【複合機リモートサービスの疑問を解決!】現役エンジニアがリモートサービスを徹底解説

【複合機リモートサービスの疑問を解決!】現役エンジニアがリモートサービスを徹底解説
リモートサービスに入ったら、機械とメーカーのシステムが常に会話していることになるん?

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

実は、セキュリティの関係上、コピー機から一方的に情報が発信されている状態なんですよ
コピー機から一方的に……つまり、システムサーバーに対するつらい片思いっちゅーことやな……

新人Gメン及川

ベテランGメン園川

……そういうことにしておきましょう

 

複合機のエンジニアをしております、sakuraです。今回は、前回の記事【リモートサービスって不安!?】現役エンジニアが複合機のリモートサービスを徹底解説!【紹介編】に引き続き、私が現場に出ていて、実際にユーザーからいただいた疑問質問をいくつかご紹介させていただきます。リモートサービスの仕組み上、少しややこしいものもありますが、わかりやすく説明できるよう頑張りますね。

 

 

リモートサービスの質問にお答え!

自動で注文するはずなのに、トナーが届かない!

これは、各社サービスの運用に違いがあるのかもしれませんが、よくあるトラブルです(よくあってはいけないトラブルなんですけどね……)。こんなツイートを見つけました。

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。これには、「預託されている消耗品の個数」というのが関わっています。リモートサービスを利用している各機械には、印刷枚数の多い少ないに合わせて、予備のトナーが何本必要かが登録されています。

  • 枚数が少ない機械 → トナーの預託は0本、少なくなったらその都度発注される登録
  • 白黒印刷が多い機械 → 黒2本、カラートナーは各色1本が必ずオフィスに置いてある状態をキープする登録
  • 全体的に印刷がかなり多い機械 → 各色3本がオフィスに必ず置いてある状態をキープする登録

ここで問題になるのが、「キープする登録」になっているユーザーです。

例をあげましょう。黒は2本、カラートナーは各色1本が必ず置いてあるはずの機械があります。

●●   

この機械で、黄色のトナーがなくなったのに届かなかったとします。なぜこのようなことが起こったのでしょうか。それは、メーカーのシステムに「オフィスに黄色のトナーが1本あることになっているから、それを使って交換してくれればいい」という判断をされてしまったのです。でも、機械の横にはトナーがありません。

【実際の状況】 ●●  
【システムの登録状況】 ●●   

では、あるはずの黄色のトナーはどこに行ってしまったのでしょうか。色々な理由が考えられますが、一番多いのが、「他のフロアの別の機械で、ちょうど黄色のトナーがなくなったから、目に留まったところに置いてあった新品のトナーを使ってしまった」ということです。

つまり、1本あったはずのトナーを他の機械に取られてしまったのです。そのため、「実際にあるトナーの本数」と「システム上預託されていることになっているトナーの本数」に差異が生じてしまい、なくなったのに届かなかったという事態が発生してしまったのです。

このトラブルをなくすため、リモートサービスの導入期には、エンジニアが訪問した際には必ず預託消耗品の本数をシステム部に報告する、という地道な作業がありました。結構な割合で差異が発生していて、全く在庫がなかったり、逆に在庫が溢れかえっていたりと、びっくりするようなことも多くありましたよ。

また、この預ける本数や、その都度発送の登録は、今までの印刷枚数の平均を元に設定がされているため、トナーの残量表示が出てからいきなり大量に印刷したりすると、配送が間に合わない場合もあります。あくまで目安で動いているので、例えば大量に印刷する予定がある時などは、コールセンターや営業、エンジニアに相談して、多めに予備を持っておくと安心かもしれません。アナログな方法ですけれどね。

 

1日に2回も修理に来たのはなぜ?

これもよくあるのですが、「1回は消耗品配送担当者によるドラムカートリッジの交換、1回は通常修理の訪問」という感じで、全く違う目的で1日のうちに2回訪問することもあります。エンジニアは普段配送業者の動きまで把握していないので(コールセンターに問い合わせて確認することはあります)、修理の訪問をして「また来たの?」と言われることもあります。中には、配送担当が交換したドラムに初期不良があり、「先ほど訪問に来てから調子がおかしい」という修理入電があることもあります。

 

点検に来ない……なぜ来なくなった?

複合機メーカーがリモートサービスを導入する目的として、「定期点検の削減」というものがあります。リモートサービスを導入した複合機メーカー側は、リモートサービスでトラブルや定期交換部品の交換時期を自動で管理をしているから、エンジニアが定期的に訪問して点検する必要はないという考え方なんですね。ですが、今まで定期点検でエンジニアが来ていたのに、新しい機械にしてリモートサービスを始めた途端に点検がなくなるなんて、ユーザーから不信感や不満が出るのは当たり前の話です。現場のエンジニアの立場としては、ユーザーの使用状況を確認して、継続的に点検をお願いしたいというユーザーには点検を続けさせていただいております。

 

故障したのに連絡が来ない!

これもシステムと人間の難しい背景があったりなかったり……。メーカーによると思うので、私が勤めているところのシステムの話をしますね。

前回【リモートサービスって不安!?】現役エンジニアが複合機のリモートサービスを徹底解説!【紹介編】で「故障の通知が入ったらエンジニアが確認の電話をして、修理・点検に訪問します」とご説明しましたが、実は……ものによりますが、通知が入ったら必ずユーザー先に行かなくてはいけないものではないのです。

例をご説明しますね。「A4のトレイで10回紙詰まりしました」という通知が入った場合、「こういうことがありましたよ」という感じで、エンジニアの訪問予定システム上に通知が入ります。その理由が、「紙の破片が詰まって紙詰まりした」のか、「ローラーがすり減っていて紙詰まりをした」のか、「紙を入れすぎて紙詰まりをした」のか、システム上では理由まではわかりません。その通知を見て、「何かトラブルが潜んでいるかもしれないから、点検に行ってみよう」と判断するエンジニアもいれば、「今機械が止まっていないなら、訪問も電話も別にいいや。壊れたら電話が来るだろう」と判断してしまうエンジニアもいるのです。つまり、リモートサービスと言いつつ、エンジニアの判断によってその後の対応が変わってしまうこともあるんです。もちろん、エンジニアによって差異が出ないように、エンジニアを管理する上司の方たちは目を光らせています。

本当に故障して、機械が止まってしまった場合、ユーザーがコールセンターに自分で電話するほうが早いなんて、本末転倒な話ですよね。

 

 

【まとめ】よいシステムでも、使いこなす側の姿勢が大切なんです

【リモートサービスって不安!?】現役エンジニアが複合機のリモートサービスを徹底解説!【紹介編】に引き続き、2回に分けて複合機のリモートサービスについてお届けしました。便利なサービスなのですが、実はそれを使いこなす側、つまりユーザーや複合機メーカーのスタッフの姿勢次第で、良いサービスも悪いサービスになってしまうかもしれない、ということがわかりましたね。まだまだ導入されたばかりのサービスなので、不安なことや改善してほしいことがあったら、遠慮なくエンジニアや営業に伝えてみてください。一緒に複合機業界を良くしていきましょう。

 

 

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