トナーに関しては、為替レートによって異なることもあるため、今回は省略します。

 

メーカー:カートリッジ名 国内純正トナーの定価 某社の汎用トナー 某社のリサイクルトナー
キャノン:カートリッジ509 46,200円 19,980円 5,292円
リコー:720B 63,000円 30,770円 6,237円
エプソン:LPB3T29 68,300円 37,900円 11,772円

 

上記の通り、汎用トナーは国内純正トナーの半額程度、リサイクルトナーに至っては、さらに安い傾向があります。海外純正トナーは、国内純正トナーより安く、汎用トナーよりは高いことが一般的です。また、汎用トナーやリサイクルトナーの料金は製造会社によって大きく異なります。近年は、海外で製造された極端に安いリサイクルトナーも出回っていますが、品質面で劣ることも多いので、リサイクルトナーを選ぶ時には注意しましょう。

 

トナーの選択

 

G-MENからのワンポイント・アドバイス 

保守契約中を結んでいる最中は、原則として最高品質である国内純正トナーを無償で交換してくれます。ただし、保守契約の終了後や中古の買い取りなどで保守を付けていない場合、トナーを購入するごとに代金を支払わなくてはなりません。リサイクルトナーや汎用トナーでも、品質に優れ故障の少ない製品が続々と登場しているので、純正トナーにこだわる必要はないと思いますが、どうしても純正トナーにしなければらならない(メーカーの保証対象外になったら困る、社長が純正トナーを使え!の一点張りetc…)オフィスもあることでしょう。

しかし、純正トナーは高額で印刷コストを圧迫してしまいます。そこでG-MENからの「こんな方法もあるよ」と一つの選択肢として紹介したいのが、トナー節約のソフトウェア。その名も「Toner Saver」で、Windows専用のソフトウェアです。これを使うことにより、トナーの使用量を最大75%削減することができます。

 

トナーセーバー

出典:株式会社PPAP

Toner Saver(トナーセーバー)は、印刷時にトナーの削減率を1%刻みで調整することができるソフトで、最大75%まで削減が可能です。しかし、上のイラストを見ても分かる通り、75%削減でカラー印刷を行うと、色が薄すぎてボンヤリしてしまいます。

それでも、ワードの印刷はトナー削減率35%、メールの印刷は50%、特定のプリンターからは20%など、ルールを設定することができるので、細かく設定することによってトナーコストの削減を実現できます。また、管理者権限が必要な機能もあり、デフォルトで削減率を設定することができるので、一定の削減効果は間違いなく得られるでしょう。全ての書類を一番濃い状態で印刷しなくても良いケースが大半ですからね…。

Toner Saver(トナーセーバー)は有料のサービスですが、無料体験版も用意されているので、一度試してみては如何でしょうか。トナーにリスクを抱えることなく、コストを削減することができます。

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